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大山 0720

七月から新しい職場で働き始めた。
原則週三勤務ということになっているものの、今のところ、月の前半に十日間ほぼ連続で出勤して(土、日は休み)、月の後半に二日ほど出勤、という不規則なシフトになっている。やってみると、これはこれで面白い。今までこいうい勤務形態があると思ったこともなかったので、特に試してみようとも思っていなかったが、長期旅行へ行くには、このほうが都合がつけやすい。土、日は宿泊料など旅行の費用が上がりかつ混雑することを思えば、収入の少ない人はできるだけ平日に旅行をすべきだろう。と思いつつ、コロナもなかなかおさまらないし、読みたい本をリストアップしていったら思ったよりも本腰を入れないといけないようなので、遠出はあまりしないような気がする。
 勤めの期間が終わり、週末が過ぎて平日になったので、山へ行った。梅雨時よりもむしろしっかり天気予報を見ているような気がする。うっかり快晴の日に来てしまったら、熱中症になってしまうことだろう。雨の中を歩くことよりも、そちらのほうが怖い。
 秦野駅からヤビツ峠へのバスも、もう慣れたものだ。私の住むところからはバスの乗り継ぎが悪く、かなり前に来て並んでいないと座れない。バス停でぼーっと待っている時間は一時間近い。次回はぎりぎりに来て立って乗るか、もしくは涼しくなったら蓑毛行きに乗り、蓑毛から歩くのもありか、などと思う。

仕事がひと段落ついた金曜日の帰り道、電車の中で偶然、前職でお世話になった人たちと会った。今の仕事でもそれなりにお世話になる予定の人たちでもあった。私が担当していて、三月の途中から始まった業務がこの間終わったらしかった。仕事は早く終わったのに、納品する前の変更契約に通常よりもかなりの時間がかかってしまったらしい。担当が変わって慣れていないので、手続きが円滑に進められないのは仕方ないにせよ、業務が滞りなく進むよう、もう少し上司が注意を払ってもいいような気がした。まあ、無理な注文だろう。自分が担当のときには、早くできることはなるべく早く進めるように、日ごろから心がけていたものだったが、組織としてそうしなければという意識があったわけではなく、あくまで個人のモラルに任されている部分だったので、引き継がれようもないのだった。相手もそれを承知で、もはやスムーズにいったらもうけもんくらいにしか思っていないことだろう。

先月も歩いた道を、また歩いた。慣れてきて、先にあるものがわかるせいか、自然とペースが上がる。あまり休みも入れないまま、いささかハイペースで歩いていたら、突然数十メートル前に、カモシカが現れた。成獣のようだ。間近で見る機会はそれほどなかった。けっこうガタイがいいなとか、などと思いながら、しばしの間向かい合った。こんなに近いのだし、せっかくだから写真を撮りたいと思ってリュックからカメラを出そうとすると、隙ができたのか、私の動きに驚いたのか、カモシカは逃げてしまったのだった。

頂上まで、あっという間に着いてしまった。
早めのお昼を食べて、ゆっくり下っても十分な時間がある。もっと近かったら、日常的なトレーニングで来てもいいような気がする。
今日もまた、阿夫利神社併設のカフェに行こうとしていると、見晴台のあたりからぽつぽつと雨が降ってきた。雨が強くなってきたので、傘をさしながら歩いた。何年も前に、屋久島で会ったガイドさんが折り畳み傘を携帯していて、登山道でも普通に使っていたのを見て、確かに急斜面でなければ傘をさしつつ歩いたほうが効率的だということに気づいたのだ。

やがて下社にたどり着き、茶寮 石尊に入ると、雨はいよいよ大降りとなった。今日は外の席は使えそうにない。
今回は水まんじゅうを頼んだ。とても品のあるお菓子だが、前回食べたこってりしたティラミスのほうが私の好みには合っていたようだった。
小一時間も滞在していただろうか、やがて雨も止んだので、カフェを後にした。
そのあと、神社の裏で御水をいただいて、ケーブルは使わずに女坂を下った。良辨でお饅頭を買おうかと思っていたら、水曜日は定休日だった。
愛宕の滝まで歩き、少しゆっくりしてから、帰宅した。


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