大山1027、1104
最近なんとなく、月の前半は仕事をして、後半は読書をしたり山へ行ったりというサイクルができつつある気がする。来年になったらまた変わるかもしれないが、こういうのもたまには面白い。ずっと真面目に勤め人をしていたら、定年退職するまでこういう経験はできないだろう。その代わり私は何十年も従順に会社で働き続け、定年して、多額の退職金をもらったり、「今までよく頑張ってきた」と感慨にふけることもないが、今は色々な働き方があるのだから、それぞれがよりよい方法を選べばいいだけだ。
十月初旬に行った、栃木県の奥鬼怒や日光の紅葉があまりにきれいだったので、これは神奈川でも紅葉を満喫しなければと思い、また毎月大山山頂へ行くという目標もあったため、仕事の合間を縫って大山へ行った。10月27日は、初めて厚木側から登ってみた。
先日、美容院へ行ったときに、美容師さんから「三峰山」という名前を聞いて以来、その名前が気になっていた。また三峰山は、伊勢原の見晴台からもよく見える山である(多分)。
登山口のある煤ケ谷までのバスは、厚木駅から一時間に一本ある。秦野駅からヤビツ峠に行くことを考えたら、アクセスしやすい。
厚木駅のセブンでおやつを買おうと思ったら、あまりに人が多くいので、あきらめた。厚木駅をなめていた。バス停付近のコンビニに入ると、無印良品のお菓子が扱われていたので、かぼちゃのバームを買う。普段の生活では、これを一本食べてしまうと食べすぎなのだが、山へ行くのだからこれくらい、と自分に言い訳できる。
煤ケ谷へ行くまでには、温泉がたくさんあった。秦野や伊勢原の登山口に向かうバスから見える風景と、また様子が違う。神奈川県も、地域によって雰囲気がだいぶ違うものである。
事前に地図を見て、起伏の少ないコースを選んだら、川沿いを歩く道が多かった。新しい道を歩くのは面白いが、週五で働いていたら、こういうコースを歩いてみようと思う余裕はなかっただろう。キャンプをしてみたいような河原だったが、人気がなさすぎて、さすがに一人では気が引けるような場所だった。
三峰山の山頂まで行きそれなりに達成感はあったものの、展望はあまりよくなかった。とりあえず、お昼を食べた。
そこから大山頂上まで行くにはまたかなり歩き、山頂に着いたのは13時ころだった。ヤビツから登ると11時前後に着いてしまうので、たくさん歩いたという感覚があった。
途中の道で紅葉が始まっており、これは近いうちにまたこなければと思う。
数日後の31日は塔ノ岳へ行き、ここも紅葉がきれいで、そしてあまりに空がきれいだったので11月4日に再び行こうと思ったら、前日地震があったので、急遽行程の短い大山へ行くことにした。月初めに、早くも11月のノルマを達成した。
ヤビツ峠のバスを待つのはあまりに待ち時間が長いのと、せっかく山へ行くのだから運動量を増やしたいのとで、蓑毛から歩くことにした。
途中まで川の音が聞こえて、針葉樹林の中ではあるもののそんなに暗くもなくて、いいコースだった。一時間ほどでヤビツ峠につき、そこからさらに一時間強で山頂へ、ちょうどいいぺースである。さほどお腹はすいていなくても、せっかくなので、お昼は山頂で食べることにする。
最近ミスタードーナッツが値上げしたのと、中でオンライン会議をしている人がいるのでゆっくりできないのとで足が遠のいているので、代わりにスーパーで買ったドーナッツをコーヒーと一緒に食べる。単価が安く気兼ねなく食べられるし、山で疲れているときだとそれほど凝ったデコレーションなどなくても十分うれしく食べられるので、次回山に行くときにも、忘れなかったらドーナッツを持っていこうと思った。
また、商品入れ替えのために安売りしていた100グラム入りのナッツがあり、それを半分の50グラムにして持って行ったところ、もう少し食べたかった気もしつつ、食べ過ぎが防げるのでいいかもしれないと思った。
これくらい涼しい時期になれば、前日の夕方炊き込みご飯などを作り、タッパーに詰めて置き、それを翌日もっていくということもできる。などとやっていると、どんどん食糧が増えていき、山へ行って戻ってきたら返って体重が増えている、なんてことにもなりかねないのであった。
もっと家が近かったら、この時期は毎週来てもいいと思うくらい紅葉がきれいだ。特に、山頂から厚木、伊勢原方面への道でのモミジがよい。赤、黄色、そして黄緑色が一つの木の中や、もしくは近くの木の間で交じり合い、空の色を背景に、カラフルでいつまでも見ていたくなるような景色を作り出している。また、赤い実をつけている木と空の澄んだ水色との組み合わせが私はとても好きである。水色と赤は、服装に取り入れたら奇抜な色づかいになってしまうのかもしれないが、山の中で見るとうっとりするほどきれいなのだった。
帰りは七沢温泉のほうに下ることにした。思ったよりも、人工林の多い道だった。やはり登山者としては、広葉樹林内を歩くほうが面白みがあると思われた。
途中、林道にあるトンネルを歩いた。中には明かりがなく、ヘッドライトも持ってはいたが、ほぼ真っ暗な中をひたすら歩くのも、普段あまり出来ないことなので、山の中を歩く以上に非日常的な体験だった。
バス停まで戻ると、ほんの少し前まで山にいたのがうそのようだった。
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