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DOTAMAさんのバトルを見て

MCバトルについて、つい数年前までは、実際に行われているイベントだということを知りませんでした。
何年も前のことですが、世にも奇妙な物語で、「ラップクリーム」というタイトルの物語があり(中山美穂主演)、そこで「即興でラップでお互いの悪口を言い合う催し」というのを初めて見たのですが、人がそんなことできるわけないと思っていました。(即興でリズムに乗せて言葉数を調整しつつ、ただ意味の通ることを言うだけでなく、みんなをあっと言わせるような内容を盛り込んだり……そのときは、バトルをしている人たちが韻を踏んでいるだなんて気づく余裕すらなかったですがおそらくそれなりに韻も踏んでいたことでしょう)。
それから数年後(今から二年前くらい?)、テレビで「激レアさんを連れてきた」という番組を見ていたときに、DOTAMAさんというラッパーの方が出演されているのを見て、MCバトルというイベントは架空のものではなく、本当に存在することを知ったのでした。
私はテレビを持っていなくて、見るとしたらよその家で見ているので、どちらの番組を見たのもすごい確率の元でのことでした。

「激レアさんを連れてきた」で見たDOTAMAさんはあまりに好青年であり、また、長い間ホームセンターの仕事と音楽活動を両立されていたということに興味を持って、DOTAMAさんが書かれた本を読んでみたり、CDを聴いてみたり、ラジオ番組(栃木県をぶっとばせ!)を聴いたり、そうしてYouTubeでMCバトルも見るようになりました。
今もDOTAMAさんのCDやラジオは聴いていますが、MCバトルについては、あまりに激しい罵り合いに疲れてしまったので、ここ一年くらいすっかり興味を失っていました。
(DOTAMAさんも、MCバトルは宣伝のために出ている、アーティスト活動のほうが本業だ、人の悪口を言うなんて最低の行為だ、などと、よくラジオなどで言われていたような気も……)。

それが最近、よく知る子がMCバトルに出始めて好成績を収めつつある、という話を聞いて、そのことが、再びバトルを見るきっかけとなりました。
小さかったあの子が……、確かに昔から物怖じしない子だったし、「なんで?」と聞くことが普通の子より多いようだったり、頭の回転も平均的な子より早かったかもしれないし、親御さんが我が強い子だ、とは言っていましたが(みんなでカラオケへ行くと、マイクを離さないから困るとも言われていたと思う)、それでも、普通の子の範囲ではあったと思うのですが、あんな特技があっただなんて、と驚きつつ…。
そうして、一度MCバトルの動画を見ると、関連する動画として、DOTAMAさんの動画も出てきます。(普段の生活の中で、周りにラップを聴く人がいないので、こういうことがあるとあらためて有名人であられることを実感します、失礼な言い方になっていたらすみませんですが……)。
そういえばちょっと前に、ラジオでDOTAMAさんがレゲエの大会に出たみたいなことを言っていたな、もともと私はヒップホップよりレゲエのほうが好きだしちょっと見てみよう、と思って見てみたら………、圧倒されてしまいました。
Kyo虎さんという、レゲエの人とのバトルで、名バトルということでずいぶんと人気のある動画のようでした。
相手の急所をつくような内容や言葉を的確に選び(しかも一瞬で)、それをさまざまな技術(よく知りませんが、フロウとかリズムキープとかいうようです)を用いて、観客を沸かせる……、本当に激しい戦いではあるのですが、即興でこんなことができるなんて……、いや、こんなことができるようになるまでにはどれくらいの時間や訓練の蓄積があったのだろうと思うと、本当に長い道のりがあってたどり着いたもので、しかもほんの一分二分で消えてしまうようなもので(動画としては残るにしても)、すごいとしか言いようがないのでした。
レゲエのリズムでバトルをするときには、お互いが一分間パフォーマンスをし続ける、というルールのようです。普通の人だったら相手がなにを言ったか記憶するだけで精いっぱいで、その場で「こう言い返そう」なんて考えているひまはない、いや、もう考える過程などなく、心(頭?)に浮かんだことが即出てくるくらいでないと、無理でしょう。いわゆる、無意識にあるものが、意識を通さず出てくるとでもいうのか、まさに覚醒という言葉がぴったりの状態であるかもしれません。
一つのことをそこまでやり続けるという、そういう姿勢を見せてもらった気がしました。

とは言っても、やはりあまり悪口が過ぎると、ずっと見ていたいと思えるものではなかったりもするので(一度、晋平太さんとR指定さんが、お互いを誉めあうようなバトル? をしていたのを見たような気がします。そういう縛りだったのかもしれませんが。そういうのだったら、もっと快く見れるのですが)、今度は、ずっと聴いてたくなるようなレゲエの曲もアルバムに入れていただけたりするととてもうれしいな、と思うのでした。

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