フォローしませんか?
シェア
転校生の天野君は、なんだか不思議な人だった。 有泉は、一緒に掃除当番をしながら、彼に興…
夏美はB4のノートに、日記らしきものをつける習慣があった。いろいろあったときにはすらす…
一番近いのは親友という単語なのかもしれないけれど、今となってはそれも微妙に違う気がする…
出されたお茶は、どくだみとはとむぎが入っているという、今まで見たことのないものだった。…
知り会う前からその子のことは知っていた。 中学校一年生のとき、まだ慣れない制服を着な…
どうやら明日は雪になるらしい、職場の人達がそんな話をしているのを聞いて、反射的に窓のほ…
「すみません、僕、人の顔をあまり覚えられないんです。どこかでお会いしたんでしたっけ」 相手に不快な印象を与えないよう配慮した様子に、祥子はますます慌てた。 「もしかして、この間一緒に調査に行った学生さんですか?」 「違います、あの、この間、一年前くらい、夏の暑い日に、講演されてましたよね。森林内の水循環をテーマに。あのとき会場にいたんです。だから、あの時の方かなと思って、ついじっと見てしまったんです。失礼しました」 祥子はしどろもどろになりながら、どうにか返答した
十月に入り、台風も収まってきたある日のことだった。 祥子がその人を目にしたのは、それ…
青野君がちらちら私を見ていることに気づき、 「難しいね、言葉にするのって」 とわざとら…
「あの話って、本当に、一貫してフレデリの葛藤だけを書いてる気がするんだよね。女の人の反応…
一瞬、なんの話かわからず戸惑った。自分から持ち出した話題だったことを思い出す。 「私は…
「ありがちな話だな。現実の世界では、いちいち失恋したくらいで死んでらんないから、そういう…
青野君はバックパッカーをしていた。日本でお金を貯めて、海外を旅して、お金が尽きるころま…
何度も一緒に通った喫茶店だったけど、ここに来るのは今日が最後だった。 五日も経てば仕事に戻らないといけないので、私は明日の朝空港を出て帰国することになっている。ここ数年の間、雇用先の都合で、毎年四月になるといったん退職して二十日間ほど離職しする、そんなことが続いている。離職期間は、自然と海外のどこかで過ごすのが習慣になりつつあり、今年訪れたのは、南米にあるボリビアという国だった。 今までで一番遠いところに来たというのに、ほとんど動きのない旅行だった。日本でこじらせて