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【わかりやすく解説】イーサリアム2.0にアップデートして変わることとは?

ビットコインに次ぐ時価総額を誇るイーサリアムが大型アップデートを予定しています。

これまでにもイーサリアムは利便性を向上させるためにアップデートを重ねてきました。
 
今後、おこなわれる大型アップデート(The Merge)を皮切りにイーサリアム2.0へと移行する予定なのです。
 
とはいえ、従来のイーサリアムと何がどう変化して、どのような影響があるのか?いまいち全体像がつかめていない方もいるのではないでしょうか。
 
そこで今回は、アップデートによってイーサリアムがどのように変わるのか簡単にまとめました。

一通り目を通せば、基本的な概要が理解でき、投資判断のヒントになることでしょう。
 

イーサリアムについて簡単におさらい

仮想通貨と聞けばビットコインが代表の1つに上げられると思います。
高い知名度を誇り、実際に投資をしていない人でも聞いたことはあるでしょう。
 
その有名なビットコインを、より便利で使いやすくするために開発されたのがイーサリアムです。
そのため、ビットコインにはないような機能やサービスがあります。
 
代表的なのが…
・DeFI
・DAO
・NFT

上記のような新しい仕組みを取り入れることで、人気を高めてきました。
そんなイーサリアムがさらにアップデートして変わろうとしているわけですね。
 

イーサリアム2.0へアップデートで変わること

大型アップデートは5段階で行われる予定です。
※詳しくは記事の後半でお伝えします。
 
開発は同時進行されていますが、まず第一弾として「The Merge」が2022年9月中頃に行われる予定となっています。

大きく変わるのは以下の3つの点になります。
1.POWからPOSへの改善
2.スケーラビリティ問題
3.セキュリティ強化

それぞれ見ていきましょう。
 

1.POWからPOSへの移行

イーサリアム1.0はPOW(プール・オブ・ワーク)のアルゴリズムが採用されています。
今回の「The Merge」によって大きく変更する点として、POWからPOSへ移行することです。
 
POSへ移行することで、イーサリアム2.0のキャパシティーを広げて処理速度と手数料の高さを改善できると注目されています。
 
・それぞれの違いについて
簡単にPOWとPOSの違いについて紹介しておきます。
どちらも中央集権的な(仲介者がいない)ブロックチェーンの秩序や運営を守るために必要な仕組みです。
 
ブロックチェーン上にあるデータを管理するために、決められたルールに則って処理していきます。
その方法(ステーキング)として「POW方針」か「POS方針」かの違いがあるのです。
それぞれの違いは以下の通りです。
 
●POW
コンピューターを使った計算により、ネットワーク内に不正が起きていないか監視する方法です。
マイニング(計算)活用してネットワークを支えています。
 
膨大な計算式を処理するために大量のマシンが必要になり、消費電力や環境への負担が懸念されている。
 
また、参入障壁も高く、条件や設備が整っていないと参加しにくい。
 
●POS
 預け入れている量をもとに評価基準として不正を監視する方法です。
保有量に応じてネットワーク内を支えます。
 
POWと違い保有量で評価するため、消費電力や環境に負担が掛らない点がメリットとして挙げられていますね。
 

2.スケーラビリティ問題

イーサリアムは様々な機能を兼ね備えっていて利便性の高いサービスではあります。

しかし、一定のデータ量を超えると処理能力がオーバーして遅延することが問題とされていました。

このような状況を「スケーラビリティ問題」と呼ばれていますね。
 
それを解決するためにも、「The Merge」の後に予定されている「The Surge」にてシャードチェーンが導入されることで遅延問題を改善できると期待されているのです。
 
シャードチェーン(シャーディング)とは、ネットワークを複数のチェーンに分担させて、作業の負担を軽減させるシステムのこと。
 
1本のメインチェーンと64本のシャードチェーンで構造がされているため、1本のチェーンが渋滞を起こしても、別のチェーンで補えるシステムとなります。
 
それによって、処理のスピードをカバーできるようになるわけですね。
 
従来のイーサリアムでは1秒間に約15件しか処理できませんが。
シャーディングが導入されれば、1秒間に10万件近くサポートできるようになります。

あきらかな改善効果が見込めるようになるのです。
 

3.セキュリティ強化

POWからPOSに移行することでセキュリティ強化に繋がると言われております。

POWは環境や資金が整っていないと参入しづらく、バリデーターの数が多くありません。

システムも中央集権型でセキュリティ面に不安が残っていました。
 しかし、POSに移行することで、分散化システムがより進むようになるのです。

不正に改善しようとする場合、攻撃者もイーサリアムを保持する必要が出てきます。
 
そして、自分達の攻撃でイーサリアムの価値を落とすようなことをすれば、自らもそのリスクを受けることになる「諸刃の剣」状態になりますね。
 
攻撃者にとってイーサリアム2.0はリスクが高く、コストも掛かる仕組みができるわけです。

したがって、セキュリティ面の強化ができると言われております。
 

今後の動きについて

大型アップデートにより、イーサリアムの利便性が向上するのがわかりましたね。

投資家も利用しやすくなったイーサリアムに期待して注目をしています。
 
それによって、今後はイーサリアムの値動きにも影響は少なからず与えることでしょう。

ただ、投資家の間でも意見は割れています。
 
需要が増えると予測して、買いポジションを増やす人や一方で、イーサリアムに変わるアルトコインに期待を寄せる人など。

様々な角度から意見が述べられていますね。
 あくまでも机の上の論争であり、予測や願望が混じった意見だと感じられます。

予想に流されるのではなく、自分なりのルールや根拠にもとづいて取引していくことが大切ですね。
 

イーサリアムがアップデートする背景

ビットコインに足りない機能やサービスを提供するために開発されたイーサリアムですが、そもそもなぜ大型アップデートをする必要があったのでしょうか?
 
それは上記でもすでに触れてきましたが大きな課題があったからです。
主に以下の2つが問題点とされていました。
 
1.スケーラビリティ問題による遅延
2.POWによる環境問題

 
それぞれ見ていきましょう。
 

1.スケーラビリティ問題による遅延

先ほども触れましたが、イーサリアムは一定量を超えて利用すると遅延する課題を抱えていました。

遅延することで取引手数料(ガス代)も高くなり、1回の取引に数千円も掛かることも。これでは、利便性が非常に悪いですよね。
 
仮想通貨の中でも時価総額2位を占めて、利用者数も多いのに遅延して手数料が高くなってしまう状態が続けば、需要がなくなる可能性だって考えられます。
 
また、最近ではイーサリアムキラーと言われて、代わりになるアルトコインも登場しています。
 
いつまでも使い勝手が悪い状態では、後から弾頭してきたコインに需要を飲み込まれてしまうこともあるでしょう。
 
このような背景があったため、アップデートに乗り出したわけです。
 

2.POWによる環境問題

POWは提示された計算問題を一番早くといたマイナーが報酬をもらえる仕組みになっていましたね。

膨大な計算式を解くためにも、必然的にパソコンの処理能力を借りることになります。
 
それも1台ではなく高性能で多くのパソコンが必要になるのです。
そのため、消費電力や環境に負担を掛けると苦言を呈されてきました。
 
近年、投資家の間でもSDGSに関心を集めている人が増えてきたこともあり、見直す働きが活発的になった背景もあり、POSへアップデートすることになったのです。
 
POSに移行することで「消費エネルギー量が99%削減される」とイーサリアム財団は発表しています。
 
このことから、改善の効果は大きいことが伺えますね。
 

今後のアップデート予定

イーサリアム財団は問題点を改善し、パフォーマンス向上を目指して大型アップデートを予定しています。
 
システム開発は複雑さを極めるゆえ、一度にすべてのアップデートがされるわけではありません。

2022年から段階的にアップデートを予定していて、完了までには6年後を目安としています。

現時点(2022年)では、以下の5つを段階的に進めていくスケジュールになっていますね。
 
1.The Merge:POWからPOSへの移行
2.The Surge:シャーディングの導入
3.The Verge:データ保存方法をVerkleツリーへ移行
4.The Purge:チェーン上の古いデータを消去するシステム。
5.The Splurge:その他アップグレードの完了に必要な準備。

 
 

まとめ

アップデートの大きな要はPOWからPOSに移行すること。
これにより、利便性を向上させって利用しやすい通貨に改善していくことが狙いです。

今後とも段階的なアップデートがあるので、動向を追っていくのが良いでしょう。

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