『CODE VEIN』 良かった箇所を抽出したゲーム感想

※ストーリーの核心は突きませんが、多少ネタバレ有ります。注意。



 わりとガッツリプレイした、久々のバンナムゲー

 最後にプレイしたバンナム(バンダイナムコ)ゲーは『テイルズオブグレイセス エフ』だっただろうか。その前は『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』あたりだったような(天獄篇はやってない)。
 思い返すと、バンナムゲーに手を出すこと自体が少ないということに気付く。今回の『CODE VEIN』にしても、Steamを見ながら「セールで2,000円代まで下がったら買ってみようかなぁ」と思っていた程度で、ウィッシュリストに入れていたものの細かくセール状況を調べていた訳でもなかった。要するに、CODE VEINには大した期待を持っていませんでした。そんな俺が結構なボリュームがある本作をちゃんと最後までやりきったうえで「面白かった」と思ったので、このゲームの良かった点について書いていきたいと思います。


 大人びていない、バリバリの厨二感

 まず、設定が良い具合に厨二です。
 一度死んだ人間達が吸血鬼となって蘇り、そこで得た吸血鬼パワーを使ってなんやかんややっていくことになる訳ですが、なんかもう色々と男の子心をくすぐるんですよ。

 世界には瘴気が満ちていて、吸血鬼がそこで活動するためにはその瘴気を吸い込まないよう、浄化機能を備えたマスクが必要となる——

 そうです、つまりはマスク軍団の出来上がりです。シャープで格好いいマスクだったり現実的で無骨なマスクだったりと、パーティ全員がなんらかの浄化マスクを装着して戦場へ躍り出ることとなります。要所で流れるムービーにはマスクを着け外しするシーンが何回もあったり、このゲームを象徴するアイテムの一つなんです。揃いの装備って……いいよね

 イカしたマスクを装備した主人公達はこのゲームの特徴である錬血(=スキル)を使用しつつ堕鬼(=敵モンスター)と戦っていくことになるのですが、錬血を使うには冥血(=MP)が必要になり、使えばもちろん減っていきます。じゃあ冥血の補充・回復はどうするのか? そうです、吸血鬼の十八番、吸血!!!
 このゲームには吸血アクションとして様々な種類の吸血が用意されており、パリィやバックスタブ、溜め吸血攻撃にコンボ吸血攻撃などがそれに該当します。もちろんそのアクション毎にモーションが違ってくるのですが、そこからさらに牙装(=防具)を変更すると見た目+吸血アクションの“型”が変わり、その型になぞってガラリと全体のモーションが変更されるのです。この吸血アクションのモーションがどれも格好良く、尚且つ服装を変えると攻撃方法が変わるというオサレシステムが俺の心を優しく包み込んでくれ、めちゃくちゃ気に入っています。
 右腕が魔人のように変形するオウガ型、背部から生えたサソリの尾が敵へと伸びるスティンガー型、ケルベロスの様に両肩から獣の顎門が飛び出すハウンズ型、地面から刃の山を生み出すアイヴィ型……どれも良い感じに臭く、性能も大きく変わってくるため「あの牙装格好いいな……装備したいから脳筋寄りにするか」とスタイルを考える楽しみもあったので、厨二感を出しつつもシステムと設定を上手いことマッチさせた良い仕様だと思いました。牙装周りの発想は本当に素晴らしい。


 キャラクターの掘り下げをした上で進む明快なストーリー

 主人公達は吸血鬼=吸血鬼は人間が死んだ後に生み出されるものであるため、そもそも初っ端から明るくない話だということがわからされます。しかし全部が全部暗い訳でもなく、吸血鬼である自分達にできることを求めたり、過去に繋がりがあった人物を探す等、行動する理由は人によって様々だったりします。それを深く読み取るためのシステムとして記憶の回廊ゾーン(今俺がテキトーに命名した)があり、主人公が記憶の回廊を渡り歩くことでそのキャラクターの過去を垣間見ることができ、人物像や相関図、世界観の理解をゲーム側から良い感じに促してくれます。そしてそれはチャプター毎のボスキャラにも用意してあり、フィールドを探索していく内に記憶が集まっていくので「そんな身体になってまで、お前ってやつは……!」などと、ボス戦の時には何かしら思うことがあるかもしれません。記憶を手に入れる=主人公のパワーアップに直結しているので、本当に無駄が無いんですよね。ここらへんも「上手いこと作ってあるな〜」と感心したポイント。
 各キャラクターの記憶を見つつ、時には主人公である自分自身の記憶を遡りながら進めていくことになるメインストーリーですが、難解さは無く綺麗にまとまっており、エンディングの区切りもちょうど良いと思います。話がめっちゃ理解しやすい。メリハリがある、わかりやすい、謎を残さない……ストーリーそのものに対する評価は人によるでしょうが、ACTにおけるお話の作りとしては及第点以上ではないでしょうか(俺は“継ぐものたち”EDが一番好き)。


 難し過ぎず、簡単過ぎない、絶妙な難易度設定

 本作で一番評価されるべき点はここだと思っています。厨二とか興味ない、ストーリーなんてスキップしてる……そんな人もいるかもしれません。しかし、ACTである以上、そんな人達も意識しなければいけないのは難易度。
 所謂“死にゲー”寄りではあるんですが、そっちに振り切らなかったのが功を奏してか絶妙なバランスになっているんですよ。こういうゲームは敵が強すぎると「理不尽だ」と言われ、弱過ぎると「ヌルゲー」と言われるさじ加減の難しいジャンルだと勝手に思ってるんですけど、その間を上手いこと突いてんだコレが。死にゲー未経験者には「難しい……けどもうちょっとで倒せそうなんだよな」と思わせてくれるような作りで、歴戦の猛者からは「まあこんなもんか」と反感を買うようなことはないでしょう。ここらへんは客観的に言及するのが難しく、主観中の主観みたいな意見になってしまうんですが良く練られた難易度設定になっていると俺は思います(オンスモもどきを除いて)。

 難易度に関して更に評価したい点があって、それは難易度をプレイヤー側である程度調整させてくれるシステムになっているところです。
 一番大きく変えられるところがバディ(仲間NPC)の有無。探索に向かう時に相棒となるキャラクターを一人連れて行くことができ、キャラクターによって攻撃方法やタフさが変わってくるので色々と組み合わせを考える楽しみがあったりするんですが、そこにバディを連れていかないという選択肢も取れるんです。ゲームの仕様的にはバディを連れていって丁度いいバランスだと思うので、初プレイ時はバディを連れていかないだけで難易度が段違いに上がります(特に一部ボスに対しては「これ無理ゲーじゃね?」と思うこと必至)。バディの有無がプレイヤー側で一番わかりやすく難易度を調整することができるので、メリハリが効き過ぎる感もありますが死にゲーユーザーも満足できる歯ごたえを味わえるんじゃないかなと。
 他にも細かい調整としてはレベルと装備強化があるのですが、前述したバディ有無を含むこれらの調整は逆にも傾けることができ、死にゲー未経験の人が「ちょっとさすがに難し過ぎる!」となってもレベルを上げて物理で殴ればある程度はなんとかなったりします。さらには一部ブッ壊れ気味の錬血もあったりするので、プレイスキルがなくても使えるもん全部使って攻略していくという楽しさはあるんじゃないかと思います。


簡単お手軽にカッコかわいいキャラメイク

 キャラメイクがあるゲームをそんなにプレイしないので他のゲームと比較し難いのですが、キャラメイクが得意じゃない俺でもどんなにテキトーにやっても美形キャラができるというステキ仕様な本作。もちろん、拘ろうと思えば拘り尽くせるのでそこもまた良し。

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↑わりと吸血鬼っぽくできて満足

 顔面のパーツがバラバラだったり腹回りだけ異常に太いみたいなネタに振り切ったものや極端な老人などは無理みたいですが、気楽にチャチャっと美形が作れるのは嬉しい限りです。基本的な体系やボイスもありますし、アクション時のみ掛け声を出すリンク系主人公かと思いきやムービー中に喋ることがあります。ボイスを選ぶ時は塾考してもいいかもしれません(1敗)。
 体系について更に言うならば、男性諸君に気を付けてもらいたいポイントとしてこの世界の女性キャラは巨乳かまな板の二種類しかいないということ。2大ニーズを抑えている名采配ではあるものの極端すぎる(嬉しい悲鳴)。大きすぎず小さすぎないモノを求める紳士は自分で創り上げるしかないので、理想の探求者として時間を溶かしましょう。俺は大きめでしばらくプレイした後、わざわざ小さめに変更しました(周りに大きいキャラの方が多かったため)。
 他にも個人的趣向として嬉しかったのが、多彩な組み合わせによって膨大なパターンの髪型がつくれること。後ろ髪が長いと襟の高い牙装を装備した時に貫通してしまう仕様がありますが、それを差し引いても十二分にプラスです。サイドテールとして用意されているパーツを無理やり後頭部に移動させてポニーテールとして使用できたり、前髪だけ無くしておいたからパーツの中から好きなもの選んでくれよな!という粋な計らいのベースがあったりと、中々に自由度が高いです。
 しまいにはこのキャラメイク、なんとゲーム途中で何回もやり直すことができるとかいう神仕様なので、プレイ中に「このキャラなんか違うんだよね…王道すぎるというか…ひねりがないよねぇ…」となっても安心。キャラメイク導入してるゲームは全部見習って、どうぞ


 そろそろ文量が多くて見直すのも疲れてきたのでまとめ

 他にも敵モンスターのデザインやBGMなど褒めなきゃいけない部分はあるのですが、このままいくといつになっても終わらないのでそろそろ区切る。

 死にゲー+厨二という人を選ぶゲームではありましたが、俺は楽しめました。もちろん手放しでベタ褒め……となる訳ではなく、ここはこうしてくれた方が嬉しかったなあという点もチラホラあるものの、そこを加味しても面白かったが勝っているのでヨシ!!
 軽く調べてみると2020/02/05時点で売り上げ100万本突破しているみたいで、今では最低でも150ぐらいはいってるでしょうし新規IP(と言っていいのかは微妙なところだけど)としては充分成功した方なのではないかと思います。



だからバンナムさん!! CODE VEIN2を頼むよ!!! 戦闘周りのシステムを更に練り上げた感じのをマジで期待してる!!!!