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科学コミュニケーション 記事まとめ

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科学コミュニケーションに関する記事をまとめています。
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#私の仕事

学問の楽しさって、入り口は「分かるとおもしろい」だと思う

私は現在科学エデュケーター/科学コミュニケーターとして活動をしています。学校教育では現在大学で理科の教職科目を担当したりもしています。詳しくは自己紹介をご覧いただけると嬉しいです。 こんなプロフィールを書くと、側から見るとさぞ理科や科学が好きなんだろうと思われるかもしれませんが、実のところ、私は最初から理科が好きだったわけではありません。残念ながら、宇宙がすごく好きだとか、昆虫が好きだとか、そういう分かりやすいエピソードを持っていないんです。 じゃあなんで理科や科学の教育

難しい内容は「表現」をやさしくして、わかりやすく伝えよう

先日、私が書いたコラムが慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアムのWEBサイトに掲載されました。このコンソに関わるメンバーが連続してコラムを執筆するという企画なのですが、そのトップバッターになってしまい、ちょっと気恥ずかしくなっています。 このコラムでは、新型コロナでより一層の難しさを感じる、医療・健康と一般の方とのコミュニケーションをより良くするために、小さな改善から始めてみませんか?という提案をしました。 私は2021年4月から健康情報コンソーシアムの活動に加

科学の「先端」は「すみっこ」と紙一重

「先端科学」「先端技術」「最先端の研究」って、どんなイメージでしょうか? 未来的? すごい? 逆に、先端を行ってない科学技術の価値はなんでしょうか。 今回は「先端」という語を切り口で、科学や技術をどう語ることができるのか、考えてみたいと思います。 戦後、経済が急成長する中で、日本は最先端の研究を行い、最先端の技術を多く生み出してきました。けれど、当時最先端ではない技術を集めて作られた「iPhone」は、残念ながら日本からは生まれませんでした。 日本に足りないのは、イ