HOLEPにおいて最も重要なのは距離感である。不慣れな術者の99%は対象との距離が近すぎる。

初めまして、ウロビンマスクといいます。

HOLEPの解説記事をあげていく予定ですのでお願いします。

今回は表題の通りHOLEPの際のレーザー先端と対象物との距離についてです。

HOLEPという手術はTURBTと違いフットスイッチが一つしかありません。

ですが対象との距離を変えることによって切開、凝固、剥離モードを使い分けることが可能です。

具体的には、粘膜切開など、対象物を切断したい際にはほぼ接する位置からレーザーを発することによって切断が。

止血などの目的で組織を凝固したい際には、もう少し離れて、組織に穴が開かないけど、色が白くなる程度の距離を保ちつつレーザーを発することによって凝固が。

凝固と同じ、もしくは少し遠い程度の距離でレーザーを発することによって剥離ができます。


私が今まで見た限りほとんどの術者は前立腺剥離の際にレーザーと対象物の距離が近すぎ、残すの方の前立腺に穴が開き凸凹になっていることが多いです。

これは組織のきれいな剥離や止血の観点から問題が多いです。

一度見つけたいい剥離層を見失うことになりますし、いちいち出血することになります。

さらに言うと止血しようとした際にも至近距離からレーザーをぶっ放してしまう人が多いです。

確かに一瞬画面がクリアになるのですが、組織に穴が開くせいで出血点がどんどん奥に行ってしまい、最終的に電気メスを使用しても剥離が困難になったり、無駄に穿孔してしまうようなことになりかねないです。


これらを防ぐには止血の際はとにかく遠目の位置からレーザーを当てはじめ、徐々に近づいていき、組織がギリギリ白く変色するくらいの距離を保つことが重要です。

また組織剥離の際のレーザーと対象物との距離の保ち方ですが、これはレーザーの出し入れに加えて内視鏡操作でのレーザー先端の位置の変更が必要です。

私の手術動画を見ていただければわかりますが、適宜内視鏡を回転させることで前立腺組織にテンションをかけるとともに、レーザー先端がいい位置に来るようにしています。

初心者の方で、常にレーザー先端が6時方向にあるような方は、意識してレーザー先端の位置を動かし、適切な距離が保てるようにしましょう。


HOLEPにおいて切開を使うことは思っているより多くありません。切開2、凝固8くらいの感覚でやるのが良いです。

切開の距離でレーザーを踏むことが多いといわゆる「穴あけHOLEP」になってしまいます。

私の元上司が「HOLEPは色塗りだ、皮膜側を白くすればいいんだ」

との名言を残していました。

皆さんも穴あけHOLEPは卒業して、色塗りHOLEPを目指しましょう。


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