あなたと過ごした過去、あなたと生きる今、私が歩む未来――。
はじめに
本記事はアイドルマスターシャイニーカラーズの大崎甘奈について、pSSR【聞いてマイハート】まで及びアルストロメリアのイベントコミュ「アンカーボルトソング」までのネタバレを含みます。
ソロ曲ライブ「我儘なまま」に向けアイドルの解像度を上げ、よりライブを楽しもうという「シャニマス我儘なnote連作」企画の記事になります。
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それでは本筋に入る前に、ソロ曲のJacket Imageを見ていきましょう。
”左”を向く甘奈と”右”を向く甜花の構図になっています。
これは二人の見ている世界や考え方を”向き”という記号で、表しているのではないでしょうか?
時をX軸座標に当てはめ原点を現在、今としたならば、甜花が向いてる右は未来を、甘奈が向いている左は過去を表します。
”過去”と”未来”、そして”今”、この三つは甘奈を語っていく上で、外すことはできないキーワードになっています。
これを踏まえ、以下の本筋へと進んでいただけると幸いです。
1章
甘奈の過去についての話し
甘奈は今と想い出をとても大事にする女の子です。
そして、未来や変わってしまうことを極端に恐れ、彼女の人生において何度も何度も立ち止まってしまうそんな女の子です。
何故? 何故、そこまで未来を恐れるのか。
甘奈の過去を掘り下げることで、少しだけ見えてくるものがあります。
大崎姉妹の出身地は富山になっており、どういう経緯で関東に来たかは永らく不明でしたが、6週目pSSR「約束ペタル」の実装により大崎家は転勤族だったことが明かされます。
このコミュでは、春に関するエピソードを聞かれた甘奈が、自分の家が転勤族であること、春の時期は引っ越しが多かったと語ってくれます。
話は転校前のお別れ会で貰った、桜の押し花の栞を今でも大事にしていると続きます。
桜の花という僅かな期間しか見れない物、それは度々の転校によって友達と別れてきた甘奈自身と重なるところがあります。
その桜を色褪せずに保存する押し花は、後述する想い出の品々と合わせ過去を留めておくもの、想い出を大事にするという甘奈の性質をよく表しています。
もちろん、別れがあれば出会いもある。
甘奈はひとしきり自身の想い出について語ったあと、次はプロデューサーの番ねと話しを振ります。
そこでプロデューサーは事務所に入ってすぐ、面接を受けにきたとある双子が居たんだと返します。
プロデューサーの過去が聞けるとウキウキで期待していた甘奈は、はぐらかされたことに気付き、ズルいよと不平不満をこぼしてコミュは終了します。
が、きっと別れを繰り返してきた甘奈に対して、その結果甘奈と出会えたんだというプロデューサーからの裏のメッセージがあったように思えます。
「約束ペタル」のコミュはこの後、プロデューサーの出張によって会えない日々が続き、経験してきた"別れ"を意識させる構成になっています。
出張の前、大切な人とどのくらい離れても平気かという話しに対して、甘奈は二週間なら耐えられる、でも二日に一度は声を聴きたいと答えます。
桜が咲いたら一緒に見に行こうと約束もしていました。
ですが、予定していた一週間の出張は三日、また三日と伸びていき、甘奈は精神的に少しずつ限界を迎え、桜も散り始めてしまいます。
なんとか会えない日々を乗り越えた甘奈は、帰ってきたプロデューサーと桜を見に行きますが、ほとんど散ってしまい約束を果たすことはできませんでした。
落ち込む甘奈でしたが、散った花びらが風で舞っている場所を見つけ、見たかったものとは違うけれど綺麗だねと言い合います。
そして甘奈は”過去”や”別れ”の暗喩であった桜の花びら――ペタル――を元に、また見に来ようという”未来”の約束を交わしコミュは終了します。
うわっ、約束ペタルめっちゃいいな・・・。
甘奈は異常に過去や今に執着し、未来や変わることを恐れる性格をしています。
幼少期に出会いと別れを繰り返してきたことが、甘奈の人格形成に影響を 与えたのは間違いないでしょう。
甘奈にとっての出会いは別れが見えていて、その瞬間を楽しんで記憶に焼き付けるのは、その時にしかできないと経験から分かっているのです。
分かっていても訪れる別れは寂しくて辛い、甘奈が本質的に抱える”未来”や変わってしまうことへの恐怖、その根源がここにあるのだと思います。
大崎家についての話し
現在、どこに住んでいるのか明確ではありませんが、『流れ星が消えるまでのジャーニー』で甜花が収録を終え家へ帰宅するシーン、ここでプロデューサーが(車で)一時間弱で着くと言っています。
この収録スタジオが都心部なのか多摩市なのかによって大きく変わりますが、およそ都心から30~40㎞圏内あたりに住んでると推測できます。
大崎家は戸建ての大きな家でリビングの壁に直接固定する棚等がいくつか見られることから、購入したものと見るのが自然な気がします。
ここから推測される大崎パパは転勤族から首都圏の本社勤めになり、現在の家に住んでいるというかなりのエリートです。
今までのコミュからどことなく裕福な家庭の雰囲気が漂っていましたが、約束ペタルで補強された形になっています。
子供一人育てるのに莫大なお金が掛かるのに、同い年の子供を二人育てながらあの家に住んでるのすごい。すごくない?
以上のことから何がいいたいかというと・・・。
筆者も大崎パパの子供になりたい。
大崎家の子供になりたい!!!!!
どうやったら大崎家の子供になれますか?
本記事の構想を練り始めた4月下旬、その時からずっと考えてきました。
そして、筆者はついに・・・その答えを見つけました。
答えは4月――、そう4月にあったのです。
4月1日だけは筆者でも大崎家の長男になれるのです!
なんてこった・・・。
こんなに可愛い妹が3人もできたうえに、エリートのパパに優しいママができてしまった・・・。
しかも、お家から出してくれない!!!
くぅぅぅぅぅぅ~~~~~~~!!!
最高かよ!!!!!
ここからは筆者改め、大崎家長男がお送りします。
想い出の品について
大崎甘奈ソロ曲「Sweet Memories」のソロイメージは日記になっています。MV内でもデザインが少し違う日記がでてきます。
甜花と一緒に写っている写真、前述の桜の押し花の栞などの過去を変わらずにそのまま保存できる品が甘奈のシナリオには度々登場します。
そんな甘奈の想い出の品で気になっているものとして、富山の友達から届いた手紙があります。
これは、甘奈とめぐるのホームでの掛け合いボイスなので、甘奈を推していても知らない人、忘れている人も多いかと思います。
この富山にいた頃というのが何時を指しているのか、正直全く情報がないのでここからは願望を話していきます。
ずばり、これは幼稚園時代の友達、そう例の彼からの手紙だったらすごくエモくないですか?
例の彼というのは、G.R.A.D.編にて明かされる甘奈と同じ幼稚園に通っていた男の子で、甘奈の初恋の人でもあります。
大崎家が転勤族だったが為に、彼は両想いだった甘奈と疎遠になってしまうが、ある日アイドルとして活躍する甘奈を見つけます。
そこには、あの頃と変わらずに甜花が大好きな、彼が好きだった甘奈の姿がありました。
そして、彼は初恋だった甘奈に対して応援してると一通の手紙を送るのでした。
って流れだったらエモくないですか????????
もし、私が漫画を描ける人間だったなら、このネタで漫画書くのに・・・。
2章
甘奈の今についての話し
三回も、三回も”今”って単語使いましたこのギャル。
はい、ここからは大崎甘奈が大事にする”今”について語っていきます。
W.I.N.G.編、ファン感謝祭編、G.R.A.D.編の三つのシナリオや幾つものイベントコミュに跨って繰り広げられるのが、甘奈の曇り”甘奈の葛藤です。
過去編で触れたように甘奈は”今”は”今”しかなく、いずれ”未来”で終わりを迎えるという思考が根底にあります。
特に顕著なシナリオがファン感謝祭編で、お遊戯会で甜花と甘奈が一緒に歌って踊ってる写真をプロデューサーに見せ、この頃から甘奈はずーっと変わっていないと”過去”を語るところから始まります。
アルストロメリアは感謝祭でのテーマを「ハッピーエンド」に決め準備を進めていくが、次第に甘奈はこのテーマに引っかかりを覚えていきます。
甘奈にとって”未来”は考えられないもの、考えたくないもいで、”今”がずっと続けばいいとそう思っているから。
その本心をメンバーとプロデューサーに打ち明け、話し合いを経てアルストロメリアの花言葉でもある「未来への憧れ」三人の”未来”なら信じられると恐怖を乗り越えます。
が、甘奈に巣くう恐怖は根深く、そんな簡単に消え去るものではありませんでした。
G.R.A.D.編やイベントコミュ「アンカーボルトソング」では徐々にソロでの活動が増えていき、三人での”未来”を信じていた甘奈は一人じゃ嫌、三人の関係性が変わってしまうのは嫌だと曇っていきます。
三人の関係性が変わってしまうと感じていたのは、甘奈に限らず甜花と千雪も感じていたことでした。
彼女たちの気持ちを聞いたプロデューサーは、アルストロメリアとしてステージのオファーが来ていることを伝え、三人での合わせ練習を提案します。
合わせ練習ではたった一回の通しで、彼女たちは完璧な仕上がりを見せます。今まで何百回とやってきた動きは、久しぶりでも離れ離れになっていても体が覚えていました。
プロデューサーは文句なしだとを称え、甘奈たちに
と、告げます。
そう、この章の最初に引用した甘奈のプロフィールの台詞です。
甘奈は”未来”を恐れ悩むあまり、”今”しかない時を楽しむことを彼女が幾度の別れから身に着け、大事にしていた気持ちを忘れてしまっていたのです。
プロデューサーはずっとそうでした。
”未来”を恐れる甘奈に対して、”未来”は恐くないよ大丈夫だよなんて声を掛けてはいませんでした。
”今”の甘奈に必要なのは助けだ、俺の手を取ってくれと、”今”まで頑張ってきたんだなと声を掛け続け、甘奈に寄り添っていました。
そして彼女たち三人は答えへたどり着きます。
変わってしまうことは怖いけど、願うだけじゃダメなんだ。
悪い時も良い時も”今”は”過去”になって、大切な記憶になるから――。
3章
ついに”未来”への恐怖を乗り越えるができた甘奈はLanding Point編にて、また曇っていた。
甘奈の未来についての話し
きっと大丈夫。
これまでたくさん悩んで、たくさん考えた甘奈ならきっと、どんな未来だって乗り越えていける。
これまで歩んできた足跡が、たとえ大波に消されようとも、彼女はそれを忘れない。
大好きなアルストロメリアが、アルストロメリアじゃなくなる日が来たって大丈夫。
甘奈と甜花が別れるその日が来たとしてもきっと甘奈は大丈夫。
な訳がない!!!!
甘奈は間違いなくギャン泣きします。
だって……
大好きの4文字じゃ足りないくらい、大きく強い愛なんだもの――。
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