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39歳の終わり

韓ドラ「39歳」が終わった。
終わって一週間になるが、まだ感情が上手く整理できない。

もともと軽い気持ちで見始めたつもりだったのに
初週でいきなりがつんと後頭部を殴られた。
そんなドラマだとは夢にも思っていなかったのだ。

でもそれこそが製作陣のねらいだったのだろう。
なぜなら現実とはそういうものだからだ。
今日が無事に終わったからといって、明日もそうとは限らない。
思いがけないことは常に突然やって来る。

*以下、ネタバレ有り


チャニョンが闘病で苦しむシーンは
最後まで最小限に抑えられていた。
代わりに描かれたのは、
小康状態のうちに友人と遊んだり、家族との時間を過ごしたり、
恋人とケンカしたり、自分の遺影を準備するチャニョンとみんなの
どこにでもあるような日々。

当然だが、親友や娘や恋人が余命を宣告されても、
それぞれの人生は続く。

正直、このドラマのテンポは決してよくない。
韓ドラあるあるの困難な生い立ち設定やネタの詰め込みはあるものの
次から次へと事件が起きて毎週新展開があるような作りではない。
だから一見蛇足に思えたり、うとうとするような時間も少なくない。
でもやっぱりそれが圧倒的に現実なのだ。
親友の命が残りわずかなのに「彼氏ができ」たりすることも。

チャニョンがいなくなっても
遺されたミジョやジュヒの日常は変わらない。
ずっと泣き暮らしているわけでもないし
笑顔の瞬間だってチャニョンがいた頃と同じようにある。

そんなある夜に、ふと思うのだ。
「会いたいよ、チャニョン」

これが真実だと思う。



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