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ランジャタイは消費されない

6月11日と18日に放送された「さんまのお笑い向上委員会」に、
ゲスト向上芸人として
ランジャタイが二週にわたり出演しました。

それなりに楽しみにしていたのですが、結論から言うと、
この企画は失敗でした。

「万能お笑い能力ランジャタイ!」と銘打たれた一週目は
ランジャタイ、特に国崎が、単なる暴れ馬ではなく
いかに確信犯的に奇天烈な芸風を成立させているかということを
仲間の芸人たちの証言によって検証する、
というものでした。

これは「芸人仲間からのクレーム」という体裁をとって、
一見ゲテモノに思われがちなランジャタイのお笑い能力の高さを
あらためてプレゼンする形になっていました。

証言者として列席したのは地下時代からの朋友であるマヂカルラブリー、
錦鯉、モグライダーら。
「そもそもまわりの空気が読める奴なんですよ。スベッているのかどうかも
わかった上で、(スベッていたとしても自分たちの芸を)やり通すんです。
だからすごいんですよ」(マヂラブ野田)
「国崎は本当は全部わかってるんです。トークもできるし、全部計算なんです」
(錦鯉・渡辺)

だから何だ?

それだけです。
ランジャタイが確信犯であろうがなかろうが、
周囲の空気や圧力に屈せず自分たちのスタイルを貫いているのならば
それがすべてです。

計算ずくであると言ったところで
その暴露は面白くも何ともないし、
逆にランジャタイの面白さは少しも揺らぎません。

この結果は、ランジャタイのお笑い能力を知らしめる、
という趣旨には沿っているのかもしれませんが
番組のアプローチとしてはスベッていました。

案の定、ランジャタイは番組内で釈明も弁明も一切することなく
終始いつものわざとらしくとぼけた顔で
あらゆる疑惑を煙に巻いていました。
彼らの勝ちです。

ランジャタイの面白さを説明することほど不毛なものはありません。
説明しようとすればするほど、彼らは理解されることを拒み、
さらに先へと進化していきます。

だからこそ、ランジャタイの笑いは、決して消費されないでしょう。

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