【新感覚小説】夢、みたい。(①)
ーあらすじー
「昨日見た夢を覚えていない」という現象は、実は漠の仕業。
漠というと鼻が長く、少し怖い印象を受ける。
しかし、そんな姿は誰かの想像上の形で。
実際の漠はあなたの友達…かもしれない。
そんな信じられないような現実味のない不思議な話。
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少年(漠)はよく同じような夢を見ていた。
その夢とは、家族又は友達の「夢を食べる」というものだった。
夢というのは寝ている時に見る「夢」のことだ。
毎回、こっそり誰かの夢の中に入っては、するりと夢を食べていく。
それも、「これって現実なのかな」と時に疑問を抱いてしまうほどにリアル。
しかし、疑問を持たれてしまっては困る。
何故なら、漠であることは周りの人間も、漠である本人にですら、絶対に知られてはいけないからだ。
何故いけないの…?と聞かれてもそれは私にも分からない。
多分、空の上の上のそのまた上の人しか知らない秘密だ。
そのくらい、漠というものは大事な秘密として誰かに守られていて、現代になりやっと「架空の動物」として認知された。
架空の動物として扱われている漠には、鼻がとっても長いイメージを付けられている。
しかし、実際の漠は普通の人間だった。
ちょっと残念。
ここまで言って何が言いたいのかというと、少年は自分が漠である現実を知らないという事だ。
また、漠である人間は「夢と現実」に境目がない。
つまり、本人は夢として受け取っているが、本当は現実であるということだ。
全く恐ろしい話である。
そんな状況なので、時には自分の夢なのか、それとも他の誰かの夢なのか、ごちゃ混ぜになってしまう。
これから始まる物語は、自分の夢と他人の夢に境目がつかなくなってしまったある少年の話だ。
ーー続くーー
続きは 4月2日 22:00 投稿予定。
お楽しみに!
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