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思わぬところから芽がでるんだ

マンリョウがつぼみをつけている。7年前、大神神社で購入した、神社の気を持つ貴重な木。転勤族だった私は小さめの鉢に植え替えて、ともに暮らしてきた。危機は何度かあった。水やりを忘れてぐったりさせてしまったこと、なぜかすべての葉が落ちてしまったこと。

葉を落とした姿を見て、枯らしてしまったかもしれない、と丁寧に扱わなかったことを大きく悔やんだ。「大切にする」と改めて誓い、ひとまわり大きな鉢に移し替え様子を見守ることにした。しばらくすると、なんと、土の中から新しい芽が出てきたではないか、しかも2つも。思わぬところから芽を出した姿に、生命の神秘を感じた。

水やりを忘れないよう、毎日あいさつをした。新しい葉が出てきてくれることがうれしく、「すべての葉が落ちた事件」の前より近しい存在になっていった。小さいながらもこんもりと葉を茂らせ、元気に育っている。「今年は新しい葉っぱ何枚つくかしら」と思う春が過ぎて、驚いた。葉とは明らかに違う形状のものが出てきた。

「こ、これは、もしや‥」つぼみだ。花が咲くということは、あの有名な赤い実をつけてくれるのか、と心が躍った。新しい芽といい、つぼみといい、この木のポテンシャルには驚かされてばかりだ。一方、私は「素直な自分で生きる」という生き方を選択し、会社を退職した。私の新しい芽はどこから出てくるだろう、こちらもよく観察していこう。

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