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【SNK】HIZOKU【KOF】

 配信直前! 堕瓏デュオロンさんの話。
 プレイヤーキャラとしてのデュオロンが最後に登場したのが2010年リリースの『XIII』なので、今回、実に13年ぶりの再登板ということになる。これだけ間が空いてしまうと、中にはデュオロンのことをよく知らない初心者ファンのみなさんもいるかもしれない。
 そこでぼくが、このぼくが! ややかたよったデュオロン講座(に名を借りた飛賊講座)をやってみる! 当然だけど攻略とかではない!

 デュオロンさんは身長約1.9メートル、体重約0.08トン、中国河北省出身のちょっと顔色の悪い若者である。見た通り高身長のハンサムガイなのだが、マニキュアだのリップの色味だのに独特のセンスがあり、おつき合いする人をやや選ぶかもしれない。あと、公式では彼のことを「ロングヘアーを辮髪にした……」と紹介しているが、厳密にいえばあれは辮髪ではなく、単に編み込んだロングヘアーである。
 そんなファッション辮髪なデュオロンの職業は暗殺者。世界がどんなに不況になろうとも決して食いっぱぐれることのない鉄板職であり、もともとデュオロンも暗殺のターゲットを求めて各地を飛び回っていたと思われるが、彼について説明するには、まず飛賊について説明しなければなるまい。

 そもそも飛賊という概念がKOF界に現れたのは、デュオロン参戦よりさらに前、『2000』に参戦した毒手を使う飛賊四天王のひとり、リンを嚆矢とする。

SNK三大辮髪キャラのひとり。ちなみにほかのふたりは王虎と李烈火。

 これがリン、そしてトラディショナル辮髪。辮髪とは後頭部の髪を残して綺麗に剃るのが正しい――ということはさておき、飛賊とは中国河北省で連綿とその技を伝えてきた伝説的な暗殺者集団で、本来ならKOFのような表舞台に出てくることはない。しかしリンは、飛賊の隠れ里を壊滅させて行方をくらませたかつての長であるロンを捜すため、なぜか知り合いだったセスの仲介で紅丸、真吾らとチームを組んで大会に参加した。詳しくは後述するが、この時のロンは、多くの同胞を惨殺して逐電し、「龍の気」なる謎の力を求めてネスツに加わっていたのである。
 しかし、龍の気と飛賊に関連するエピソードは深く掘り下げられることなくネスツ編は閉幕。そして『2003』からのアッシュ編開幕とともに、突如としてロンの息子という設定を引っ提げ、デュオロンが参戦する。
 デュオロンにとってロンは実の父ではあるが、同時に一族の裏切り者である。正直、ファンのみなさんが一番判りにくいと感じているのはこのあたりの設定ではないかと思う。ロンが四天王だったのならリンと同格なのか? 設定だけ存在していたラン、サイ、チャトはリンやデュオロンとくらべてどっちが偉いのか? などなど。 
 では時系列順に説明しよう!
 飛賊の里壊滅直前、ロンは飛賊四天王のひとり(西武毒手門せいぶどくしゅもん、略して西毒門の王)であり、同時に一族全体を束ねてもいた。飛賊には東西南北の4人のトップがいて(それぞれ格闘スタイルが違うらしい)、代々その4人の中から一族の長を選ぶようになっているのだが、この時点ではロンがその長だった。
 そして、一族の腕利きたちが出稼ぎ(要するに暗殺)のために里を離れていたある夜、ロンは里に残っていた老人や女子供を次々に惨殺。炎上した里で生き延びたのは、ロンの子供たちをはじめとしたほんのわずかな者たちだけだった。ロンはこの時、ほかの四天王や自身の妻まで殺害し、そのままいずこかへ姿を消している。
 その後、出稼ぎ先から戻ってきた飛賊たちは、生き残りの中からもっとも腕の立つリン、ラン、サイ、チャトをあらたな四天王に選び、最悪の裏切り者となったロンの追討に出た。つまり、ロンは先代四天王であり、リンたちは現役四天王ということになる。
 一方、長の息子から一夜にして裏切り者の息子となってしまったデュオロンもまた、リンたちにやや遅れて父を捜しに出発した(ちなみにデュオロンは9人兄弟の上から4番目(男兄弟としては三男坊)で、ほかの闘える兄弟たちも父を捜しに旅をしている)。
 この頃、ロンはネスツに加入して改造手術を受け、ネスツ崩壊後にはムカイたちと手を組み、封印の解かれたオロチの居場所を突き止めたりしていた(ゲーム中ではまったく触れられていないけど)。そしてまた、ロンは自分を追ってきたリンたちを返り討ちにし、催眠術? 洗脳? とにかく何かそれっぽい手段で自分の部下にしてしまっている。
 デュオロンが上海でアッシュたちと出会ったのも、ロンを捜して世界を飛び回っている最中のことだったのだろう。実際、『2003』のエンディングでは、急にロンの気配を察知して「すまんな、俺はここで失礼する!」みたいな感じで姿を消したりしてたしな。

もしかしてデュオロンの長い髪はセンサーか何かなのでは?

 ……というのが、『XIII』終了時点までのデュオロン&飛賊関連の大まかなアレである。
 果たして今回のDLCで何がしかのストーリー的な進展があるのかどうかは判らない。ここでおもむろにストーリーを進められても「えっ?」ってなるし、かといって停滞したままなのも物足りないのだが、個人的には、ちょっとでも笑龍シャオロンに触れてくれる部分があればなあ、というのが正直な気持ち。というか、デュオロンのEDの内容に関わらず、シャオロンについてもいずれ解説する予定である。以前、技だけは解説したけど。
 まあ、とにかくイケメン飛賊13年ぶりの帰還である。この秋の夜長、みんなで亡魂の苦悶の叫びに耳を傾けよう!

ただちょっと、日本語はもう少し勉強しといたほうがいいぞ、三太子。

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