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【DDS】ひとまず【SMT】

「復讐の女神篇」を2周した。でもまだ大魔王猊下は合体できない。いろいろ知りたくない人は読まずに食べるべし。
 というわけで『真・女神転生V Vengeance』を120時間ほどプレイした感想。無印については以前の記事でも書いたことがあり、そこで個人的にいいと思う点、悪いと思う点を挙げているのだが、まずは先にそっちを読んでいただくとありがたい。

 まずこのゲーム、基本的には無印『真V』とあまり変わらない。システム面での目立った変更点はユニークスキルという名の、『ポケモン』でいうならとくせいみたいなものが追加された。パーティーメンバーに加えておくと交渉時やバトル時などに自動で発動するスキルで、文字通り各悪魔ごとにひとつずつ設定されているが、そこもまた『ポケモン』と同様、アタリハズレはある。が、ないならないでどうにかなるものなので、あまり意識する必要はない(と思う)。同時に、特定の仲間を揃えることで使用できるマガツヒスキルも大量に追加されたが、これまた条件がなかなかシビアなので、実用的かどうかはやや疑問が残る。
 他方、悪魔の裏庭という仲魔との交流(?)システムのようなものも実装された。ここでおしゃべりしたりプレゼントを貢いだりすることで、仲魔の好感度(もしくはやる気?)が上昇し、一定以上になると新しいスキルを思いついたりパラメーターアップなどのイベントが発生するようになっている(ちなみにアオガミとも交流可能)。各種の香や写せ身を使わずに地味に仲魔を強化できるのはありがたい。

姿勢から見て隣の子はリラックスしとるが、あんたはリラックスできとらんよ、アオガミはん。

 まあ、新システム関連については、公式サイトなどを見ればネタバレなしに理解できるのでこのへんにしておく。次はいよいよ、肝心のストーリー面はどこがどう変わっているのか、という話。
 ゲーム開始直後、無印ベースの「創世の女神篇」(以下、「創世」)か、今回追加された「復讐の女神篇」(以下、「復讐」)か、どちらのルートを進むかいきなりの選択を迫られるわけだが、もちろんぼくは最初から「復讐」を選んだ。

このへんちょっと『真Ⅰ』冒頭の夢の中を思わせるんだよね。おじさんノスタルジー。

 しかし、途中から新キャラのヨーコが同行することになるものの、ストーリー進行の面では「復讐」も無印とそう変わらない。港区の終盤、トウキョウ議事堂に向かうあたりで今回の黒幕的な存在であるカディシュトゥ(という女魔集団がいるんですよ)が現れ、ようやく「ああ、ここはぼくの知らない東京砂漠だったのだなあ」と実感するくらいには、序盤はほぼ無印のままといえる。
 こんなふうに書くと。品川区以降は大きな変化があるように聞こえるかもしれないが、実をいうとそこまで変化はない。はっきりといってしまえば、「復讐」は「創世」とマップの大半がほぼ共通で、そこで発生するクエストの多くも共通だからである。

 以前の記事でも書いたが、無印では、きちんと描くべき部分が放置されたままストーリーがたたまれてしまった感があった。
 妹思いという設定でありながら、途中からいっさい妹のことを見向きもしなくなる敦田ユヅル――。
 なぜそこまで極端な思想に行き着いたのかイマイチ伝わってこない八雲シュウヘイ――。
 明らかに古き神々の知恵となるべき人間ばかりを意図的に集めている縄印学園の謎――。
 これらの消化不良だった部分や謎が、「復讐」できっちりと描かれたのかと聞かれれば、一部はYESだがほとんどはNOである。ユヅルについては、「復讐」では逆に妹命の超ブラコン兄貴のような描かれ方になっており、それはそれで悪くはないのだが、八雲については相変わらず描写不足で、むしろジョカとの関係性がますます判らなくなった気さえする。また、縄印学園の真相についても特に明かされたりはしていない(「創世」のほうに追加されている可能性はあるかもしれないが、ぼくはまだ未確認)。
 なので、無印プレイ時にのどに刺さったままの小骨はいまだに残り続けている。

 ただ、シナガワ以降、「復讐」で語られるストーリーは「創世」のそれと徐々に乖離し始め、マップやサブクエストの大半は共通でありながら、独自の展開を見せていくことになる。何というか……漫画の絵の部分はあまり描き換えず、フキダシの中のセリフだけを書き換えて別の物語に仕立てている感じ?
 たとえば品川区で展開される「悪魔によって連れ去られた学園の生徒たちを救出するためにダアトに向かう」という構図は両ルート共通だが、その背景はかなり違う。「創世」では、ナホビノになるための知恵を持つ人間の候補として、悪魔が生徒たちをさらっているが、「復讐」では、マガツヒを効率よく集めるために、カディシュトゥが生徒たちをさらったことになっている。
 全体的にこういう感じで、「マップややらなきゃいけないことは無印とよく似ているけどお話は違う」ゲームになっているといえるだろう。特にマンセマットが登場する新宿区はかなりの広さがある完全新規マップで、ストーリー的にも、ナホビノがどうの神の知恵がどうのといっていた無印のそれとは完全に別物になっていく。
 ただ、リリース前から判っていたことだが、『真Ⅳ』⇒『真ⅣF』ほどの目新しさは感じられない。まあ、実際にここで主人公を交代させるほどの策を打たれていたらいたで、「だったらまず無印で消化不良だった部分を完璧に詰めておいてもらいたい」みたいな感想になっていただろうが。

かつて森川ボイスだった時代もありますが……高木ボイスのほうがなぜか似つかわしいねえ。

 ぼくはこれから3周目のプレイに取りかかるわけだが、今回は無印と同じ「創世〜」のほうを進めることにする。セーブ画面を確認した感じでは、今作はエンディングが6種類あるようだし(無印は4種類)、これをすべて確認&お気に入りの子(悪魔)たちをレベル150にするくらいまでやった上で、あらたな感想があれば記事にしようと思う。
 現段階では、無印未経験ならぜひおすすめ、無印経験者にもおすすめだけど、セールを待ちたいならそれもよし、くらいかな?

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