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【CAP】夏ナス【COM】

 狩りの季節である。
 というわけで、大型アップデートが到着した『MHR』、世間サマでいうところの『MHR:SB』である。

 そもそもの話、ぼくはそこまでがっつりハンター稼業をしていたわけではないが、それでも『MHP2』あたりからはプレイしていた。知人から「同人作ろうよ! だからプレイしてみなよ!」という誘いがあって触り始めたのがきっかけである。その後『MHP3』でかなりハマり(新作発表会でユクモまんじゅう食ってた)、PS4時代でお休みしたのち、この『MHR』で復帰したのである。
 その間、『MHF』のノベライズをやったり、『MHX』のアンソロジーに参加させてもらったりということもあったのだが、今回は特にその『MHF』ノベライズのお話。

 当時の『MHF』は『G』にバージョンアップする時期が近づいていて、ノベライズもそれに合わせようということになった。ただ、『MHF』はオンラインゲームなので、いわゆるパッケージモンスターがいない(マガイマガドとかメル・ゼナのことな)。もしパケモンがいるならノベライズでもそいつを主役(?)に据えるところだが、この場合はどうすべきか。
「よし! ディアブロスにしよう!」
 唐突にぼくはそう思い立った。特に意味はない。ムゴゴゴゴ……ドカーン! と突き上げられて宙を舞うぼく。わ~い、お空を飛んでるぞ~う! というだけの理由でぼくはこのゴツいモンスが好きなのである。トリケラトプスっぽいし。

 ところがぼくのそんな純粋な願いはかなわなかった。
「いや、ディアブロスとかふつうにコンシューマ版にもいますんで」
 という理由で即座に却下され、『MHF』にしかいないモンスを使ってほしい、とのこと。……まあ当然であろう。ノベライズといってもメーカーにとっては作品を宣伝する機会のひとつなわけだしな。
 そんなこんなで主役モンスターはエスピナスに決まった。

(実際のモンスターとは違う場合がございます)

『SB』で追加されたエスピナスは原種だが、この時ぼくがノベライズで主役に据えたのはエスピナス亜種、茶ナスなどと称されるやつである。

 周囲を乾燥地帯に囲まれたトムテットの村にふらりと現れた流浪のハンター、ゼクート。折しも乾燥地帯の一角では、誰も見たことのない大型のモンスターが目撃されていた。
 乾いた血のような色をした隻眼の飛竜《ブラッドウィンカー》の出現によってトムテット周辺の生態系のバランスが崩れ、恐慌に駆られた草食竜たちの大移動が始まろうとしていた。このままでは、ブラッドウィンカーから逃げようとする草食竜の群れによってトムテットが蹂躙されてしまう。
 トムテットを捨てて別の土地へ移住するか、あるいはここにとどまって村を守るか、村人たちの意見が割れる中、異邦人であるゼクートは――。

 ……というようなお話。今にして思うと百竜夜行を先取りしたようなテーマで、「さすぼく」と自画自賛したくもなるのだが、いろいろあって2巻目以降は刊行されなかった。明確な理由は説明されなかったけど。単に売上が悪い場合ははっきりそういわれるので、ホントに何かいろいろあったんだろう。
 とまあ過去に思いを馳せつつ遊ぶ『SB』はとても楽しい。

 安っ⁉

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