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『サムスピ』関連記事

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おもに『サムライスピリッツ』シリーズに関連する記事群です。
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記事一覧

【SNK】ごわん!【侍魂】

 5月5日は大門五郎の誕生日である。  というわけで、呉瑞香、通称うれうれについてのあれこれ。あ、レイシャンも5月5日生まれな。ならその日に出せよと思わなくもないが、その頃ぼくの心はマルコに奪われていたから仕方ない。  瑞香というのが日本でいうところの沈丁花だというのは別の記事でも書いたが、このむちむちなおねえさんを構成する要素で大きな割合を占めているのは、むちむちボディと羅盤、そして眼鏡であろう。  眼鏡は13世紀末頃にイタリアあたりで発明されたとかいう話で、16世紀には

【SNK】身分格差【侍魂】

『サムスピ』関連の記事といえば? そう、無駄に中途半端なアカデミックさがウリ! 中途半端に詳しいぼくが解説! そう、ぼくが!  ということで、今回は江戸徳川幕府体制下におけるお侍たちの身分制度について。  ひと口に侍といっても、実際には細かい定義みたいなものがあって、おそらくだが、覇王丸や右京さんは侍ではない。  まず、一般的に「侍」だと思われている人々(=腰に二本差しのちょんまげども)は、そこそこ厳密にいうと、ひとくくりに「士分」と呼ばれる階層に相当する。もしかすると武士

【SNK】秋深き【侍魂】

 芸術の秋にちなみ、今回は『サムスピ』を通して芸術に親しもうというタイムリー企画。  それはそうと、『サムスピ』で一番の文化人といえば? そう! 書の鬼、八角泰山! ……いや、ごめん、嘘。ここはやはり、ことあるごとに一句ひねる不治の病にかかった右京さんであろう。  ということで、敗者(=おおむね死人)を前にして右京さんが詠んだ句を紹介してみよう。解説はもちろんぼく! 記念すべき第一回センター試験で国語満点を叩き出したこのぼく!  ということでいってみよう!  最新作では汎用

【SNK】侍じゃねえ【侍魂】

『サムスピ』シリーズに存在する丸族筆頭、覇王丸(ちなみにほかのメンバーは、閑丸、夜叉丸、羅刹丸)。歴代作のすべてにプレイアブルとして参戦している唯一のキャラであり、シリーズを代表する元祖主人公でもある。  今回は、忍者多すぎ問題と並んでたびたび『サムスピ』シリーズで取り沙汰される、意外に侍少なすぎ問題について、覇王丸にフォーカスして語ろうと思う。  このぼくが! 勝手に!  ということで、おおらかで陽気、細かいことにこだわらず、豪快だが意外に教養があり、ストイックに強さを追

【SNK】サムフーズ【侍魂】

『サムスピ』における食べ物のお話。  ご存じのように『サムスピ』は(ご存じだよな?)、おおむね天明から寛政年間にかけての物語である。  少しだけ詳しく説明すると、『零サム』時点の1786年(天明6年)から始まり、『閃サム』時点の1790年(寛政2年)でひとつ区切りがつき、『蒼紅』のみ時代が少し下って1811年(文化8年)のこととなっている。まあ、だいたい18世紀末~19世紀初頭のお話と思えば間違いない。天明の大飢饉によって日本中が大打撃を受けていた頃のことである。  それでは

【SNK】修羅の道よ【侍魂】

『令サム』がリリース3周年だそうである。 「もうそんなにたったっけ?」と思わないでもないが、考えてみると、最後のDLCキャラが追加されたのが昨年の夏だったような気もする。  16キャラ+ボスでスタートし、その後もコンスタントに14キャラを追加して総勢30キャラ+ボスというのは、特段に多いわけではないが、かといって少ないわけでもない。個人的にはまぼろしいおりこと幻庵やシゲルがいないのが気になるが、まあそれはそれとして。  令和の時代に復活した『令サム』は、間口を広げて新規勢を

【SNK】千両屋【侍魂】

 ゲームを通して歴史の豆知識をお送りするお馴染みのシリーズ、今回は『サムライスピリッツ』の千両狂死郎と歌舞伎について。……お馴染み? お馴染みか? まあいいや。  歌舞伎の歴史うんぬんについてはWikiを見てもらうとして(丸投げ)、歌舞伎が今でいうお芝居の形になったのは、日本史でいうところの元禄年間の頃といわれている。浮世絵などに描かれるような人気のある役者たちも多かったが、彼らの社会的地位は決して高くなかった。  現代でも歌舞伎の公演中に、「よっ! 成田屋!」だの「高麗屋

【SNK】王虎の時代【侍魂】

 思えばタムタムって、最初は南米グリーンヘル出身だったのに、いつの間にか中南米グリーンヘル出身にサイレント変更されたような気がしなくもない。マヤ・アステカ文明とインカ文明を混同していたのかもしれないが、とりあえず今回は真の漢を捜す漢、王虎の話。 『令サム』をプレイしたかたならご存じだろうが(といっても王虎はDLCなので追加購入しなければ遊べないのだが)、王虎はとてもカッコいい。ちょっぴり横幅はあるが、だからといってでぶちんというわけではなく、がっちりとした筋肉質の巨漢である

【SNK】時空の歪み【侍魂】

 前にも書いた、初代『サムスピ』当時のサンフランシスコはまだアメリカ領じゃなかったうんぬん、的な話。 『サムスピ』というのはモチーフが時代劇だからか、公式ストーリーや設定面に歴史的なガジェットが入り込んでくることが多い。ただ、一部のキャラでそのへんの要素にミスというか矛盾というか齟齬というか、「ん?」と首をかしげたくなるところがまま存在する。その筆頭が初代『サムスピ』の十兵衛である。  ぼくはこの件に関して、時代背景が1788年に設定されていた初代『サムスピ』が、実は途中まで

【SNK】ごめんなさい【侍魂】

 おそらくぼくにかぎらず、海外の映画に日本人や日本の風景などが登場した際、「こんな日本人いねーよ!」とか「日本のどこだよ!?」と思った人は多いと思う。  そしておそらくアメリカのゲームファンたちは『サムスピ』をプレイしながら、「こんなアメリカ人いねーよ!」とか「アメリカのどこだよ!?」と思ったかもしれない。  本当にごめんなさい。 『サムスピ』的ガバガバ時空における史実との乖離は非常にはなはだしい。特によくいわれるのは、ガルフォードの経歴詐称である。  自称・アメリカン忍者