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♡今日のひと言♡八木重吉


「豚」~『貧しき信徒』(1928)

八木重吉(1898-1927)~東京・詩人)
大正から昭和時代前期の詩人。
23才でキリスト教に入信。その後、英語教師となり、信仰と詩作に没入した。1925年に詩集「秋の瞳」を刊行、草野心平に認められたが、結核のため29才で世を去った。没後刊行の「貧しき信徒」(1928)や「定本八木重吉詩集」(1958) などにより、次第にその評価が高まった。

  うつくしいもの

わたしみずからのなかでもいい
わたしの外の せかいでもいい
どこにか「ほんとうに 美しいもの」は ないのか
それが敵であっても かまわない
及びがたくてもよい
ただ 在るということが 分かりさえすれば
ああ ひさしくも これを追うに つかれたこころ

「秋の瞳」(1925)~『定本八木重吉詩集』(弥生書房)


2024.3.27
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