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オリンピック 無観客開催で良いのか!

■無観客開催オリンピックはそれでいいのか?

 オリンピックの開催方式が揺れに揺れて直前に、しかも、無観客と決定されました。
 コロナの感染者数が低減せず、むしろ、上昇に転じたことから感染緊急宣言が発令されましたが、その中での「無観客開催」です。これには賛同・反対の両方の意見が出されました。

私は「適切な対策を講じた制限付きの有観客開催」だと思っています。

 コロナ禍の状況についてはメディアでは十分な情報が提供されないまま、多くの方々が議論をしてきていますがコロナやワクチンについては国際的な多様な情報源があります。

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■COVID-19そしてSARS-CoV-2の現状理解

 コロナ禍対策の政府の不安定な取組みは全く残念です。一体どこを向いて動いているのか分かりません。
 これについては改めて整理したいと思いますが先ずは政府やJOC、東京都等の現状認識が間違っており、それに基づいた判断は当然間違うことになります。
 現状は確かに感染者数は増加していますが国際的にみれば低い水準ですし、重症者数・死亡者数は増加しておらずこれも大変低い水準です。
 変異株が常に話題になってきましたがこの認識が常に遅れました。つい最近まではイギリス型(アルファ型)株を恐れ、そして、今回はデルタ型に転じていますがこれはアルファ型より60%感染力が強いと言われています。一方で重症化、死亡率はそれほど高くありません。
 日本は当初の極めて低い感染者数を目標に何とか緊急事態宣言により限りなく0を目指しており、それが見えてきたら本格的な経済対策に移行する方針でした。また、これはメディアでも国民からも一定の理解はありました。ただ、そうは言ってもそのための対策は人流を減らす、酒を禁止するだけのことであり事実上、打つ手はありませんでした。政府の無策を非難する向きもありますが一発逆転の施策はありません。
 欧米では昨年からの惨憺たる経験の上、縋るようにワクチン接種に走り、一定の効果を挙げました。日本は低い水準でしたのでワクチン対策は遅れました。しかし、最近の研究では集団免疫にも限界があり、早々に収束することは不可能との見解が共有されているようです。

■ウイルスとの共存

 そうなると基本的考え方はまさに「ウイルスとの共存」を容認し、これに基づいて政策を講じ、国民も行動することが重要になります。
 少なくとも年内はコロナ禍は感染には収束しませんので、とにかくワクチン接種を早め、同時に経済活動等も並行して動かすことになります。

イギリスではこのところ感染者は4万人レベルに急増していますが重症者・死者は増加していないため共存策を続けていますがそれでもあまりに感染者が増加したので活動抑制策を強めだしています。米国でも同様です。

 さて我が国は客観的にみると極めて優等生であります。「ウイルスとの共存」を掲げるべきでありそうすれば緊急事態宣言をする必要はなく、飲食も一定の制限のもとに進めても良いはずです。

そもそも、緊急事態宣言下でオリンピックを開催すること自体、矛盾しています。

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■何故、医療崩壊なのか

 では何故、そのような判断が出来ないのかです。昨年から医師会は「医療崩壊」を叫んできました。確かに昨年の欧米は本当に医療崩壊状態でしたので、「日本もそうだ、すぐに同じ状態になる」と悲壮感そして医師の被害を主張してきました。我が国では医療全体が崩壊したというより、一部である勤務医・看護婦等に集中的に負荷がかかっており、彼らは本当に大変な状況でした。しかし、それ以外の大半の医師はいろいろと理由を付けて診察すら拒絶してきました。それなのに「自分たちは崩壊して大変である、もっと支援をして欲しい」と医師会を通じてアピールしています。1400万人の東京で数十人の重症者ですがこれで医療崩壊跡は何とも頼りない、情けない信じられない状態です。病床数は十分あっても医師の大半は関わりたくないため感染を理由に遠のくばかりです。本来であれば現状の感染者数であれば初期治療をきちんとやればもっと重症者数は減りますし一定量の感染者は許容できるはずです。そうなれば飲食店も観光関係者なども苦しまないで済みます。
 医師会達はこの1年半に及ぶ期間にどんな対策をしてきたのかですね。専門家会議も有名無実であり、感染経路は不明、具体的な対策は人流削減のみ、一定の効果のある治療薬も使わない、病床を活用する方策も提案しないでじっと収まるのを待つのみです。ワクチン接種も医師以外には打たせないというこの場に及んで既得権主張という体たらくです。
政府は批判されるべきですが同時に、それ以上に本来もっとも本職である医師に対して非難すべきでしょうね。メディアもそして総理大臣でさえ医師に忖度して何も言えない状況が日本の最大の問題です。

■政府の姿勢の問題と今後の対応方向


 さて、政府の問題は現状認識そして取り組みの基本的姿勢を明確にしてこなかったことに尽きます。本件は世界でも治療薬は無く、ワクチンも無いところからスタートしましたので専門家の間でも統一見解が無い難しい問題ですので方針が揺らぐのは当然ですが、少なくとも昨年の秋ぐらいからは世界での試行錯誤状況が行われ、国内の状況も把握できたはずです。

 オリンピックは一度延期してますし、新たな準備はできたはずです。もちろんオリンピックに関係無くワクチンはもっと早急に入手して接種すべきでした。これも何故か副反応ばかり強調し、接種は自由と打たない方が良いと言わんばかりの対応でした。国民に不安があるとの言い訳ですが始まってみると予約は殺到しあっというまに品切れ状態です。

 オリンピックはやってもやらなくても良いイベントですが、やると手を挙げ、国際的に決定した約束事ですので基本的には実施義務があります。野党・メディアはそれを知っての上で「国民の命かオリンピックか」と言う意味不明なキャンペーンを貼り、どこぞの弁護士は反対署名を集めて自らをアピールするという醜い状況となっています。
 政府は早くから実施することを明言し、「ウイルスとの共存」を念頭にして、どうすれば安全に円滑に実施できるかを多くの専門家などに有効な対策の提案を求めて最大効果を出せる方策を提示すべきでした。専門家達は単に人流を減らす方策ではなく、感染経路の特定と対策、有効な初期治療、治療薬の活用、日本発ワクチンの開発目途、病床の有効活用策等を次々と提示すべきでした。
 実際、国内ではすでに野球、サッカー、バスケットボール等の大観客イベントを何度も開催し、そこからの集団感染は起こっていない実績があります。一体この実績をどのように考えているのかですね。
 とにかく、首相が姿勢を明確にしないことが多くの不毛な議論を発生させ、国民の共感も得られず、実質的な政策がおろそかになった最大の理由であったことは確かです。
 同時にメディアも有識者・専門家?もまさに国民の命がかかっている大問題ですのでいつもながらの政府批判で国民を弄ぶようなことは止めて欲しいものです。

 オリンピック後の8月下旬頃のワクチン接種の進行状況が今後を左右します。対策が揺れてきましたが感染状況は決して悪くありませんし、まだ、表に出ていない多様な取組みがあると思いますので期待したいと思います。



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