2020年7月13日の日記
業者の人がエアコン点検をしに来てくれることになったので仕事の合間に部屋の掃除をした。
床に積み上がった本をわさわさと持ち上げる、埃やらなんやらがところどころ付着してるのでハンドモップでささっとはく、階段に持っていって積み上げる、という工程を延々と繰り返していた。
自分はとりあえず本やら雑誌やらをそこらに積んでしまう習性があり、合間合間に通販サイトの領収書や整体の領収書、美術展のリーフレットや旅先で手に入れたガイドマップ等も置いてしまうので、それはもう大変だった。
本、本、一昨年の整体の領収書、一昨年の整体の領収書、一昨年の処方薬の領収書、同人誌、同人誌、本、本、ムック、三年前の整体の領収書、マンガ、マンガ、一昨年のクレジットカードレシート、同人誌、楽天の領収書、旅行先で貰ったフリーのガイドブック、ショッピングモールのフロアマップ……という感じ。途中、茶色いベタベタまみれの領収書が発見され、でかい声を出すなどした。初詣のときに神社でもらって放置していた飴が溶けたものだった。さいわい他の本に影響はなく、いらない領収書同士の間に挟まっていただけだったけれど、「マジすか…」という感じでしたね……。
お昼は地元のゆで太郎でもりそばとカレーライスのセットを食べた。ついでに80円の冷めたコロッケもつけた。最近はそんなに食べなくなったけれど、大学生のときはよく立ち食いそば屋で蕎麦を手繰っていた。大学の学食でもほぼ毎日のようにかけそばにミニカレーをつけたり(なので大学の周りにある飲食店を全然利用しないまま卒業してしまった)、池袋にある新文芸坐という名画座でオールナイト上映を見たあとも、このゆで太郎で明け方にモーニングセットを食べたりしていた。
特別美味しいわけではないし、食べているとやっぱり「労働者」の味だなと思う。特に業務用丸出しのカレーライスはそういう気持ちにさせられるけれど、このカレーが食べたくて仕方がないときがある。3ヶ月近く在宅勤務をしていた自分に「オイッッ!!! おまえは労働者ッ!!!!!!」と自覚させてくれる味だなと思った。平穏に暮らしている男がある日突然自我を取り戻し、殺人術を使いこなし、かつて最強の暗殺者だったけれど記憶を消されて暮らしていたことがわかるような、ああいうやつです。
家に帰ってまたもや仕事の合間に本をせっせと運びまくった。
これだけ本があるのに読んだものは全体の3割もないと思うと、なんなんだこの部屋は……と気が遠くなりかける。ここ3年ほどで電子書籍で出ているものは電子書籍で買うようにしているものの、電子書籍版がない本も当然あるので、物理の本は相変わらず増え続けている。
友人たちがやっているように、電子書籍化の業者に頼んで電子化に踏み切ろうかなとはずっと思っているものの、果たしてこれらをデータにしたとして本当に読むのか? ただでさえ本読むのが遅いのに? となってしまい、一向に踏ん切りがつかないでいた。
とりあえず、自室にある本は
①買って読んだ本
②買ったけれど読んでない本(読むつもりあり)
③買ったことを古い地層から発見するまで忘れていたけれど、買おうと思って買ったことは確かな本(まあまあ、それなりに読むつもりあり)
④買った記憶がないのに何故かある本
の4タイプに大雑把に分けられそうな気がする。もちろん、④は④で発見した瞬間に「こんなん買ってたのか。読も」という気分にはなるものの、おそらくまた忘れてしまいそうな気はする。文庫本や新書の類は、レーベルによってはKindleセールで書い直してもいいかなと言う気もする。
Twitterでフォローしているライターの方が「電子書籍で売っているものについては、紙の本を全部売り払って電子書籍で書い直した」ということを数年前に言っていて、当時は「何故そんな更にお金のかかることを……」と思ったものですが、実際部屋が本まみれになり、30歳が近くなって自分が一年のうちに読める本の冊数が何となくわかってくるようになると――というか、残りの人生で何冊読めるのかという考えが頭をかすめるようになると、確かにそれもありだなと。
とりあえず床に積み上がっている本を全部出し終えたら床がめちゃくちゃ広いわ広くなったぶん椅子が動くわで新大陸発見!! という感じだった。逆に、積み上がっていた本の上にスマホを置いたりリモコンを置いたりお菓子を置いたりしていたので、せっせと築いた孤独の要塞が一気に更地になってしまったような寂しい気持ちもある。
……とか言ってますが、やはり床の上に積読タワーを組み上げる行為は気がついたら本に細かい埃が付着してなんかめちゃくちゃに汚れてるし気がついたらすげえ曲がってたりするのでマジで何も良いことがないです。
とりあえず、少しずつ蔵書の整理をしていって、売るなりなんなりしようと思います。先は長い。
あと、大学生時代に使っていたポメラDM10が見つかったので触ってみたら、加水分解でベッタベタになっていたのでだいぶ悲しい気持ちになりました。
そんな感じでした。先は長い。いろいろと。
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