すみれ色の空を、確かに見たんだ。
保育園時代の私は恐ろしい。
家庭の事情で入園時期が他の子よりも遅れてしまった私は、うまく輪に馴染めず、母と繋いでいた手を切り離されたことでパニックになり、入園初日に保育園の玄関扉を蹴り壊すというレスラーのデビュー戦のような偉業を成し遂げた。
そんな華々しい保育園デビューをした私だが、専らそこでの遊びは絵を描くことだった。誤解のないように補足しておくが、私は元来内向的な性格だ。玄関扉を壊したのだって、暴れて振り回した手が当たって起こった事故だったのだから。
「お空ってね、