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茶道具

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2022年11月の記事一覧

菊尽くし 2

菊尽くし 2

菊は日本人に好まれた花なので、
沢山の文様・柄が有ります。 
ですから取り合わせる時、とても 
迷うのです。
今回薄茶器に、菊水蒔絵の大棗を
出しました。一般的菊水文様と違い、
花弁だけでなく枝・葉・まで描いて
います。
ヘソ曲がり・珍品好きの私に、相応しい道具でしょう。
蓋置は伊勢神宮の御祭器を焼く、神宮窯の作。とても可愛い、万寿菊が!
少し大振りなので、炉釜の蓋の大きな物でも安心です。
建水は

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宗旦好み

宗旦好み

今月は珍しい宗旦のお好みを、稽古に出しました。
「菊置上木地曲水指」です。

侘び茶人として名高い宗旦居士にも、いくつかの
華やかなお好み道具が有ります。東福門院との
関係からでしょうか?

有名な「爪紅台子」「紅茶巾」は、知られた品です。
菊の文様では、薄茶器・香合・なども・・・

表千家伝来のこの水指、本歌には表流九代了々斎が
蓋裏に「古宗旦所持ノヨシ」と朱漆の直書きを
なさって居られます。

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寄付

寄付

稽古の度に、寄付きに 何を掛けるか考えるのも
楽しみの一つです。
本席に一行などの語句が多いので、やはり絵や歌の
色紙・短冊が多くなります。まれに扇面なども~

今回は追善の趣向でした。例なら仏画を掛けていました。
しかしそれでは重いし、ましてや経切れでは・・・
そこで短冊から探すと、我ながら珍品を所持していました。

題詠で「妙法蓮華経といふこと越」と言う、長い題。
「む可し与り今毛か王らて妙法

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茶道具 ヤフオクで買う

茶道具 ヤフオクで買う

ヤフオクで茶道具を買う様になって、ざっと20年位に
なるでしょうか?とても珍しい品・価値ある道具も
落札して来ました。

幸い15歳から勉強して来た成果で、贋物は掴まされて
いません。逆に落札価格の十倍以上で、茶道具店に
嫁入りした品も多数あります。
そんな品々で手元に残った道具を、時折ご紹介しましょう。

まづ最初は、12日の土曜日に落札したばかりの茶杓。
竹では無く木地の茶杓が、二本入っていま

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茶碗 京焼

茶碗 京焼

一口に「菊の絵」と言っても、沢山の種類が
ありますね。今週使っているのは、まん丸の菊で
通称「万寿菊」と言われるものです。

本来饅頭のように丸いので「饅頭菊」だったとの
説もあります。それを字面を選び「萬寿」に~
京焼で時々見かける、日本画家の絵付けです。

後ろに名前が入っていますが上の字「華」しか
読めません。
京焼らしい素地に、菊が浮かび上がる様です。

かの後鳥羽院と同じく、私も菊文様が

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稽古の茶道具

稽古の茶道具

今月中旬に、父・祖父・伯母二人の命日が
あります。よって毎11月の二週目は「仏事」
めいた、取り合わせをして来ました。

床・花入・香合・薄茶器・茶碗・などなど、沢山
出して居ました。本年は「あっさり」と思い
立ちました。

軸を「雲深古寺鐘」普通は「深雲」と書かれる所
ですが・・・間違えたか、あるいは敢えて?
へそ曲がりの私に、相応しいかも知れません。

香合は仏事用に、伽藍石・古瓦・木魚・掛絡

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稽古の茶道具 鶴亀

稽古の茶道具 鶴亀

軸の語句に「鶴」が出ました。
なれば次は「亀」を出さねばなりません。
U流には、素晴らしい香合が在ります。

四代仙叟のお好み、金沢大樋焼きで好まれた
「亀の洲」です。洲浜で休む亀でしょうか?
この香合にはと思い、銀の青海波文様釜敷の
上にのせました。

見て直ぐ理解できる「鶴亀文様」若い頃は
{少し付き過ぎでクサイ!}と思い、敬遠して
来ました。これも60歳位を過ぎた頃から、
素直に使える様に進

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掛け軸

掛け軸

又従兄弟がやって来ました。互いの祖父同士が兄弟
です。「お兄さん、お爺さんの残した御軸持って
来ました。家ではほとんど掛けないから、使って
もらえたらと・・・」

大きな風呂敷包みの中は、字の物が三本・絵の
物が三本・入っていました。
最初の軸の箱に「温恭院様御筆 殿様より拝領」と
書かれていました。

広げて見ると生表具で一文字は「三つ葉葵」でした。
{これは徳川将軍家十三代家定公の、書だろうね

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