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茶道具

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2021年8月の記事一覧

稽古の茶道具 追悼

稽古の茶道具 追悼

この月は、恩師三田富子先生が旅立たれた

悲しい月です。毎年八月稽古の一回を、

追悼の取り合わせにしています。

待合   富子先生歌色紙

    「樹も草も盛りの緑誇りいし

     夏は過ぎゆきぬ吹き渡る風」

恩師は女流歌人五島美代子先生に、師事され

良く歌を詠まれました。それを書いては社中に、

下さいました。

床   荷香 これは{蓮のかおり}の意

花   遠州木槿・女郎花 

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茶道具百話 平茶碗

茶道具百話 平茶碗

我が社で一番平らな茶碗、高さ3センチです。

これに合わせるのは、長棗です。この組み合わせは、

見た目も良くお気に入りです。

しかし点前をする人は、悪戦苦闘。ともかくお茶が

タチマセン、難しいとの苦情殺到です。

茶筅通しの段階から、思い切り傾けないと水を

膝に掛ける事に・・

茶碗自体は日展系作家の作などで、釉薬の掛け方など

モダンです。釉薬の薄い色と、土の茶色のバランス

も面白いと

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茶会の準備

茶会の準備

この12月中旬、古稀自祝の茶会を

予定しています。昨年が古稀の年でしたが、

コロナで延期となりました。

なのでほぼ道具組は出来ています。大きく違う

のは、菓子鉢が使えない事です。

懐紙に盛り付け・長盆で運ぶ事にしました。

残念!せっかく用意した永楽さんの俵形・

宝尽くし絵・の鉢が不要となりました。

「俵の中身は、今迄の勉強の成果。それらは

茶道人生の宝」とキザに説明しようと思って

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茶道具百話 建水

茶道具百話 建水

良く茶友に笑われます。「大川さん、建水が

好きなんて珍しい!」そうなんです。お湯や

水を捨てる筈の、器が好きで沢山所持します。

何しろ一分野の道具なのに陶器・漆器・金属・

木竹・までと、種類が沢山有ります。それが楽しくて、

ついつい数が増えて・・・

外国製品を見立てるにも、建水は比較的楽です。

U流には歴代家元の楽しい{建水のお好み}が

有ります。汚い水を入れる器なればこそ、良い物

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茶の湯稽古場から ZENGO

茶の湯稽古場から ZENGO

近々の御老師方の染筆には、余り難しい禅語を

見かけなくなりました。殆んどが{禅語大辞典}

他の本で探せる語句です。

古い時代からおよそ近代迄の一行を拝すると、

「えっこれはどう読むの・何と解釈を?」の軸が

沢山有ります。昔ある高名な禅僧から「禅語は

悟りの境地の言葉。一般人には解らないだろう」

と聞いてがっくり・・・

でも私達は、その境地に少しでも近付ける様に

禅語の軸を掛けるの

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茶の湯稽古場から WHY?

水屋の棚には、水指×2・茶入×2・薄茶器×3・茶碗×5・

蓋置×2・建水×3を並べてあります。その中から各自が

選んで、席中へ持ち出します。

その道具組を見ていると、道具は理解していても色彩感覚には

???な人が。また色取は良くても、格が合わない人も稀に。

珍しく私と好みが合う人が居ると「どうしてそれを選んだか?」

聞きたくなります。逆に「何故その棚に、この蓋置!?」と

質問したい人

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