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茶道具

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2021年4月の記事一覧

稽古の茶道具 歌仙絵

稽古の茶道具 歌仙絵

床に複製の「佐竹本歌仙絵 在原業平」を

掛けます。そもそも歌仙とは、11世紀初頭に

藤原公任{マルチ才能の貴族}が選んだ歌人達。

三十六名を選び、略歴と歌を画像に配してあります。

秋田藩主佐竹家に伝来したので「佐竹本」と呼ばれます。

益田鈍翁が分割に関わった事でも、有名な軸です。

現在36幅中、16幅は個人蔵です。

令和元年分割以後100年ぶりに、31点が奇跡的に

集まりました。私

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茶道具百話 花喰鳥

茶道具百話 花喰鳥

この香合は「賄賂」として、もらった記念の

品です。百貨店美術部に勤務して直ぐに、

茶道具の展示会が有りました。

頑張って売ったので、新記録の金額となりました。

出品した茶道具商が大喜びで「やっと、茶道具の分る

社員が入社した」と言われました。

「凄い金額だったので、ご褒美にこれを」差しだしたのが

この香合です。

上司に相談すると「いいから、貰って置け」との

事でした。永楽の妙全作

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稽古の茶道具 新人達へ

稽古の茶道具 新人達へ

今回の稽古は、珍しく寄付きがメーン

かも・・と思います。

御家元様が若宗匠時代に書かれた扇

「青雲心」学校・職場に新人達が溢れて

いる季節です。そんな人々に「大きな希望」

を抱いて欲しいと願っています。

床は「一華開五葉」とし、これも我流解釈で

ものを成す為には努力が必要と考えましょう。

花入れは「旅枕」新人のこれからの日々を、

思います。

棗にこれから越えるべき「遠山蒔絵」を

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茶道具百話 俵

茶道具百話 俵

俵形は陶器香合・茶碗・鉢などを持って

います。今回うれしい事に、木彫の俵を

買えました。

俵は貴重な形です。単純に秋の収穫だけでは

いけません。入学・卒業・初風炉・炉開き・

年末年始・などに「大いに稔を期待して」と

言葉を添えて使います。他にも年祝い・還暦・

古稀などでは、今まで貯えた物として。

などなど俵には、様々な使い道があります。

五月初風炉に「どうぞ大いに学んで、中身を

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稽古の茶道具 長安

稽古の茶道具 長安

寄付  白牡丹絵 色紙

床   大道透長安

香合  染付 冠手

今週はこの一行から「長安」を主題に、

取り合わせました。この語句には、難しい

禅的解釈もありますが・・・

唐の都長安は、牡丹の花で有名でした。

お馴染みの「松樹千年翠 不入時人意」の

対句「牡丹一日紅 満白公子酔」から。

松の変わらない翠は、人々の心に叶わず

牡丹のはかない美しさに、都の貴族達は

酔いしれた。との

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茶道具百話 金海

茶道具百話 金海

不思議な事が起こりました。

友人と弟子、ほぼ同時期に韓国へ仕事で出張。

なんと!お土産として、まったく同じ茶碗を

見つけて持ち帰りました。

独りは弟子なので、私の好みは熟知しています。

もう一人は、茶道に縁のないビジネスマンです。

弟子は「先生は高麗茶碗がお好きなので・・・」

他の友人は「君はヘソマガリだから、珍しい

形が良いかな?と思って」

こうして洲浜形茶碗が、なんと二つも所

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稽古の茶道具 花入れ

稽古の茶道具 花入れ

初風炉の道具を考えていて、花入れにとても

迷いました。端午の節句を踏まえた取り合わせ、

なのですが花入れを「利休居士好み鍔置」

「大宗匠好み槍鞘籠」のどちらに・・・

初風炉の改まった雰囲気なら、唐銅の鍔置。

しかし半年ぶりに使う、籠も使いたくて悩みます。

良く考えて次の週が「葵祭」なので、12代家元好み

賀茂川籠を使います。なので鍔置に決めました。

もう一つの理由は、槍鞘形は茶入・

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茶道具百話 楽茶入

茶道具百話 楽茶入

国焼きの中でも、茶入を作らない窯場は

いくつもあるでしょう。まったくでは無くても、

圧倒的に数が少ない茶陶に「楽焼」があげられ

ますね。

宗匠方のお手作りは、いくつか拝見しました。

楽家の品は、図録でしか見かけません。

おなじみヤフオクに「赤楽茶入」が出ていたので、

落札出来ました。珍しい物に、弱い私です。

稽古に使うと社中は「楽で茶入が有るんですね!」

驚いてくれました。楽焼の

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