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魅惑の貧乏クリスマスローズ

15年前に出会い惚れ込んでからずっとぞっこんで大好きなクリスマスローズ。
1番好きなお花であり、園芸街道に突き進むきっかけとなったお花でもあります。

真冬に凍っても美しい

が、しかし。
1番好きな花なのに、欲しい株はだいたい高価で手が出ません。
有名ナーセリーや育種家さんの手掛けたクリスマスローズの高いこと…。
それだけ手塩にかけて素晴らしい花を作出されてますからね。

なので私はコレクターにはなれないのです。
収集癖すごいのに。金がねえ。

そう、私はハイソな暮らしを夢見るだけの低所得層の中年女(田舎の実家暮らし)。
不況にあえぐ超就職氷河期に青春を送り、社会に出たならフリーターや非正規雇用で食い繋いできた世代です。

私の独断と偏見で、世間のクリスマスローズ愛好家を表現しますと、
●【富裕層のご夫人が薔薇の似合う洋館で、ウィッチフォード(超高級鉢)に植え付けた稀少クリスマスローズをずらり並べている】
そんなイメージです。
もしくは、
●【世帯主のおじさんが趣味全開でオタク化し、育種交配しまくっててその腕と知識はもはやセミプロの個人育種家】
でしょう。

この二極化でだいたいあってるはず。
めっちゃ怒られそう。

ああうらやましい……
私だって万札握りしめて全国のクリスマスローズ抽選販売会とか行ってみたい!!

クリスマスローズ界のパイオニア横山さんと
卑屈な低所得者

冬場は抽選マニアのコレクターさんがこぞってSNSなどで、入手した稀少クリスマスローズを披露しています。
私はそれを「いいな!いいな!」と画面越しに指を咥えて流行の勉強をしているわけです。

この格差問題を時代のせいだけにしていいのでしょうか。
コレクションできない者は、素晴らしきクリスマスローズの世界を諦めるしかないのでしょうか。

答えはNO!!
私は諦めが悪く執念深い女。
買えないなら作ればいいじゃない!

開花株が数万円でも、種ならば数百円で手に入ることがある。
良い花の種を譲ってもらい、信じて3年育て、交配を繰り返す。

今年譲っていただいた種
自分交配種

その無謀な面白さにどっぷりハマって、気づけば置き場に困るほどのクリスマスローズが今ここに。

結局、目標とする憧れの高級クリスマスローズもどきを作れたことはないのだけれど。
そんなに簡単にいくならデフレ起こしますわ。

それでも数年かけてようやく咲いた花を見るだけで、なんとも言えない高揚感に包まれます。
例え結果が出なくても、私はこのままずっと夢見ていたい。

心の底からそう思える魅惑のクリスマスローズのお話でした。

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