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イタリア3日目 バチカン観光

2023年2月23日
疲れているはずなのに、朝早くに目が覚める。
フランチェスコとエスプレッソを飲みながら今日も楽しい朝ごはん。

一緒に泊めてもらっている子がなかなか起きてこないので、フランチェスコと二人でギターと歌と口琴をガンガンに演奏し起こす。

今日は友人とは別行動。朝からバチカン市国を観光、楽しみにしていたバチカン美術館へ。

直前でも大丈夫だろうと調べていなかったのだが、前日には入場チケットが少なくなっており、ギリギリ購入できた。
事前に購入すると手数料はかかるし、当日窓口でも購入できるのだが、長時間並ばなくてはならない。見どころ盛りだくさんの美術館なのに、入る前に疲れてしまうので、事前購入は必須だった。

ひとつひとつじっくり鑑賞したいところだが先は長い。有名どころと気になる作品だけはオーディオガイドをゆっくり聴きながら鑑賞。

そんな中でも特に時間をかけて観たのは『地図の間』と『アテナイの学堂』、『システィーナ礼拝堂』。

『アテナイの学堂』壁中に描かれているので、写真にとると部屋の構造がよくわからなくなる


『地図の間』は前回来た時にも印象に残っている。描かれ方が、現在の地図と大きく異なりRPGの地図のようにも見えるし、神話的で面白いのだ。もっとゆっくり歩きたいけど先は長い。先は長いけど足が進まない。もどかしい。

『地図の間』足を止めたくなるが、ここはまだまだ前半


バチカン美術館の大トリはなんといっても、システィーナ礼拝堂。このためにバチカンに来ているといっても過言ではない。『最後の審判』の圧倒的なエネルギーを全身で受けられる。居座って、最後の審判や壁画を飽きるまで眺める。絵という手段は偉大だ。こうやってビジュアルに訴えかけられると天国も地獄も本当に存在する気がしてくる。
ここではもともとお喋り禁止なのだが、騒がしくなってくると静かにしてくださいと呼びかけが入るのも面白い。礼拝堂なのに、こんなに俗人化していてよいのだろうか。

貴重なものばかりだろうに、こんなにたくさん並んでいると、他のものは歩きながらチラ見する感じだ。

こんなに揃っていることこそがバチカン美術館の魅力を高めているのだろうけど、展示物のことを思うとなんだか勿体無い。

それでも入場して見終わるまで4時間。前回は駆け足で見ざるをえなかったが、もうこれで思い残すことはない。

今回、来訪で意外だったのは現代アートのコーナーが設けられていたことだ。少し前から始まった新しい取り組み。こうして新しい歴史が積み重なっていくことにドキドキする。


美術館をでた後はバスも使いながら、真実の口、サンタンジェロ城などを散策。
スマホのおかげで地図も、翻訳も便利に使える。
昔と比べるとおっちょこちょいな私も旅がしやすくなった。特に、複雑なバスの路線や時刻表もGoogleマップに従えば一発だ。知らない言葉が話される知らない街を歩く恐怖心がだいぶ減った。

その苦労こそが旅の醍醐味という人もいるかもしれないが、地図が苦手な私はスマホがなければ平気で目的地の反対側に歩いてしまうし、旅程のロス時間が多すぎるのだ。
旅先で観る、経験する時間を大切にしたい。

真実の口
マルケッルス劇場
サンタンジェロ城
バチカンに戻ってくる。セーラームーンのOPを思い出す眺め


一方で。
VRがもう少し進化すると旅行も全て仮想空間で完結するんだろうかと想像する。

緊張してバスにのる経験も、慣れない香水やシャンプーの匂いに異国を感じることも、欲張って観光地を巡って足がパンパンになることも、外見が違うせいで奇異の目でみられることもなくなって一瞬でその目的地に辿り着くのだろうか。

その便利さを知ってしまったら、少し寂しいけれどリアルな旅行にはもう帰ってこないかもしれない。

そうしたら全身で感じる、この旅というアクティビティを楽しめるのもあと十数年のことかもしれない。

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