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【競馬】ウマ娘に出てこない名馬列伝 Part2

先日書いた記事が予想外の反響を頂いたため、続編を製作してみました。
(内容的にもかなりマニアックなため、前回より競馬知識が無いと楽しみ切れないかもしれません)

↑前回


なので、わかんない単語とか概念があったら是非これを参考にして頂ければと思います。
そこそこ分かりやすくまとめてると自負してます。

(どの記事も文字数多くて重いのやめたい)


ウマ娘に出てくる名馬はこちらをどうぞ!!


前回の反響がすさまじく、今まで月1万PVが普通だったのが週間で1万を超えて恐れ慄いてます。
今回はもうあそこまでの伸びは期待してないし、好きな方だけ見てもらえればと思います。


今回は80頭。引き続き大量に紹介していきます。
前回に比べてマイナーな馬が多めです。
今の競馬を知って欲しいため、ここ数年の馬だけで30頭くらい挙げてます。

非ウマ娘の名馬を知るための小さなwikiみたいに扱って頂ければと思います。それではどうぞ。


2022/5/6追記:ヤマニンゼファーとシュヴァルグランがウマ娘になったため、「ウマ娘になった名馬列伝」へ引っ越し。空いた枠にリアルスティールとショウナンナデシコを追記しました。

名馬列伝

1941世代(三冠路線が整って3年目)

セントライト

伝説となった初代三冠馬
父は地方GIIのレース名にもなってるダイオライト。
三冠馬は基本的に体重が450〜80kgくらいなのだが、セントライトは500kgあったほど大柄だった。
実はスイープトウショウの遠〜〜〜いご先祖さま。


1965世代(シンザン世代の一個下)

キーストン

馬はとても賢い。一説には平均で人の3歳児くらいの知能を有しているという。
キーストンはダービー馬で、菊花賞も2着、以降も重賞を何個か勝っていた強い馬だった。
しかし、引退レースとなった阪神大賞典で左前脚が完全脱臼。鞍上の山本騎手は投げ出され脳震盪。
文字通り死ぬほど痛かったはずだが、キーストンは三本脚で騎手の元に駆け寄り顔を寄せた。
「ごめんな」と謝りながら顔を撫でた山本騎手。スタッフに手綱を渡すとそこで意識が飛び、目が覚めるとキーストンは既に息を引き取っていた。
競馬は人間のエゴの産物だが、時にそこで生まれる絆もあるんだよというおはなし。


1975世代(テンポイント世代の一個上)

カブラヤオー

それはそれは強い馬だった。
息も絶え絶えでフラッフラしながら後続に大差を付けてダービーを逃げ切るという訳の分からない馬だった。付いた愛称は「狂気の逃げ馬」。
実はこの戦法には理由がある。幼少期に馬に蹴られて臆病になり、馬群に入るのを嫌がるため、大外を回るか逃げ切るかしか出来なかったのである。
三冠馬オルフェーヴルもいじめられっ子だったし、恐怖心が強さを引き出す事もあるのかもしれない。


テスコガビー

幻の初代三冠牝馬。最強牝馬との呼び声も高い。
史上唯一桜花賞を大差勝ちした馬。
オークスも8馬身差で勝利したが、捻挫で三冠目を回避。
心臓麻痺で急逝し、子を産まぬままこの世を去った。


1983世代(シービー世代)

ダイナカール

エアグルーヴの母にして偉大なる名牝。
有馬記念で4着になったり、女帝の母らしく、牡馬と互角に張り合える力を有していた。
ダイナカール→エアグルーヴ→アドマイヤグルーヴ→ドゥラメンテ→タイトルホルダーで5世代連続GI制覇
〜エアグルーヴ→ルーラーシップ→キセキ、メールドグラースで4世代連続GI制覇
〜エアグルーヴ→グルヴェイグ→アンドヴァラナウトで4世代連続牝馬限定重賞制覇
ダイナカールの血が日本競馬を席巻していると言っても過言ではない。


カツラギエース

絶対王者として君臨した皇帝。
「勝利より、たった三度の敗北を語りたくなる馬」
その三度の敗北の内の二度は、シービー世代のシービー“以外の”馬に負けたという事実はあまり語られない。
ルドルフか、シービーか、はたまた外国馬か。
誰もが目を疑ったジャパンカップ。
10番人気の伏兵、世紀の大逃げ切り。
競馬に絶対は無い。


ギャロップダイナ

絶対なる皇帝に真っ向から挑み、レコード勝ちを喰らわせた馬がいるらしい。
重賞すら未勝利、既に33戦7勝、才能が枯れ始めてもおかしくないキャリア。
13番人気の影が、皇帝のさらに外からゴールへ飛び込む。
「あっと驚くギャロップダイナ!!」
実況の口走ったそのフレーズは、40年経っても日本競馬の語り草だ。
ちなみに秋川理事長の元ネタ、ノーザンテーストの代表産駒(子供)である。


1985世代(シリウスシンボリ世代)

ミホシンザン

神馬シンザンの生んだ最高傑作。
しかし彼は諸刃の剣を抱えていた。
シンザンとは対照的に体質がめちゃくちゃ弱く、走る度に怪我の不安と戦っていた。
なんとか体裁を保ちGI3勝はしたが、皇帝には子供扱いされた。


1986世代(タマモ世代の一個上)

ダイナガリバー

こちらもノーザンテーストの息子。
その大柄な馬体から、ガリバー旅行記の主人公より「ダイナガリバー」と名付けられた。
日本ダービーを勝利し、そのまま3歳で有馬記念を制覇。4歳になり骨折、調子が戻らず引退した。


メジロデュレン

メジロの馬なのに影が薄い。GI未勝のアルダン並に薄い。
理由は勝つ時と負ける時のムラが激しく、勝つ時はだいたい人気が低く波乱を起こしがちなため。
菊花賞と有馬記念を制しているが、有馬記念はデュレンの勝利より二冠馬サクラスターオーの故障の印象が大きいこと、有馬記念の後はタマモクロスに蹂躙され続けたことから評価がしづらい。
漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』では存在が抹消されているが、ブライトのように唐突に出てきてもおかしくはない。


1987世代(タマモクロスイナリワン世代)

サクラスターオー

悲劇の世代代表。
三冠を期待され、皐月賞も楽々制覇したが、靭帯炎で休養。それでも休養明けぶっつけで菊花賞を制覇する底力を見せつけ世代最強として輝いたが、前述の有馬記念で即死レベルの怪我を負う。
馬主の意向やファンの嘆願で闘病生活が始まるが、努力もむなしく、安楽死となった。


メリーナイス

悲劇の世代で唯一長生きした名馬。
スターオー不在のダービーを6馬身差で圧勝。
古馬になってからはさほど活躍できなかったものの、顔立ちの端麗さや力強い走りからファンも多い。
ちなみにシンデレラグレイ1話のダービーはこのダービーがモデル。
メリービューティーがメリーナイス、ルナスワローがサニースワロー(サニーブライアンの叔父)。


1988世代(オグリ世代)

ダイユウサク

アニメウマ娘ではダイサンゲンとして登場。
馬主の孫の名前から「コウサク」にするはずが誤認で「ユウサク」になってしまった。
産経大阪杯(GII)で2着になったりそこそこ活躍はしていたのだが、GIでは5着が最高成績、有馬記念となると人気になる訳もなく、15頭中14番人気に。
マックイーンとネイチャが激走する中、まさかダイユウサクが突き抜けると思った人はいなかっただろう。
しかもレコード勝ち。後にレコードを更新したのはタップダンスシチーを9馬身突き放したシンボリクリスエス。11年間も破られなかった
生まれつき体質が弱く力を発揮しきれなかっただけで、時代が違えばもっと勝てていたかもしれない。


1989世代(狭間の世代)

サンドピアリス

ハイセイコーの娘。馬名は「砂の貴婦人」の意。
当時はメジャーでなかったクラブ法人の馬で、ダート馬でありながらクラブの宣伝も兼ねて芝の重賞にちょこちょこ参戦していた。
エリザベス女王杯もその一環だったのだが、1番人気シャダイカグラが山場で競走中止し、有力馬が巻き込まれた。
そこで伸びてきたのが20番人気サンドピアリス。
複勝7670円、単勝43060円の大波乱となった。
なおその後は芝で走り続けた。砂の貴婦人とは。


1990世代(マックイーン世代)

ホワイトストーン

オグリ、マックイーンに続く芦毛のアイドルホース。
展開さえ合えば間違いなくGIを勝っていた馬で、菊花賞ではマックイーンの2着、ジャパンカップでは日本馬最先着の4着、「オグリ1着!!」の伝説の有馬記念でもりゃいあんと僅差の3着。
生涯の4勝のうち3勝がGIIである。


カミノクレッセ

前回紹介したタケシバオーの平成版。
芝ダート両用、1600〜3200までをこなせる。
1992年春の成績は、日経新春杯1着、阪神大賞典2着、天皇賞(春)2着、安田記念2着、宝塚記念2着。
これはもう0.5春古馬三冠と言ってもいいんじゃないだろうか。(よくないです)
メジロマックイーンにぶつかった影響で脚を怪我をした過去があってこの記録なので、万全の状態ならタケシバオーしてた可能性が高い。


1991世代(テイオー世代)

ヤマニンゼファー

ニホンピロウイナーの息子。
「そよ風、というには強烈すぎた。」のJRAキャッチコピーがかっこいいことで有名なGI3勝馬。
スプリンターズSでニシノフラワーのクビ差2着、安田記念連覇を経て、距離の壁を超え天皇賞(秋)に出走。マックイーン不在の中、ライス、ネイチャ、ターボが上位人気を占めるという分かりやすい主役不在ムードをかき消し見事に勝利した。


1992世代(ブルボンライス世代)

トロットサンダー

地方、浦和競馬場でデビュー。9戦8勝2着1回という驚異の成績で中央に転入。転入当初は惜しいレースが続いたが、後にその理由が判明する。
オープン戦を勝つと4番人気でマイルチャンピオンシップに挑み、勝利。その後も安田記念を勝利。色々あって引退。
成績を見返すと、1600mでは無敗。負けたレースは1800〜2000mが多い。
マイルでの強さから「雷帝」と呼ばれた。


レガシーワールド

気性が荒すぎて言う事を聞かなかったため去勢したらめちゃくちゃ強くなった馬。(気性面は治らなかった)
勝ったGIこそジャパンカップだけだが、全盛期は持ち前の豪脚で上位に食いこんでいた。
先日亡くなった。日本最高齢の存命GI馬だった。


1995世代(マヤノ世代)

ダンスパートナー

ダンスインザダーク&ムードの姉。
素質はあったがゲート難持ちで、とにかく出遅れていた。見かねた白井調教師がゲートに縛り付けて押し込むという荒療治をした結果、これがまさかの大成功。GI2勝馬になった。


アブクマポーロ

メイセイオペラの最大にして最強のライバル。
地方馬どころか中央の馬すら軽くひねる最強馬で、生涯成績は32戦23勝、2着3回3着3回。
大敗したのはオールカマー(芝)に出た時だけだった。
GIなら2着に平均2馬身、GII以下なら平均4馬身差を付けて勝っていた。


1996世代(エアグルーヴ世代)

フサイチコンコルド

「外から!!音速の末脚が炸裂するッ!!!!」
名実況でお馴染みの馬。
キャリア3戦目にしてダービーを制覇した快速馬。
ダービー勝利後は脚部不安に悩まされ数戦で引退したものの、種牡馬としてはブルーコンコルドとバランスオブゲームという激強ホースを2頭も出した。


ダンスインザダーク

そんなフサイチコンコルドに負かされた馬。
ダンスパートナー、ダンスインザムードと兄妹。
能力では頭一つ抜けていたが、運の無さで皐月賞に出られず、ダービーで2着。菊花賞でようやく勝ちを手にした矢先に屈腱炎。
種牡馬としてGI馬をすごい数出してる事からも、相当なポテンシャルを秘めた馬だったことがわかる。


ファビラスラフイン

言いにくい&覚えにくい&書きにくい馬名第1位。
でも(?)強かった。秋華賞にてエアグルーヴがフラッシュ事件で精彩を欠く中、1着でゴール。
続くジャパンカップでも外国馬相手に2着。
故障して3歳限りで引退したが、現役を続けていたら真っ当にエアグルーヴのライバルになってただろう。


1997世代(スズカステゴサニブタイキドーベル世代)

ブロードアピール

最強ではない。だが、最高の追い込み馬だ。
ダートは芝以上に逃げ/先行馬有利。
前めに付けた馬だけで上位が埋まることも多々ある。
そんな中、ブロードアピールはこの根岸ステークスで驚愕の末脚で魅せる。
上がり3F(最後の600m)を34秒3
36秒台が普通、35秒台後半でも速いとされるところを、猛烈な末脚で追い上げたのだ。
先日亡くなったが、彼女の威光は消えることなく語り継がれるだろう。
(ちなみに同レースに出てるベラミロードもかなりの名牝。暇なら調べてほしい)


1998世代(エルグラスペウンスキング世代)

ファレノプシス

キズナの姉。ナリブ&ビワハヤヒデのいとこ。
芝の牡馬(エルグラスペウンス)ばかり注目されがちな98世代の牝馬代表。二冠+エリザベス女王杯勝ち馬。
桜花賞馬は元来早熟馬が多く、古馬になってからGI級のレースを勝てた桜花賞馬はファレノプシスより前は1949世代のヤシマドオターまで遡らないといない。ほぼ初みたいなもん。


ウイングアロー

ミスターシービーの孫。
芝の牡馬ばかり(以下略)98世代ダート代表。
フェブラリーSを勝利した勢いで第1回ジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ)を制覇。
史上初の中央春秋ダートGI制覇を達成した。
ちなみにクロフネが圧勝したJDDの2着もこの馬。


1999世代(オペラオー&ドトウ世代)

トロットスター

アイネスフウジンの騎手が調教師をしていた馬。
トロットと言えばサンダーが有名すぎてスターは忘れられがち。
01年に高松宮とスプリンターズSを制覇。
スプリンターズSは大接戦となったがクビ差抜けて勝利。この時のタイムがサクラバクシンオーの世紀のレコードを上回った。
以降レコードは11年後のロードカナロアまで破られなかったし、それ以降もトロットスター超えのタイムで勝った馬はいない。大激走だった。


トゥザヴィクトリー

GI1勝だが希代の名牝。
牝馬で唯一テイエムオペラオーに先着した馬。
芝で走らせていたがGIでは勝ち切れず、ダートに路線変更しフェブラリーSで3着。
ウイングアローが体調不良で回避したドバイワールドカップの出走枠に滑り込む。そしてここで2着と大健闘。同レースで2着どころか5着以内になった牝馬はこの馬のみ。
今後もダートで行くのかと思いきや芝に帰還。
エリザベス女王杯で念願のGI勝利を果たした。
子供のトゥザグローリーも強い馬として有名。


2000世代(デジタル筆頭外国産大活躍世代)

エイシンプレストン

またの名を香港魔王
朝日杯を制したがその後勝てなくなり、もうダメかと思われた所香港(安住の地)で久々のGI制覇。
その後も事あるごとに香港遠征し香港GI3勝馬となった。
日本でもマイルCSでハナ差2着と善戦してはいた。


2001世代(タキオンカフェジャンポケクロフネ世代)

テイエムオーシャン

昔の競馬をwikiとかで調べる時にめんどくさいのが、2001年から馬の年齢の数え方が変わってる点。
むしろ今の方が自然なのだが、昔は年齢を数え年でカウントしていた。(弊noteでは現表記に統一してます)
この馬は2000年の阪神3歳牝馬S(現阪神JF)で勝利し、JRA賞最優秀3歳牝馬を受賞。2001年は二冠牝馬になり、JRA賞最優秀3歳牝馬を受賞。ややこしい。
マイル路線で強く、あと数年ヴィクトリアマイルが早く創設されていればもっと勝ててたかもしれない。


カルストンライトオ

日本の馬名は9文字までという規定があるので、カルストンライトオーにしたかったけど伸ばし棒を削った。(なんかもっとあっただろ他に)
1200m最強はサクラバクシンオーとロードカナロア、1600m最強はタイキシャトルとモーリスで意見が分かれるが、1000mなら満場一致でこの馬。
2002年のアイビスサマーダッシュは未だに芝1000m日本レコードで、最初の200mのラップタイムは9秒8。時速73km。走り出してすぐトップスピード。ボルトの2倍の速さ。
55kgの重り(騎手)背負ってこれなので、多分野生ならチーターからも逃げ切れるはず。


タイムパラドックス

重賞初制覇が6歳の1月とかなり遅めだったが、そこから猛烈な成長を遂げ年末にはアドマイヤドンと1着争いをするようになる。
その後不調になり引退したアドマイヤドンを尻目に、ダートのスーパーシルバーコレクターことシーキングザダイヤらと熱戦を繰り広げ、カネヒキリやヴァーミリアンらに世代交代を突き付けられながらも、引退レースとなった06年JBCクラシックで見事に勝利した。
(2着はやっぱりシーキングザダイヤだった)


2002世代(ファインボリクリデュランダル世代)

イングランディーレ

芝とダート両方で走れる馬で、どちらもGIIを勝ってるくらいには実力馬だった。
2004年、天皇賞(春)。
それでも上位人気は揺るぎなかった。二冠馬ネオユニヴァース、菊花賞馬ザッツザプレンティ、素質はGI級のリンカーン、後の秋古馬三冠馬ゼンノロブロイ。
イングランディーレの騎手はセイウンスカイで知られる逃げの名手横山典弘。大逃げで観客はどよめく。
垂れてくるだろうと構えていた四強は悠々とレースを進めていたが、一向に差は縮まらない。
結果、7馬身差で圧勝したイングランディーレ。
逃げ馬を侮るとこうなる。


2003世代(ロブロイ&スティル&ネオユニ世代)

ブルーコンコルド

フサイチコンコルドの息子。GI7勝馬。
元々芝で走ってて2歳GIIも勝ってたけど皐月賞で大敗してからダートに舵を切るも勝てない。
けど5歳になって急に覚醒。GIII2連勝からJBCスプリント制覇。以降は短距離〜マイルで活躍を見せた。
ヴァーミリアンらの台頭に押し出される形で引退となったが、GI7勝の輝きは褪せない。
引退後は種牡馬になれず乗馬になった。どうして…


2004世代(スイープメジャーハーツキンカメ世代)

コスモバルク

「地方競馬を活性化させたい」という馬主の意向で、中央で勝てるほどの素質があるのに北海道の道営競馬からデビュー。
結局日本のGIは勝てなかったものの、シンガポールで制覇。地方馬初の海外GI制覇となった。
騎手が色々あって叩かれたものの、しぶとく活躍し続けた名馬。


デルタブルース

ダンスインザダークの息子。過小評価名馬枠。
菊花賞、ステイヤーズステークスなどで勝ちを収めたステイヤーで、長距離GIの中でも格式高く、オーストラリアで最も人気のあるGIメルボルンカップで日本馬初の勝利を果たす大金星。
でも中距離での実績が皆無なため乗馬に。お陰でダンスインザダーク直系の血は壊滅寸前。オーストラリア最高峰GI覇者が引退後に馬術競技するって異様。


ダンスインザムード

ダンスパートナー、ダンスインザダークの兄妹。
GI2勝、GI2着4回。2着の時の勝ち馬がロブロイ、デュランダル、ダイワメジャーといかついメンバーなので、実力は相当なもの。
アメリカンオークスで2着。もし勝ってたらシーザリオと共に崇め讃えられてたはず。そういう惜しい所も含めてダンス一家。


アジュディミツオー

船橋競馬の英雄。ポストアブクマポーロ。
デビューから無敗で地方競馬最大の重賞、東京ダービーを制覇。年末には東京大賞典を勝ち一躍スターダムへ。
翌年は勝ちきれなかったが執念で東京大賞典を連覇すると全盛期突入。東京大賞典含め半年でGIを4勝
以降はヴァーミリアンらに苦しめられるが、地方代表として中央馬相手に奮闘し続けた。


2005世代(ディープ世代)

ラインクラフト

桜花賞→NHKマイルという変則ローテでマイル女王に上り詰めた馬。
その後も数々のGIで2着3着し、4歳にして古馬GI勝利は目前、ノースフライト以来の短距離女王降臨かと思われたが、急性心不全で夭折。
生きていればウオッカとの対決ももしかしたら見られたかもしれない。


トウカイトリック

エルコンドルパサーの息子。
通常の馬が5歳で現役引退するところを、この馬はなんと12歳まで走り続けた。
天皇賞(春)8年連続出走ステイヤーズS7回出走などとんでもない記録を残した。


2006世代(カワカミサムソンムーン世代)

キンシャサノキセキ

フジキセキの息子。なのにオーストラリア生まれ。
フジキセキはシャトルと言って、日本での種付けシーズンを終えてから季節が違う他の国でもっかい種付けさせていた。(モーリスもこれやってる)
その際に産まれたのがこの馬。で、日本に再輸入されて走った。
5歳にして頭角を現し、スプリントGI2戦連続2着。
6歳期は不調に終わるも7歳になり怒涛の連勝から高松宮記念を制覇。(スプリンターズSは2着)
8歳にして高松宮記念連覇。史上初の快挙となった。


マツリダゴッホ

ナカヤマフェスタと名前被る上にこっちの方が中山競馬場得意というややこしさ。
重賞6勝の全てが中山競馬場。典型的なスタミナタイプなので、東京のような一瞬のキレを要求される競馬場は苦手だった。
ダスカとメジャーの兄弟対決が期待される有馬記念で大波乱の1着。翌年は雪辱を晴らされた。


2007世代(ウオダスドリジャ世代)

クィーンスプマンテ

サクラユタカオーの孫、ジャングルポケットの息子。
レース映像を見てもらえば全てがわかる。こんなGIがあっていいのか。
共に大逃げを打ったのはテイエムプリキュア。名前のせいでめちゃくちゃ人気な馬だった。


2009世代(ブエナナカヤマジョーダン世代)

トランセンド

「限界を超える」を意味する馬名。名は体を表す。
4歳にしてGIを制すと、翌年のフェブラリーSも続けて勝利。ドバイワールドカップにヴィクトワールピサ、ブエナビスタと共に招待される。
序盤から積極的に先陣を切り、最後まで粘って粘って2着。1着はヴィクトワールピサ。
共に走り抜けた頂点。限界を超えた先に待っていたのはこれ以上ない絶景だった。


2010世代(フラッシュピサアパパネ世代)

ローズキングダム

競馬に於いて血統とは非常に重要なものだ。
ブライアン、ハヤヒデ、ファレノプシス、キズナが親戚であるように、強い一族はとことん強い。
名牝ローザネイから続く家系は「薔薇一族」と呼ばれ、薔薇の名を冠する馬が続々と勝ち進んでいった。
中でも最も輝かしい成績で走り抜けたのがローズキングダム。
重賞を勝ててもGIだけは勝てなかった一族の悲願を朝日杯で成し遂げ、以降も奮戦し続けた。


2011世代(オルフェカナロア最強世代)

レーヴディソール

逆にこちらは血に苦しめられた馬。
レーヴドスカーの呪い」というものがある。
レーヴドスカーが産んだ子達はみな重賞クラスの強い馬ばかりだが、体質が絶望的に弱く病死か故障を繰り返すというものだった。
そんな中生まれたレーヴディソールは父がアグネスタキオン。タキオン産駒も体質が強くなく、能力の高さに耐えられず故障する馬が多かった。(ダスカを除く)
そんな父と母の子なんだから向かう未来は見えていた。
阪神JFをムチを使わず完勝すると、チューリップ賞でもご覧の走り。三冠はもちろん期待されたが、右脚を骨折し休養。復帰後は全盛期の面影はなく、未勝のまま再び故障、引退となった。


2012世代(今世紀最強世代)

ストレイトガール

フジキセキの娘。タイキシャトルの孫。
無名だった苦労人がひょんなことから栄光を手にする。そんな話を人々はシンデレラストーリーと呼ぶ。
競走馬界にシンデレラがいるのなら、それはきっとストレイトガールのことだろう。
5歳でGI3着を繰り返すも勝てず。6歳も現役を続行し。ここでヴィクトリアマイルとスプリンターズSを制覇。かなり遅咲き。
そしてなんと翌年も現役を続行し、7歳にしてヴィクトリアマイルをレコード勝ちした。
なかなか勝てなかった2〜3歳の頃。6〜7歳で大団円。最高のシンデレラストーリーじゃないだろうか。


ハクサンムーン

父アドマイヤムーン、母の父サクラバクシンオー。
走りより回りが有名な馬。
これでもセントウルS(GII)を逃げ切り、世界のロードカナロアの連勝を止めたことがある。
騎手が乗る位置を調整したいから旋回してるとか、調子がいい時ほどよく回るとか様々な噂が流れている。


2013世代(キズナ&エピファネイア世代)

メイショウマンボ

グラスワンダーの孫。
桜花賞を獲り逃したもののオークスと秋華賞で連勝し、エリザベス女王杯で牝馬の頂点に立つ。
しかしその後は全く走らなくなる。
全盛期とその後の凋落っぷりを比較すると悲しくなる馬。


2014世代(モーリス世代)

ゴールドアクター

スタッフ二名で経営している牧場からGI馬が生まれたらしい」なんて言われても普通は信じない。
しかしこのゴールドアクター、紛れもなくそんな小さな牧場から生まれたGI馬である。
元々障害GIに出す予定で産ませたが、とりあえず平地へ。すると3歳で青葉賞4着、菊花賞3着。平地で走らせ続けることに。
その後は晩成型らしい成長を見せ、4歳で見事に有馬記念を制覇。実力でゴールドシップやキタサンブラックらを抑え勝利した。


サウンズオブアース

そんな有馬記念で2着だったのがこの馬。
ネオユニヴァースの息子。
最強の2勝馬」と呼ばれ、30戦2勝ながらGI〜GIIで7回も2着になったことにより4億6700万円も稼いだ。
現在は乗馬として余生を謳歌している。


2015世代(キタサンVSドゥラメンテ世代)

リアルスティール

ひたすらに生まれた時代が悪かった馬。
サトノクラウンは弥生賞、リアルスティールは共同通信杯を制し、今年のクラシックはこの2頭で決まりかと思われていたところをドゥラメンテとかいう怪物がかっさらっていき、ストレートで二冠馬に。
ドゥラメンテ故障後もキタサンが覇権を握ったため、サトノクラウンとリアルスティールは国外に逃げるしかなかった。
その結果、リアステはドバイターフ、クラウンは香港ヴァーズで頂点に立ち、その実力を見せつけた。


レッツゴードンキ

父はキンカメ、母の父はマーベラスサンデー。
肩書きだけで言えばただの桜花賞馬だが、相当なドラマと熱狂の中にいた馬だった。
2歳時は重賞未勝利、今度こそで挑んだ桜花賞。
実に30年振りの桜花賞逃げ切り勝ち
しかしそこから1年は敗北を繰り返し、スプリントGIIIで調子を戻すも、本番のGIでは9着。
半ば賭けで出てみたJBCレディースでまさかの2着。
ここから一気に調子を取り戻す。が…
高松宮記念、スプリンターズS、連続2着。
翌年の高松宮記念も2着、他のGIも微妙な成績に終わる。その後も戦い続けたものの、短距離女王グランアレグリアの誕生を後ろで眺めながら引退となった。
7歳まで走り続け、重賞で掲示板にしぶとく入り続けた名馬だった。


ノンコノユメ

タキオンの孫。馬名は母の名前「ノンコ」から。
ジャパンダートダービーを勝つなど活躍していたものの、GI2着を繰り返し勝ち切れない日々が続く。
これを気性の荒さのせいだと考えた陣営はノンコを去勢させたが、逆効果。2着にすら入れなくなった。
去勢された馬は血を残せないため、元を取るまで走り続けるしかない。走らなくなったら見捨てられる。
成績不振で最終的にJRAを離れ、地方の厩舎に入るとめちゃくちゃ成績が良くなる。6戦連続3着以内に入り、今年の帝王賞でも9歳ながら2着に入った。
血統、評価以上に、馬と厩舎との相性って大事だと改めて思う。


2016世代(クラシック激アツ世代)

マカヒキ

ディープの息子。
「三冠馬クラスが3頭いる」とすら言われたハイレベル世代で見事ダービー馬の座に輝いた馬。
ダービーを勝ったあと、「この馬なら」ということで凱旋門賞へ。前哨戦のニエル賞勝利後、凱旋門賞ではディープ、オルフェーヴル以来の日本馬1番人気。
しかしまさかの14着。ここで歯車が狂う。
以降、馬が変わったように全く走らなくなってしまったのだ。ちなみに翌年サトノダイヤモンドも全く同じ轍を踏んで引退した。
それでも馬主は走らせ続けた。一部では「虐待だ」「馬が可哀想」などの声もあったが、馬体は変わっていない。実際、GIでもちょこちょこいい順位に入ってきてはいた。
しかしもう8歳。さすがに限界だろうと思われていた、2021年10月10日。京都大賞典。
ニエル賞以来5年振りの勝利
信じる者に奇跡は起こる。そんなレースだった。


ミッキーロケット

和田竜二。テイエムオペラオーの主戦騎手として活躍した彼は、オペラオーで制した春の天皇賞以降、中央GIを1つも勝てないでいた。
武豊が乗ってたらもっと勝ててたなどと批判されていた若手の頃の和田とは見違えるほどスキルは向上し、毎年GIIくらいは勝てるもののGIには届かない現状。
「GIを勝てたらオペラオーに逢いに行く」
その約束もむなしく、オペラオーは天に召されてしまった。
それから1ヶ月後、宝塚記念。
「オペラオーが後押ししてくれた」
勝利ジョッキー、和田竜二はそう語った。


ヴィブロス

名牝ハルーワスウィートの子。
ハルーワスウィートは生まれつき尻尾が無く(それ以外は至って普通。見た目ほど支障はない)、競馬ファンの間で密かに人気になっていた。
そんなハルーワスウィートに惚れていたのがメジャーリーガー、大魔神佐々木。彼はハルーワの産駒を毎年買った。子供に尻尾の異常は遺伝せず、それどころか優秀な馬が生まれまくった。
最初のGI馬はジェンティルドンナのライバル、ヴィルシーナ。そして2頭目がシュヴァルグラン、3頭目がヴィブロスだった。

ヴィブロスはヴィルシーナと違い、強敵不在だった秋華賞を制覇。なんとその勢いで異国の地・ドバイでもGIを勝ってしまう。
以降は勝ち星に恵まれなかったものの、海外GIでは全て連対(2着以内)と、驚異的な強さを発揮した。
ちなみに名前に“ヴ”が付いてるのは、ヴの付く馬は強そうっていうイメージからだそう。ヴ教。


ラニ

砂のゴルシ。この一言で全て説明付くようになっちゃったからウマ娘は偉大。
当時3歳、まだオープン戦も勝ててなかったのに勝機を見出した陣営はドバイへの遠征を決意。
UAEダービー(GIIだけど賞金はGI級)にて日本馬初の勝利を収め、日本馬初のアメリカダート三冠への挑戦を決意する。結局勝てはしなかったが最後の三冠目で3着とかなり善戦した。
なお担当調教師の松永幹夫さんは元騎手で、現上皇陛下が見守られる中、天皇賞(秋)をラニの母ヘヴンリーロマンスで制覇している。ドラマティックすぎる。


シルバーステート

コントレイルの騎手でおなじみ福永祐一先生曰く「今まで乗った中で一番強い馬」。
出たレース全てムチを入れることなく勝利。
しかしレーヴディソール並に脚が弱く、故障で引退。
今年から子供が走り始めており、既に連戦連勝の馬もちらほら。これからに期待がかかる。


2017世代(リスグラシュー世代)

レイデオロ

キングカメハメハの息子でシンボリクリスエスの孫。
サンデーサイレンスという馬をご存知だろうか。
日本競馬はサンデーの血があらずんば馬に非ずな状態で、過去10年のダービー馬は全てサンデーサイレンスの血が入っている。レイデオロを除いて。

(あんま詳しくない方はこれ読んでみて)


いつもGII青葉賞からダービーに挑ませ、ロブロイやボリクリといった名馬でもダービーを勝てずに終わっていた藤沢和雄調教師。青葉賞勝ち馬はダービーで勝てないというジンクスがあった。
レイデオロはホープフルSを勝利し、皐月賞5着。しかし驚異的な末脚を見せ、ダービーでは2番人気に。対して1番人気は青葉賞勝ち馬アドミラブルだった。
結果はレイデオロの勝利。過去のジンクスは破れずとも、藤沢調教師、ルメール騎手はダービー初制覇。
「黄金の王」を意味する馬名に相応しい大金星となった。


アルアイン

ディープの息子。シャフリヤールの兄。
デアリングタクトの騎手、松山弘平に初のGIタイトルを捧げた馬。レース映像は途中で途切れているが、ここから歓声に包まれて下馬してインタビュー受けるまですごいガッツポーズしたり感極まったりしていた。
馬はとにかく2000m前後で強く、弟のシャフリヤールとはまた違った性質をしている。


モズアスコット

アグネスデジタル2世。
父はヨーロッパ最強馬フランケル。
芝で才覚を現し、連勝から安田記念を制覇。
その後戦績に陰りが見えるとダートに転向。わずか2戦でGIを勝ってしまう。
フェブラリーS→高松宮記念で勝てたら伝説だったがそんな器用なことができるはずもなく大敗。
以降も善戦したが引退となった。


ウインブライト

ステイゴールドの息子。香港魔王2世
中山競馬場◎でやたらと中山の重賞を勝っていたが、その流れで香港に行かせるとここも勝利。
3回遠征して2勝3連対の好成績だった。
騎手は勝利ジョッキーインタビューで「チョリース」とか言っちゃうタイプの陽キャ芸人松岡正海だったが、香港ではペラッペラの英語を披露しそのギャップも話題になった。


ディアドラ

スペシャルウィークの孫。
秋華賞を制覇し、以降も海外で好成績を残したため、エルコンドルパサー以来となる長期遠征を実行。
オーストラリアGIナッソーステークスを制覇した。
やはり日本の競馬と海外競馬は違うようで、遠征後は走り方が変わっていたという。


2018世代(最強牝馬世代)

ワグネリアン

ブロードアピールの孫。
我らが福永祐一先生をダービー初制覇へ導いた名馬。
このシリーズで紹介した馬で言うとキングヘイロー、シーザリオ、エピファネイア、ジャスタウェイなどに騎乗していた先生。
それでもダービーは勝てず、半ば諦めの境地にいた。
しかし、19回目の挑戦。培った経験が先生を導いた。
2chに有名なコピペがある。

キングヘイロー「落ち着いていけよ」
ワールドエース「人気でも気負うなよ」
エピファネイア「仕掛けは早まるなよ」
リアルスティール「距離不安でも前目につけろよ」
福永祐一「わかった」

両手に余るほど乗った名馬たちが先生の背中を押し、万感のダービー制覇を成し遂げたのだ。
その後、先生はダービー制覇による落ち着きが生まれ、今までが嘘のように覚醒。一気に日本人で一番上手いジョッキーになった。
なおワグネリアンは喉鳴りの手術で声帯を失った上にボロ負けが続いている。蘇れ…お前はマカヒキになるんだ…
(追記:胆石による多臓器不全で亡くなりました。どうか安らかに。)


グローリーヴェイズ

メジロラモーヌとメジロライアンの血が入った馬。
モーリスと共に、解散したメジロ牧場の意思を継ぎ活躍している。
GIの挑戦回数はそんなに多くないながら香港ヴァーズを2度も勝利している。
香港競馬場巧者のため、再びのGI制覇も夢ではない。


メールドグラース

ルーラーシップの息子。過小評価されてる名馬。
全然勝てなかったのが4歳になり急に覚醒。
怒涛の5連勝でオーストラリアGI、コーフィールドCを勝利してしまう。
欲が出てしまった陣営はメルボルンCにも出走させたが、レース後に屈腱炎発覚で引退となった。
日本では種牡馬になれず、競馬後進国トルコで血を繋いでいる。先日亡くなったドゥラメンテと近い血統のため、余計に喪失が惜しい。


エタリオウ

ステイゴールドの息子にして最強の1勝馬
青葉賞、神戸新聞杯、菊花賞、日経賞で2着、ダービー、天皇賞(春)で4着。
未勝利戦1勝しかしてないのに2億円ホース。
長く走り続ける予定が脚の腫れとかもあったので引退。乗馬として余生を過ごすはずが種牡馬入り。
つまり1勝馬の子供がターフを駆けることになった。
ファンも多かったので大反響だった模様。


サラキア

ディープの娘。サリオス、サリエラの姉。
3歳時は善戦するも勝ち切れず、4歳時は嘘みたいに勝てなくなった。5歳になりようやく成長期が終わったからか、夏を過ぎ急に覚醒。
GIIIで大敗してた馬が、有馬記念でクロノジェネシスに肉薄したのだ。
しかし、クラブの規定(ここらへんは調べてほしい)により5歳での引退が決まっており、実力がわからないまま繁殖牝馬になった。絶対GI勝ててた。


ルヴァンスレーヴ

父シンボリクリスエス、母の父ネオユニヴァース。
能力が高すぎて差し、追込、先行、どれでも勝てた。
デビューからGI4連勝でBCクラシック(ダート版凱旋門賞)も視野に調整されていたが、左前脚を故障してからは調子を取り戻せず引退。
名前(風立ちぬ)の通り風のように吹き去った。


チュウワウィザード

父キングカメハメハ、母の父デュランダル。
GI7戦3勝、最低着順4着と非凡な成績はしていたものの、まだ国内にも互角のライバルがいる状況。
だがあえてチュウワは海外に挑んだ。
結果、ダート最高峰のドバイワールドカップで2着。
DWCで連対(2着以内に入着)した日本馬はトゥザヴィクトリー、ヴィクトワールピサ、トランセンド以来四頭目となった。


オメガパフューム

母の父がゴールドアリュール。
ようやく世間に見つかった名馬。
史上初の東京大賞典四連覇を達成。
東京大賞典は地方競馬唯一の国際GIなので、国際GI四連覇は日本馬初の快挙どころか、ダートGI四連覇は世界初の歴史的偉業。
直線の長い大井競馬場で異常に強く、8戦4勝2着3回(2着時の勝ち馬はルヴァンとクリソ、着外の時は大波乱があった)と安定している。
未だ現役続行。どこまで勝ち星を増やせるか期待。


2019世代(牝馬三強世代)

アドマイヤマーズ

ベガ、ムーン、ジュピタに続く天体系GI馬。
ダイワメジャーの息子。
朝日杯でグランアレグリア相手に余裕で勝ち切るとNHKマイルも勝ち、香港マイルへ。
前走富士ステークスで大敗したのが嘘のように快勝。
3歳で海外GIを制した日本馬はシーザリオ以来15年振り2頭目、香港マイルを3歳馬が制したのは28年振り、国際重賞になってからは初のことだった。
早熟なダイワメジャー産駒の傾向が出て4歳時は勝てず引退したが、3戦連続3着と底力は見せ付けた。


サートゥルナーリア

父ロードカナロア、母シーザリオ。(母父スペ)
三冠を期待されたほどの風格と実力を持ち合わせていたが、ダービーで4着になった以降は伸び悩み、種牡馬価値を見込んで早めに引退。
期待値が高すぎただけで普通に強い馬。


ダノンキングリー

父ディープ、母父ストームキャットのニックス(黄金配合)。
ラッキーライラックなどのGI馬相手にGIIを勝ち切る強さを持ちながら本番は勝てず、天皇賞(秋)で謎の大敗、以降長期休養。
終わったと思われたが安田記念で復帰。鞍上がグランアレグリアを上手くブロックし、執念の粘り勝ち。
前走最下位の馬がGI勝利は初の記録らしい。
その後も善戦していたが、今後を考え種牡馬入り。


カジノフォンテン

フリオーソ以来の地方馬古馬王道ダートGI制覇を果たした名馬。
父は海外GII勝ち馬カジノドライヴ、母は川崎記念制覇に惜しくも届かなかったジーナフォンテン。
川崎記念を見事逃げ切り、その後かしわ記念も勝利。地方馬では恐らくアジュディミツオー以来となるGI2連勝を果たした。船橋所属の地方馬は強い。


2020世代(無敗三冠世代)

レイパパレ

ウイニングチケットの玄孫。
史上初、無敗のまま古馬になりGIに初挑戦し勝利した馬。
重馬場で強く、2000m以下で真価を発揮する。
誤解されがちだが、レイデオロとは何の関係もない。


ショウナンナデシコ

人呼んで「マルシュロレーヌの再来」。
オルフェーヴルの子にして、またしてもダートで走る馬が現れた。
これまで数々の名牝たちが挑戦してきて勝てなかったかしわ記念を逃げ切り、目指す先は海外か国内最強か。これからに期待がかかる。


2021世代(実力馬集結世代)

シュネルマイスター

ドイツ🇩🇪生産馬。
3歳春から古馬と戦いを重ね善戦を繰り返し、毎日王冠では爆発的な末脚で春のマイル王を撃破。グランアレグリアの引退レースでも2着。
今後のマイル戦線を牽引していく存在であることは間違いない。


ピクシーナイト

モーリスの息子。名前で勘違うけど牡馬。
グラスワンダー→スクリーンヒーロー→モーリス→ピクシーナイトで4世代父子GI制覇(史上初)。
香港スプリントにて落馬事故に巻き込まれ、奇跡的に無事に戻ってきたが、復帰出来るかは微妙な状況。引退しても種牡馬として大活躍すること間違いなしなので、これからがどう転んだとしても見守っていきたい。


あとがき

楽しんでいただけたでしょうか。
サクサクっと見て参りましたが、正直言うとまだまだ足りません。
かなり後になるかとは思いますが、このへんも抑えておくとより競馬が楽しくなるよって馬も入れてYouTubeの再生リストとか作れたらいいですね。
リストアップした馬で紹介できてないやつ30頭は超すので本数すごいことになりそうだけど。

引き続き僕のnoteを見てくれる方はフォローしていただいたり♥押していただけると励みになります。
もちろん見てくださるだけで嬉しいんで、そういうの気が引けるって方も末永くよろしくお願いします。

それではまた。


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