渡り鳥たちに空は見えない

NGT48の曲「渡り鳥たちに空は見えない」。

NGT48は、1stシングルのときからずっと好きで、つらいときも悲しいときもNGTのおかげでなんとか乗り越えたくらいです。まぁもちろんとある事件当時にはかなりしんどかったししばらく触らないようにしていたが結局大好きで離れなかった。

本シングルの半年前にグループ初のアルバムが発売され、神推しの中井りかちゃんがWセンターを務めていて曲調もダンスも服もPVも全部大好きで(PV後半のりかちゃんと春花ちゃんの美しさがエグすぎた)、「渡り鳥」を最初ラジオ解禁で聞いた時点正直そんなにインパクトがなかったです。良曲だけどまぁこういうシステムのアイドル曲やな、と思った。この後のPV解禁でも、あゝひなたんすごいな〜みんな顔がいい〜としか感想がなかった。

衝撃を受けたのは、劇場初披露のとき。

そりゃPVでももちろんダンスを写したけどパフォーマンス良すぎん??「しそうでしないキス」でも一番好きだったのは朱鷺を表現する?部分?(と私が感じ取った)けど今回その延長線というか進化形じゃないの?ひなたんのクラシックバレエ能力を最大限に活用したこの「羽ばたく鳥」の表現が大変美しくてとても心を打たれている。

けど今回語りたいのは、歌詞です。

最初気にしていなかった歌詞をなぜがパフォーマンスを見ながら急に心に来ていた。素晴らしい。
私がNGT48を好きになった頃は、ちょうど社会人に踏み出す段階だった。そこで希望溢れていて全力で輝いている彼女たちの動画を慣れない就活と仕事生活の狭間でただ観ていた。後ほど一人で日本に行き、異国の地で一人暮しを支えてくれたのも、彼女たちでした。地元が田舎でチャンスが少ない中、土が恋しいけど飛び出せざるを得ない。もうアラサーだけど時には迷う私にとっては、ぴったりしすぎてどうしようかわかんないくらい歌詞でした。

行ったり来たりしてるのは
飛び出した街と憧れた街
窓の景色は変わらない
眺める自分だけが変わった

地元がマジで何も変わらない。そこに安心感があって不安もある。帰るたびに思った。この曲の歌詞は、決して「夢を追い続く決意」だけじゃないだ。若い頃の夢のカタチは、「何になりたい」のが多いかも知れないが、気づいたら「少なくても今の自分より良くなりたい」になっている。そんな夢、そんな目標に定めた形がなく、どこが着地点でもわからず、ただ進むしかない。忙しき時に気迷い日常と時間が止まる地元の間に往復する私は、渡り鳥なんなのだ。

故に、若い子には別の意味を捉えるかも知れないが、私にとってこの歌は、頑張っても道迷う大人への応援曲なんだ。応援、というのもはしゃぎすぎるかも知れないが。せめて、「こういうこともあるよ、わかる。キミ一人の問題じゃないだ。」そういう、歌でした。

大都会東京との関係性。これは、新潟を拠点にしている、NGTしかできない歌だと思ってる。