貴方が好きです。

月が綺麗ですね
貴方が言った最後の告白。僕こと東山拓利はそのことばを無視するように
そうだな
と言ってしまった。
貴方はその後は何も話さずに無言のまま寝室へ行ってしまった。
僕は意味が分からずに眠ってしまった事を後で後悔するんだ。
次の日、貴方の寝室に行けば、物が無かった。
僕は貴方を捜すのに近所を捜した。
公園、ゲームセンター、商店街、貴方と2人で行った映画館、展望台等を。
それでも見つからない。携帯に電話しても通じない、LINEをしても既読がつかない、どこを捜しても貴方は居なかった。
僕は諦めることなく、毎日まいにち、一ヶ月経っても捜し続けて、僕はヘトヘトになっていた。
こんなにも貴方がいないと僕はなにも出来ないことを悟った。
そして、1年後…
僕は街中でみてしまった。
貴方が綺麗な女性と、貴方によく似た男の子と女性によく似た女の子と楽しそうに笑って歩いている所を。
僕はその時には悟ったのだ。貴方はあの言葉をその女性に言い、女性と付き合い、僕とは一生できない家系をもち、幸せになったのだと。
「智秋さん、僕は貴方が大好きで愛していました。いい家族に巡りあえて良かったですね。お幸せに」
僕はその言葉を智秋さんに呟いて、泣きながら次の恋を探しに行くのだ。