【製図】車椅子使用者用駐車場と移動等円滑化経路
↓の駐車場の計画をご覧ください.車椅子使用者用駐車場という名称をKPと表記されている方がたまにいます.一級建築士製図試験では,表現力(=カッコよさでなく,正確に情報を伝える力)が合否に直結します.特に,名称は正確に表記しましょう.また,↓の車路幅は,駐車スペースの奥行き以上の寸法を確保しましょう.折角,駐車スペースの奥行きを確保しても,車路幅が狭ければ,車を駐車できません.実際に,車の運転されているとお分かりになると思います.車路幅の狭い,駐車場に車を駐車させる生地獄を.
次に,減点されてしまう事例を紹介します.
↓はピロティ駐車場ですが,車路幅が3.6mしかありません.これでは,駐車できません.車路幅は,駐車スペースの奥行き寸法以上,確保する癖をつけてください.
次に,車椅子使用者用駐車場の幅ですが,有効で3.5m以上,必要です.↓の答案だと,南側に柱型(800×800)があるため,0.4m(400mm)分,柱型で駐車場の有効幅が削られます.さらに,北側には,植栽スペースのようなものがあり,この部分(0.5m分)を除くと,有効幅は3.1mしか確保できてなく,バリアフリー法違反で失格(ランク4)となります.
また,↑のプランでは,移動等円滑化経路(=車椅子用駐車場からエントランスまでの経路)が矢印で表記されてません.この課題は,コミュニティセンターであるため,移動等円滑化経路を矢印で明確に表現してください.
製図試験の合格に値する知識と技能をアナタが身につけていること,答案を通じて,正確に,そして,確実に,採点者を伝えましょう.
建物の内部プランにばかり気をとられていると,外構(=アプローチや駐車場,駐輪場,広場などの屋外施設)の計画がカツカツになったり,使い勝手が成立してない計画になってしまいます.外構を無理なく,かつ,ムダなく,適正に寸法を確保できるウツワを求めてから,ウツワ内の内部プランの検討に入りましょう.それもこの試験で合格するためのセンスです.
以上
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