【学科】旧浪合村立浪合学校+浪合フォーラム
前回からの続きです.
平成7年の一級建築士「学科」試験で問われた知識です.
【解説】
「浪合村[現在の阿智村]立浪合学校(湯澤建築設計研究所,1988,長野県阿智村〔旧浪合村〕)」は,計画当初は敷地の中央に本館や公民館,その手前に小学校,東側には中学校が配置され,西側に隣接する保育園とあわせて一体的に建築された.本館と小学校,中学校とは,空中廊下で連結されており,そこはハシロウカ(走廊下)と名づけられていた.画像は↓
過疎化が進行する地域において,「地域全体が村民すべての浪合学校」という理念のもと,村の教育や文化活動の中心施設となっていた.
しかしながら,過疎化が進み,2006年(平成18年)には阿智村に編入され,浪合村という名称は廃止となった.浪合中学校も別の中学校に併合され,公民館機能も移転し,今は,小学校と保育園だけが残った.
【解答】○
6年後,徒歩5分くらい場所に,浪合フォーラム(中村勉総合計画事務所,1994,長野県阿智村〔旧浪合村〕)が10年近くもの設計者と村民との対話を経て,新築された.
北側の広場を囲むように,西側に村役場,南側に公民館(多目的ホール,図書館などがあり,「浪合コア」と呼ばれる),東側に健康福祉施設(診療所,デイサービスセンターがあり,「えんばな」と呼ばれる)がU字型に配されている.
平成14年の一級建築士「学科」試験で問われた知識です.
【解説】
この問題のフォーカスポイント(一問一答式で解答が×となる際の「決め手」となるキーワード/動画解説(You Tube)はコチラ)は2つ.一つは,福祉施設.これは,文化施設の間違い.
もう一つがデイケアセンター.これは,公民館の間違い.近くに新築された浪合フォーラムがこの村の福祉活動の中心施設となっているが,デイケアセンター(医師により医療ケアを受ける通所リハビリテーション施設)でなく,デイサービスセンター(医師による医療ケアはない,通所介護施設[入浴,食事,機能訓練,レクリエーション]).
デイケアとデーサービスの違いについては,コチラ.
なので,浪合学校と浪合フォーラムをごっちゃにした出題となっています.
【解答】×
平成18年の一級建築士「学科」試験で問われた知識です.
【解説】
浪合学校は,中央に位置する本館に保育園・小学校・中学校共用のランチルーム・音楽室・図書館・職員室がある.ランチルームには音楽室を隣接させ,プロセニアムアーチのあるオーディトリウム機能(観客席と舞台のある劇場型機能)をもたせ,地域の人々の利用も可能としている.
【解答】○
続く
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