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【製図】スラブを下げた際の小梁と大梁

植栽のための客土などにより,スラブを下げると,小梁も下がり,それを支えるための大梁も下がります.これは,令和元年に出題された「美術館の分館」において,実際に製図本試験で出題された構造的知識です.

理解できてない受講生が多いので,解説しておきます.

↓は,2023年(令和5年)ウラ指導前半戦第3課題Bについて,061番さんの答案です.どこに問題があるのか一瞬で見抜けますでしょうか?

添削結果は↓

スラブを支える小梁を架けた際,小梁の下端は,その小梁を支える大梁の下端よりも上になければなりません.そのため,元の状態だと大梁のはりせいが足りません.600の小梁を支えるには,900でなく,1300必要になります.ちなみに,防水の抑えコンクリートの厚みは100あれば十分なので,大梁のはりせいは1200で済みます.↓がウラ指導の模範解答例です.

床スラブは客土の重量に配慮して,200でなく,250にしてあります

尚,↑の模範解答例の中央にあるPC梁は,大梁でなく,柱と柱で支持するため,PC梁の下端が大梁の下端より下がっていても,納まります.ただし,小梁は,大梁と大梁で支持するため,配筋などの関係上,小梁の下端を大梁の下端を下げることは出来ません.つまり,↓図で言うと,大梁の下端を青い点線部分まで下げねばなりません.

大梁(緑),小梁(薄緑),スラブ(オレンジ)の関係

以上のような基本的な構造的知識を前半戦(7月の課題発表日まで)のうちにしっかりとマスターしておきましょう.それが,ライバル達と差をつけるコツです.


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