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【製図】道路斜線の後退距離における庇などの緩和規定

道路斜線の検討において,庇などを無視できる緩和規定があります.

次の3つの条件を満たすポーチ(地上出入口上部の庇等)の場合,後退距離の算定においては無視できます(令和4年の標準解答例①,②参照).
①.道路境界線から1m以上,庇等の先端が離れている.
②.高さ5m以下.
③.前面道路に面する長さが,敷地の前面道路に接する部分の長さの1/5以下(庇等が複数ある場合は,その合計が接道長さの1/5以下).

上記の緩和規定を適用する場合は,庇(GL+5m以下)幅◯m以下等と記載しておくことが望ましい.尚,バルコニー等は,緩和の対象とはならない.(令和4年「事務所ビル」標準解答例①,②の2階庇部分参照).

尚,受験生の答案を添削していると,↓図のように,奥行き2mの大きな庇のみ緩和規定の適用を採用している答案が目につきます.この場合,西側の奥行き1mの小さな庇も含めて,その合算の長さ(=9.6m)が前面道路に接する部分の長さ(50m)の1/5以下であることを表記してください.

例/
北側庇2か所(ともにGL+5m以下)、幅2.6+7=9.6 ≦ 10m

きっちり,↑のように表記しましょう(令和4年「事務所ビル」標準解答例①参照)
↑のプランの場合,2.6m幅の庇が計算式に含まれてないので減点となる(場合によっては失格)

【注意】
上記の緩和規定を適用しているにも関わらず,図面上に何も表現されてない答案の場合は,道路境界線からの最小後退距離は庇の先端までとなります.緩和規定を適用し,庇を無視し,柱の外面までを最小後退距離としたいのであれば,必ず,上記の緩和規定を適用している旨を表記してください.

✅ポイント
・↑の話がよく分からなければ,この緩和規定は使わない.
 常に,庇などの先端から道路斜線における後退距離を考える.
・道路斜線を間違ったら一発アウト.
・庇を設けずに雨天時に傘をたためるスペースを確保するのもお薦め↓

↑のように前面道路に面する風除室の前をピロティ状にすれば,庇は不要
前面道路に面する通用口の場合も↑図のように建物内へ引っ込ませれば庇は不要

以上

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