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【製図】合格者たちの上手な勉強法_齊藤さん編

令和3年一級建築士「製図」試験 合格者インタビューにご協力頂いた,齊藤さん( 後半戦受講生 参加No.2006,ユープラ参加No.005)の勉強法は下記の通りです.

■ 過去問題研究講座の活用方法
●受講生限定の解説動画を視聴
●過去問(5年分)を分析
・エスキス(条件整理まで)
・模範解答例、標準解答例①②のAPZ6丸と立体ゾーニング(ウツワとKUを出す)
→試験元が求めていたこと、どこを割り切っているか、使い勝手をふまえたグルーピング、 計画の要点(採点ポイント)が図面の表現でどうなっているか等々を書きだしました。

上記がどのように本試験に役に立ったかは、これ!というのは断言出来ないのですが、これさえやればOKという事で はない概念があるように、自分に足りない読解力や、マイノリティとなる思考の癖などを矯正するのに役に立ったの かなと思っています。

■ 国語力開発講座の活用方法
『アプローチ→ゾーニング→コアの仮置き→廊下を通す→ボリュームが生まれる』この一連の流れを繰り返してやっと腹落ちしました。(やっと笑)

国語力は、あくまでも、パターンを知る訓練ということだなと今は思っています。 (一番最初は何をやってるのか全然わからなかった笑) パターンを知るということは、マイノリティを防ぐ(ぶっ飛んだコアの配置をしない等)、建築常識というものを理解 する(管理ゾーンの配置の王道を知る・W廊下は気持ち悪い等々)事に繋がっているなと思いました。

私のように何をしてるのかわからないという方は、一度、テキスト「製図試験のウラ指導(学芸出版社)」のフリープランニングの文章通りにやってみる ということを試してください

☆これは先生方にご指導いただいた事です。テキストのイラストを隠して、文章通りにやってみる。それを繰り返しやっていくうちに、なんか腹落ちします笑 そして気付きます。

書籍中のイラストを隠して,自分で描きだしてみる

なーんだ素直にやれと言 われていたことをやってなかっただけだったかも笑 って。素直にまず真似る。今まで聞いたことあってもやれてな かったなぁと、学びました。

課題発表後は、もちろん自分でも国語力をやってみるのですが、で?といったかんじでパターンが全然出てきません でした笑 ですので、他の受講生のプランを見る、という事をしました。上手だなぁと思う方の番号をピックアップ し、その方の他通信課題のプランも見るようにして、参考にさせていただきました。

■ 通信添削課題の活用方法
●タイムタック(TA)
後半課題は、有志で集まり全てタイムアタック(=制限時間内に解く)→ディスカッションを行いました。 最初の2課題は、集合住宅という課題の大枠がわからないままタイムアタックしてもと思い、前日に1回解き(エスキ スのみ・時間管理無し)タイムアタックに挑みました。次の週には次の課題が出るので、後半戦は解く回数にこだわらず進めました。

ただし、タイムアタック→動画解説視聴(不明な箇所の思考なぞり)→ときなおし という進め方をし、各所不明なところは、随時、受講生仲間に聞いたりしながら進めました。

●計画の要点の強化
先生からの添削で、計画の要点を強化するようにずっと言われてきました。私はどうしても喋り言葉になってしまったり、一般的な語彙力が無く、いざという時に、単語が出てこず、自分の言葉で書いてしまう笑 先生方からのアドバイスもあり、過去問や各課題の、計画の要点の模写をしました。同じものを最低2回。過去問は、 用途の近いものや、パッシブや構造の事などジャンル毎に、今年出てもおかしくないなと思うものを模写するように しました。 これは、もっと早い段階からしておいたら良かったなと唯一思うことです。せっかちなので笑、学科の時から初めてい ても良かったかもとすら思っております。というくらい、ロジカルな言い回しや、定型文、課題特有のものがあり、そ れらは模写することで自分の中にインプットされていく事を感じれたので、私のように計画の要点に自信が無い方は、 模写をすることはかなりおすすめでございます。

■ 本番での心構え
●減点は出来ないであろうという視点(チェックの徹底) ・エスキス3時間10分 ・エスキスCHK5分 ・要点記述 40分 作図中に戻ったりのしながらのCHK有り ・作図時間 2時間30分 ・作図CHK 5分 上記は私の本番でのタイムスケジュールです。私は本番でエスキスにものすごく時間が掛かりました。
これは、住戸数 ミニマムか、1つでも増やしたほうがいいのか、この2つがどうしても決めきれなかったからです。どっちかに決めて 進むもギリギリまで2つの案をいったりきたりしました。これは練習課題では一度もそんな状況になったことは無く、 今年初めての問題の出され方(~以上)と、主文にある賃貸という文言から、1つでも増やさないといけないのでは!? と完全にペースが崩れてしまいました。ただギリギリまで粘れるという最悪パターンの時間管理を想定していたこと (作図は最低最悪の状況で最短2時間で書けるという自分の中のデータ)を信じ、ギリギリの時間まで粘りました。 結果、ミニマム案を選択し進むのですが、その際に決め手としたのは、減点は出来ない(だろううな)という方を選択 しました。 ~以上だから、最低でも要求室の条件は満たしている、留意事項や計画の要点から構造の架構計画が採点ポイント高 そうだな→極力成形に近い方が良い、道路斜線も余裕はないけど当たってない!等々の、求められていることは、最低限クリアしてます。と自信をもって言える方を選択しました。

●諦めない・周りを見ない(周りの図面を見ない)
本番は何があるかわかんない。いつもは出来ることが出来ない。計画の要点の前にいつも行ってたトイレも行けなか ったし、チョコレートも飲み物にも一切手に触れずでした。 どんなに準備していても、想定外の事は起こるもので、エスキスで決めきれず焦っていく中、正直、諦めそうになった し、周りの人のプランを見そうになりました。 前二人の方は、2時間ちょっとで作図が始まるし(まじか)、隣の方は途中泣き出すし(わかるで!)、そして私は、え・ どっち?やばいやばい決めきれん!やばいやばいやばいいいいい!!! その時、私の頭の中では、え、これでまた落ちたら学科からやでーーーまたあの苦しいのするん!? 合格して、田舎に住むんじゃないの!?自分———!!!!ってなった瞬間に、ちょっと待てと。別に落ちてもいいや ん。また頑張ればいいやん。田舎で勉強するのもありかもよ?逆にリラックス出来ていいかもよ?と思い、一旦落ち着 くことが出来ました。笑 そして、他の方のプランを見たら、そっちに引っ張られることになりそうやなと思い、自分 に集中しました。 これは、自分の中の意地?というかあえてここに書くのも、結果論だからこそ、どやってかんじで書くのですが← 作図も時間ギリギリやなぁと焦る中、断面図、どこを切るか問題の浮上。。。 自分より周りの人は作図に時間を使えているという事は雰囲気でわかったので、ここで作図が楽なところを切ったら、 ただでさえいつもより汚い図面になっているのに、手を抜いた感が目立ってしまう!と思い、室の少ない方を切らず に、頑張って書きました。このことは全然合格とは関係ないとは思います。ただ、作図に自信があったことと、少しで も土俵にのりたい!という思い、採点する方にこの思い届けー!というもはや精神論の世界で進みました。笑 どちらにせよ、最後まで諦めない!という強い思いがそうさせたし、結果として、諦めなくて良かったなと思います。

■ 後進の受験者の皆さまへのアドバイス
私がこの試験と向き合ってとても重要だったと思う事5点です。どこか参考になれば幸いです。

① 自分と向き合うこと 私はこの1年、自分自身と凄く向き合ったと思います。この試験は、自分自身との闘いだなと思います。 周りは周り。自分は自分。自分と向き合うということは、自分の現状をまず知ることだと思います。 思考の癖、モチベーションの波、体調のこと等々から、作図スピード、自分に足りていない知識等々、試験に直接関係 ないようで実は繋がっている自分自身というものに、塾メンバー内で話したり、先生方にもアドバイスをいただきな がら、内観し続けたと思います。

② SNSとの付き合い方 上記の内観していく中で、前半戦は自力に集中したいと思い、塾メンバーとのZOOMも前回よりは少なく進めていま した。また、GW頃から、SNS(ツイッターとインスタ)を見るのを辞めました。 これは時間の確保と、さまざま情報が気になってしまう自分への対策でした。私はいい意味では素直だし←悪い意味 では影響されやすいところがあります。ミーハーな所もあるので何か情報を見たら、気になっちゃう♪笑 ※次頁に続く 3 ウラ指導 製図講習会 簡単に手に入る情報だからこそ、自分の現状をアップデートさせるための情報だけを得たいのに、それらをうまく仕 訳できる自信が無かったからです。 SNSの特性上、SNSの情報はどうしても強い情報が入ってきやすいです。 例えば、○○○枚書いて合格しましたー!○○だけやって合格しましたー!などなど。 それを見て、自分と比較し上がるも下がるもその人次第ですが、これさえやればいいんだー!といったマインドにな りやすいのかなと今となっては思います。自分自身と向き合い、他と比べるのではなく、自分のすべき事に集中する。 私は、自分の性格上、SNSを辞めて良かったと思っています。

③ 習慣化の力は、まじぱない *勉強の習慣化 勉強時間を確保し、それを習慣化することが出来た1年でした。コロナ禍で、幸い!?集中しやすい環境だったのもあ りがたかったです。朝、昼、晩と、移動時間で、勉強時間を確保しました。もちろん、体調を崩したりして1日寝る日 や、勉強が出来ない時もありましたが、まぁそんな日もあるよねってかんじで、出来なかったことを責めず、次やれば いいやってかんじで進めていきました。ご飯とお風呂の時だけ、アマプラとユーチューブOKってしていたので、そこらへんも習慣化しちゃいました。
*チェックの習慣化 新しくなったエスキスは、チェック項目が組み込まれたものであり、たとえ時間が掛かってもチェックさえしっかり 出来れば、土俵に乗れる!という自信がもてるエスキスでした。試験前の1週間は、私はさまざまな課題を解きまし た。そのころには、書きながらCHKしているという体感がありました。これは、本番、時間ギリギリながらもチェッ クしながら進めれたのは、試験前の1週間の追い込みも良かったのかなと思います。 図面のCHKに関しては、先生方が添削されるやり方で自分の図面をCHKするという事を課題毎にやっており、それも とても良かったと思います。本番は、本当にギリギリで、というか足りなかったです。でも、死守しなければいけない 部分は確実に書けた!(チェックできた!)と思っていました。

④ 『素直に』 国語力のところでも書きましたが、どこかで、自分は他の人とは違う(皆と違うことで認められたい欲求w)、読めば わかる等々(カンがいい人と思われたい欲求ww)、そもそもで素直に学習するという姿勢が欠けていたのかもしれな いなぁと、結果論ですが、今となっては思います。 塾の始めのころに、先生方が、なんで皆の添削図面は模範解答にならないんだろう・・・とおっしゃた事があり、あの 言葉は、私の中でなるほど!と、そだそだ、この試験、王道を目指す試験だった!自分をアピールする試験じゃなかっ た!と気づかされました。笑 自分の謎の認められたい欲求を無意識に出していたなと。。。 やれと言われたことを素直にやってみること。 うまくできないなぁとか、わからなかったら、一度、そっくりそのまま真似ること。 我が強く、思想も強く、マイノリティな私にとって、このことはすごく重要だったなと思います。

⑤ 仲間がいること(皆愛してる!) 今だからこそ言えるのですが、どの資格学校に行こうが、どこの通信に選ぼうが、どこに行っても同じだと思います。 私は1年目は資格学校に行きました。高い費用のわりに、質問したことに対しての回答がふんわりしていた事などか ら不合格後にウラ指導に進みました。ただ今思うのは、1年目にこれまでに書いてきたようにちゃんと素直に学習出 来ていたかというと、そうではありませんでした。どこか受け身の姿勢で勉強をしていたなと。。。極端に言いますが、 これさえやればいい(出された課題を解けばいい)とどこか思っていたと思います。 私は受験仲間と勉強できた事がすごく良かったと思っています。同じ意気込みで同じ目標を持つ仲間がいるということは、製図試験においてはとても重要でした。

学科と違って、教科書に答えがのっているものではな いので、わからない事がすぐ聞ける、不安なことを聞いてもらってアドバイスをもらえる、それらは、とても心強い事であり、モチベーションを保てたのも受験仲間のおかげだと思います! 今は特に、SNSでのさまざまなコミュニティで、同じバイブスの人たちと繋がりやすいと思います。自分に合った方 法で、ともに頑張る仲間を得るということは、製図試験においてはとても大切だと思っています。 最後に、自分を信じて、自信をもって、素直に、焦らず、一つづつやっていくこと。これらは今後もどんな事にも言え るなぁと思うので、私も引き続き、製図試験で得たこのマインドを大切に皆さんと一緒に頑張っていきたいです。
以上

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