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【日本建築史】金閣寺

前回からの続きです.
時代は,鎌倉時代から室町時代へと変わります.この流れについては,↓のYouTube動画がメッチャわかりやすいです.ラジオ代りにお聴きください.

室町時代(1336~1573年/約235年間)とは?
足利尊氏が室町幕府を樹立.住宅建築に変化をもたらす書院造り(しょいんづくり/今の和室の原型)が成立する.書院造りについてはコチラ.書院造りは,一般には,床の間などのある座敷のことだが,厳密には武家住宅の建物全体の様式(角柱を用いる,檜(ひのき)材を使う等といったガッチガチのルール)のことをいう.ただし,その定義は,今でも曖昧.

室町時代の最盛期は,3代将軍の足利義満.中国との貿易で莫大な富を生み出し,政治では天皇勢力(=朝廷勢力)を封じ込め,武家勢力による政権を確立させた.一方で,朝廷文化と武家文化との融合も図り,一つの名作建築を誕生させる.それが金閣寺です.

「金閣寺(鹿苑寺金閣/ろくおんじきんかく)」についは,平成19年の一級建築士「学科」試験にも出題されています.

【計画科目/問題コード19242】
鹿苑寺金閣(京都市)は,方形造り舎利殿で,最上層を禅宗様仏堂風,二層を和様仏堂風,初層を住宅風とした三層の建築物である.

【解説】
問題文の記述の通り.初層(1階部分)は,貴族文化の象徴である「寝殿造り風の住宅」となっている.その上層(2階部分)に仏教建築において日本独自の進化をとげていった和様仏堂風の空間がある.これは,貴族よりも仏教の地位が高いことを示している.さらに,最上層(3階部分)には,禅宗様仏堂風の空間がのる.これは,仏教の頂点が武家好みの禅宗であることを示している.このように,貴族よりも仏教の権威があり,その仏教の頂点が禅宗であることを具現化した建築物となっていると覚えておけば,少なくも一級建築士「学科」試験では点数を稼げます.

【解答】○
 続く

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