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【日本建築史】仏教伝来からの日本建築

前回からの続きです.仏教の伝来とともに,寺社建築のスキルが大陸から輸入されます.

どうなる?,日本建築!

◆歴史背景
1.飛鳥時代(538~710年/約170年間)
538年頃に仏教伝来.寺院建築が始まる(世界最古の木造建築は,法隆寺).聖徳太子の時代.
2.奈良時代(710~794年/約84年間)
奈良の平城京に都が置かれた時代.仏教をはじめ,大陸の文化・技術に影響を受けた天平文化が栄え,益々,寺院建築が広がる.ただし,地震や日照り,天然痘などのはやり病,貴族達の反乱などで国が乱れる.そこで,聖武天皇は,不安定な世を仏教の力で救おうと,鎮護国家の象徴として平城京に東大寺大仏殿(743年)を建築.その他,古事記,日本書記,万葉集など既存最古の史書,文学が登場した時代.
3.平安時代(794~1192年/約390年間)
奈良時代末期には,仏教が腐敗する.仏教ブームにあやかり,悪僧達が増え,政治を混乱させていく.そこで,京都の平安京に都を遷都し(=腐敗した奈良の平城京を捨て),仏教勢力を政治の世界から追い出す.この時代の初期は,唐風文化が開花するが,中期以降は,日本独自の文化(国風文化)が芽生え,貴族たちの住居形式である神殿造りも登場.最澄(努力型の秀才タイプ/天台宗の開祖/比叡山延暦寺)や空海(天才型のカリスマタイプ/真言宗の開祖/高野山金剛峰寺(こんごうぶじ))により密教も伝来.
密教とは,経典ではなく,師匠から弟子へ口伝えで奥義が教えられる仏教で,仏にすがるだけでなく,修業を重ねることで自然界の様々なモノ・ゴトをより良い方向へ動かしていける可能性があるという教え.特に,空海は,祈祷(きとう)により疫病を止めたりしている.つまり,不思議な力(超能力のようなもの)が宿ると信じられていた.そのため,密教は,天皇や貴族から大変な人気を集めた.また,国家のための仏教(国家安全)から民衆のための仏教(民衆救済)へと仏教の在り方も変わっていく(全体から個へ).

時間のある方は,上記の話をザックリと理解した上で,コチラの解説動画(Youtube)をご覧ください.日本史を理解してから日本建築を学んだ方が面白く勉強できますので.建築実務における建築デザインの判断根拠を日本建築史における美的価値観から引き出せるようになると建築という仕事は格段に面白くなっていきますので.
続く

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