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【学科】武蔵野プレイス

前回の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館は,駅前「美術館」でした.今回,ご紹介する武蔵野プレイスは,まさに,駅前「図書館」です.この施設も,駅の高架化に伴い駅周辺が再整備されることで誕生しました.その点も共通点ですね.まだ,一級建築士「学科」試験には出題されておりませんが,いつ出題されてもおかしくない作品なのでこの機会にストーリーを知っておいてください.製図試験にも役立つ話なので.


Google Earthより

まずは,コチラのYou Tube動画(約5分)をご覧ください.1.5倍速で構いません.

武蔵野プレイス(東京都武蔵野市,2011年,kw+hgアーキテクツ)は,武蔵境駅前に建つ,図書館・生涯学習・市民活動支援・青少年活動支援などの機能を併せ持った複合機能施設.「ルーム」と呼ばれる曲面の壁と天井によるシェル状のユニットが連続する構成となっている.

武蔵野プレイスのHPより

本施設の4つの機能(図書館,生涯学習,市民活動支援,青少年活動支援)は,いったん,数十個の「ルーム(=人の居心地を重視し,丸みを帯びた緩やかな曲線で構成)」に割り振られ,吹抜け空間とともに立体的に組み上げられている.

そういった「ルーム」のつながりを重視し,廊下を排除することで人々の活動が自然に混じり合い,新たな発見とアクティビティの創出を目指している.従来の機能別ゾーニングの考えではなく,人の居場所を計画するという手法が採用されている.各階プランはコチラ

従来の図書館では感じることのないにぎやかとさえ感じる空間が廊下を介さずに連続する.1階エントランス中央にカフェ,周囲に検索用端末と本棚があり,カフェでは様々な雑誌が用意され,美味しいコーヒーを飲みながら読書を楽しめる.地下では,青少年(中高生)のためのラウンジがあり,お菓子を食べたり,宿題をしたり,雑談できる.

この施設では,様々な世代の来館者一人ひとりがその時々にふさわしい居場所を見つけて過ごす.本来,公共施設である図書館が,最大の娯楽施設,集客施設として機能しており,あらためて市民から愛される公共建築のあり方を示している.
2016年に日本建築学会賞を受賞.

復習を兼ねて↓のYou Tube動画をご視聴ください.1.5倍速で十分です.

↓の10周年記念のYou Tube動画も感動的です.

続く

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