セカンドワイン-ワイン王国2022 March
「ワイン王国」の最新号がボルドーのセカンドワインの特集で、なかなか興味深く、試してみたいなと思ったのでした。
一部のワイン生産地域、とくに高級ワインの生産地においては、それぞれのブランドの顔となるワイン(ファースト)と、一段格の落ちる葡萄や樽を使って生産したワイン(セカンド)を出していたりします。
たとえば「失楽園」(古)でみなさんご存知のシャトー・マルゴーはファーストワインで、セカンドワインとして「パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー」が生産されています。値段は数倍の差があります。
特集によれば、近年のボルドーでは、必ずしもセカンドはファーストの格落ちというわけではなく、オーセンティックであることが求められるファーストではできないようなチャレンジや、独自のスタイルを追求するためのラベルになっているみたいです。
ボルドーの格付けワインはやっぱりそれなりの料理と飲みたい、となると、ボトルの小売価格の数倍の予算を組んで……と必然的に高額になってしまうので、そんなときにシャトーのテロワールを楽しめるセカンドワインというのは大変良い選択肢なのだと思います。小売で1万以下のワインならレストランでも頼みやすいです。
コスパから言えば酒屋で買って家で飲むのがいちばんいいのですが、「誰と」「どこで」「何を飲んだか」でワインの美味さが決まる、というのが私の信条なので、やはりレストランで飲んでナンボだなとも思うのです。以前プリムールの試飲会に行った時は十数種類の格付けワインを飲みましたが、あれが良い体験だったかというと……私の未熟さもあると思いますが、よくわかりませんでした。
一方、たとえばマレーシアのペナンに仕事で行った時に帰りに足を運んだRestraurant Blancでサーブされたシャトー・ダルマイヤック、たいへん記憶に残っていたりします。帰国の日を一日勘違いしていて、予約日を間違えてきたお一人様という最悪の顧客にもしっかりサービスしてもらい、メートルとの会話も弾みました。ダルマイヤックは格付けの中では安価な部類ですが、私のなかではもっとも価値のあった一本ですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?