見出し画像

中学受験ありやなしや

 ワクチンの3回目を打って39度の熱が出て倒れておりました。

 起き上がれないので寝ながらYoutubeを見ておりましたらNewsPicksの対談をお薦めされました。

 茂木健一郎が中学受験否定派、一方の肯定派は進学塾を経営している富永雄輔さんと言う方です。

 アハ体験おじさんこと茂木さんは、もともと論客としては非常に残念な感じなのは周知の通りで、ディベートとしては富永さんが圧勝。茂木さん自称脳科学者なのですから、感覚論ではなくもうちょっとデータに基づいたりしっかりしたロジックでお話いただきたいものです。

 とはいえ私個人の経歴としてはどちらかというと茂木さんタイプで、田舎出身で幼稚園から大学まで全て国公立でしたので、彼の語る、自然のなかで好きなことを勉強するとか、公立校におけるダイバーシティみたいなものは体験してまいりました。

 だから、なんというんでしょうか、彼の教育に対するロマンティシズムは理解できるのです。あんまり共感はしないんですけど、おそらく彼の心底にある地方の素朴なエリート主義みたいなものがよくわかる。でも、それが悪いとは言いませんが、すくなくとも彼が気にする「世界の教育のトレンド」とはかなりかけ離れた古臭い思想です。

 いずれにせよ、「教育」というテーマは、どのパースペクティブで語るかによってその特性が大きく異なると思っていて、個人レベルで見ると「理念」や「思想」こそ重要で、人生哲学や思想の領域です。

 一方マクロレベルでは社会政策であり科学であるべきで、大テーマとしての教育はきちんとした統計や社会実験、アカデミックな研究を基盤としないと何の価値もない。

 そういう意味では、この議論は人生論レベルの話なので、本当はどっちが勝ちっていう問題でもないんですよね。

 私自身は、中学受験は……賛成派で立論するほうがやりやすそうですね。中等教育にしろ高等教育にしろ、より優れた教育は私立によって行われるほうが自然で、公教育は国民の識字率や教育水準の維持向上を目的とするのが良いだろうと思うためであります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?