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【IVS BootCamp Shiga】IVS2023京都と連動し、起業家とVCの強化合宿を実施

こんにちは。
Upstream BootCamp事務局の上原晶です。

スタートアップ経営者やベンチャーキャピタルの有志で開催する勉強会合宿イベント「Upstream BootCamp」は6月27-28日、京都で開催される日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS」と連携し、滋賀県守山市にて「IVS BootCamp Shiga」を実施しました。

多様な事業領域のスタートアップ経営者約20名と、ベンチャー投資事業に携わるキャピタリストや先輩経営者約20名が参加し、2×2のチームに分かれて2日間でビジネスアイディアを仕上げました。
最終日のピッチ大会にて優秀な発表を行ったチームには、「IVS BootCamp Shigaグランプリ」及び、協力自治体である守山市による「守山市長賞」が授与されました。

ピッチコンテスト後の集合写真

IVS BootCamp Shiga テーマは「デカコーン or Die」

今回のブラッシュアップテーマは「デカコーン or Die」。
実際に提供している事業(チーム内のスタートアップ2社のうちどちらかが運営しているもの)でデカコーンを目指す場合どのようなプランになるかを考えました。

昨今のスタートアップ界においては生成AIやクリプト、メタバースのような新たな成長領域が出現しているものの、全体としてはある種の課題出尽くし感が漂い、テーマの小粒化が進んでいます。

一方で高金利の市場感からベンチャーキャピタルファンドの調達難度が上昇し、同時により蓋然性の高い投資リターンが見込めるスタートアップ一社に巨大な資本が投下される流れが生じています。
時価総額1兆円規模への成長を狙えるテーマ・チーム・ビジネスモデルを有する企業に投資や政府支援が集中することは、日本の国力高揚に資するともいえます。

参加するすべての経営者と投資家が、デカコーンを本気で狙うための戦略を考える2日間を通し、より視野を広く視座を高くする機会になったのではないかと考えています。

IVS BootCamp Shiga イベントの流れ

6月27日(1日目)
11:00 滋賀県守山駅集合
11:30~12:00 琵琶湖マリオットホテルにて昼食
13:00~14:00 オープニング・参加起業家全員によるピッチ
14:00~16:00 起業家とVCの1on1メンタリングタイム(20分×4組)
16:00 チーム分け発表
16:30~18:00 グループフリータイム・ディスカッション
18:00~21:00 夕食会
21:00~ グループフリータイム・ディスカッション

6月28日(2日目)
8:00~9:00 朝食
9:00~13:00 グループフリータイム・ディスカッション、昼食
13:00~15:00 各チームのブラッシュアップピッチ
15:00~15:30 表彰式
15:30 解散
16:00 バスで京都のIVSイベント会場へ移動

食事などを通して参加者同士の親睦を深めつつ、起業家2人×投資家2人のチームアップ後のフリータイムでは、テーマに沿った真剣な議論が交わされました。

1日目夕食会の様子

ピッチコンテストの結果

以下、ブラッシュアップ後のピッチコンテストでの発表内容を紹介します。

IVS BootCamp Shigaグランプリ:Eチーム「必要な時に必要な専門家をスポットで活用することができる、メディカルHRプラットフォーム」

 ・株式会社オールアバウト 加藤寛人氏
 ・株式会社xCare 福永将氏
 ・株式会社StartPass 小原聖誉氏
 ・株式会社CONNECT 大川裕輝氏

Eチームのビジネスアイディアは、株式会社xCareの事業を元にデカコーンを目指すならどうするかの戦略を考えた内容。
医薬品・医療機器産業における開発費は、世界で10兆円の規模があるといわれている。その巨大市場でシェアを獲得するために着目したのが。医療業界のエキスパート人材の活用である。

新薬の研究開発プロセスは非常に長い年月を要し、その各段階で必要とされる人材の専門性はフェーズ毎に大きく異なる。臨床/非臨床開発やQMS、知財やライセンシング、マーケティング等、幅広い分野それぞれに特化したエキスパート人材が必要とされる。

現在の医療業界では基本的にフルタイムの正規雇用が多いが、医薬品開発の成功確率は3万分の1に過ぎず、開発成果の不振が続けば大規模な人員削減が実施されることもしばしばだ。
そもそもフルタイム雇用が向いていないビジネスモデルであり、必要な時に必要な専門人材を柔軟に採用可能なマッチングプラットフォームを普及させることで、個人が最も得意な分野で活躍し続けられると考えられる。

業界平均年収1,000万円の医療業界の人材マッチングとマネジメントシステムで、日米欧の人材と企業の囲い込みにチャレンジしデカコーンを目指す戦略の実現に期待したい。

IVS BootCamp Shigaグランプリを受賞したEチームと審査員の原田氏

守山市長賞:Fチーム「宿泊者の体験動画から予約するグローバルOTA」

 ・株式会社ジェネシア・ベンチャーズ 水谷航己氏
 ・SOCIALPORT株式会社 齋藤英一氏
 ・エンジェル投資家 宮本邦久氏
 ・合同会社JOYCLE 小柳裕太郎氏

Fチームのビジネスアイディアは、SOCIALPORT株式会社の事業を元に考えられた。
時価総額12兆円のBooking.comを超えるデカコーンを目指すとする当チームは、従来のOTAの「得られる情報が限定的」で「提供される情報内容が薄い」という課題の解決に取り組む戦略を示した。

既存のOTAでは施設の宣材写真や文字情報しか得ることができないのに対し、このアイディアでは宿泊者自身の体験動画というリッチコンテンツによって旅行先や施設がレコメンドされ、宿泊予約につながる。
宿泊者は自分が制作した体験動画を通じて予約が入った場合にレベニューシェアを得ることができ、自ら積極的に動画投稿を行うという仕組みだ。

守山市の宿泊事業者に訪日インバウンドの旅行者を誘客する実証実験の提案が評価され、守山市長賞が授与された。今後の実際の取り組みの進展に期待したい。

守山市長賞を受賞したFチームと審査員の森中市長

惜しくも受賞を逃したチームの発表内容

今回用意された賞はわずか2つで、惜しくも受賞には至らなかったグループが多くなってしまいましたが、素晴らしいブラッシュアップ内容を発表してくれた他チームの内容をご紹介します。

・Aチーム「エンタメ映像IPとファンダムテックプラットフォーム」
 ・アニマルスピリッツ 朝倉祐介氏
 ・プライマルキャピタル 佐々木浩史氏
 ・Polace株式会社 兒島雅偉氏

・Bチーム「超高速マッチングをベースとしたスキルセットの可視化と人材マッチングビジネス」
 ・ココナラスキルパートナーズ 南章行氏
 ・Saiエンターテイメント株式会社 山口宇博氏
 ・オリックス・キャピタル株式会社 田中正人氏
 ・株式会社Spir 大山晋輔氏

・Cチーム「社会インフラメンテナンス業務のデジタル化」
 ・株式会社キープレイヤーズ 高野秀敏氏
 ・株式会社ナオセル 岸悟志氏
 ・株式会社 コロプラネクスト 中島徹也氏
 ・DAC-NOTE株式会社 岡辺スバル雅之氏

・Dチーム「特許データLLMでイノベーションのハードルを下げる」
 ・MIRAISE 布田隆介氏
 ・Amplified AI, Inc. サムエル・デイビス氏
 ・株式会社ディープコア 澤崎萌氏
 ・FastLabel株式会社 上田英介氏

・Gチーム「脱・生きづらい社会を目指すオンラインカウンセリングプラットフォーム」
 ・鳥居キャピタル合同会社 鳥居佑輝氏
 ・株式会社remental 佐藤利音氏
 ・株式会社Adlib Tech Ventures 戸祭陽介氏
 ・株式会社キャリアブリッジ 石川靖氏

・Hチーム「現実空間を高精度かつ早くスキャンできるアプリ」
 ・株式会社スタートトゥデイ(MZ Web3 Fund) 中山淳二氏
 ・nat Inc. Bruce Liu氏
 ・New Commerce Ventures株式会社 松山馨太氏
 ・Auto VR株式会社 吉田博紀氏

・Iチーム「動画を活用してコミュニケーションを構造化し、フィードバック・評価の自動化」
 ・株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ 雨宮大地氏
 ・Co-Growth株式会社 佐々木文平氏
 ・ソニーベンチャーズ 鈴木大祐氏
 ・株式会社イメジン 松木友範氏

Upstream BootCampとは?


Upstream BootCamp集合写真

Upstream BootCampとは、2022年に守山市にて開催された起業家×VCの合宿イベントです。
Upstream BootCampは、「起業家が平等に機会を手にできる社会」というビジョンを描き、「オンライン時代の濃い起業家コミュニティの形成と資本市場接続機会の提供」をミッションとしています。
2022年は株式会社マイネット会長の上原仁氏が発起人・代表として、守山市・立命館大学・滋賀レイクスターズと連携して事業を遂行しました。
2023年も引き続き、上原仁氏を代表として守山市及び滋賀県内外の事業者と提携し、地方ならではの非日常感を活かした密な起業家・VCコミュニティの形成や、地方起業家の東京資本市場への接続のための事業を行ってまいります。

2022年度実施レポート
事業をWeb3化したらどうなる?ーー琵琶湖で起業家・VC50名が合宿「Upstream BootCamp(UBC)」成果を披露

次なる企画にご期待ください!!

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