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ピアノの先生の選び方

基本は、相性!だと思う。

相性が良いのか、悪いのか?まずは相手がいないことには始まらない。そこで「先生選びの十箇条」をピックアップしてみました。もちろん、違うご意見もあるでしょうけれど、私目線で考えてみましたので、参考にしていただけると嬉しいです。

私の場合、先生については父の選択に任せきりでしたが、この度、娘の先生を探すのに意外と苦労した(今も現在進行中)ことから、教える立場の側からと、親の立場から、私だったらココを見る!という観点でモノを言ってます。

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娘はただいま中学二年生、日本では中学一年生の3学期という時期。父が他界したので、娘と愛犬を夫にまかせてトロントを後にしたのが今年の3月。6ヶ月の間、私は父が残したものを整理するため、母の暮らしを整えるために日本で過ごしました。

その間に娘の反抗期は更に悪化したのです。

彼女は(前からですが)ピアノの練習にも身が入らず、私が戻った頃はちょうどメイクに夢中な時期。練習も私の時代は片手にマンガでしたが、娘は譜面台に鏡を置いて練習している。側で吠える親の私は、メイク反対運動なのか、練習をサボっているので怒っているのか、自分でも区別がつかないくらい野獣化してました(なぜ化粧品を買い与えたのかは割愛)。

呆れた私の「そんなに嫌ならやめてしまえ!」の言葉に「ハイ、やめます!」と娘はあっさりと言って退け、これまで私がどんなに吠えてもやめるとは言わなかったのですが、、、。恐るべし反抗期。

諦めの悪い私は「他所の先生に習い、ピアノを続けるのはどうだろう?」と夫に説得してもらうことにしました。しばらくしたら、娘から継続OKの許可が降りたので先生を探すことになりました。

もともと、親子で楽しいピアノレッスンなど上手く機能しないことは既に父と娘(私)で実験済みです。私は「父からされて嫌だったこと」をそのまま自分の娘にしていました。それを制御できない自分との戦いに疲れ、ストレスを抱え気味となっていて、親子関係の悪化を防ぐためにも、いっそ他人にお任せしたほうが良いのでは?という流れでそうなりました。

最初は近所でも緩いと評判の伴奏仲間に声掛けし、トライアルレッスンの予約を入れました。ピアノを続けてもらうには緩くて優しい先生!という思惑あっての行動です。それを娘に伝えると「緩い先生より厳しい先生のほうが良い」というまさかの希望で、せっかく入れたトライアル予約を受ける前にキャンセルをする羽目になりました。

その後、専門性の高い生徒を好んで教えるという、やはり伴奏仲間のW氏に半ば強引にお願いしてレッスン枠を取っていただきました。この場合、知り合いであり、他にもウェイティングがいたにもかかわらず枠を取ってもらった理由から、「ずっと前から決めてました」も同然のトライアルを受けたのです。

終わったあとは、手土産と用意しておいた月謝を前払いで支払い、意思表示を済ませました。このトライアルレッスンで既に「失敗した!」と悟りましたが、ここは同業者同士、私も礼儀はわきまえたかったので。


先生選びの十箇条

1  指導者の「演奏」と「指導」は必ずしもリンクするわけではない。
2  良し悪しがわからなければ出身校、コンクール歴を参考にすべし。
3  「安かろう=悪かろう」なので月謝が安い場所を渡り歩くべからず。
4  法外な値段の場合、理由を考えるべし(納得できれば良し)。
5  生徒の数に騙されるな。
6  幼児だからと適当にとりあえずの先生を選んではいけない。
7  師弟(親)関係であっても相思相愛が理想。
8  わからなければ、その道のプロに聞け。
9  WEBサイトに騙されるな。
10 全ての感覚を研ぎ澄ませ「違和感」を見極めるべし。


1、「巨人軍の長嶋選手は名監督ではありませんでした」ということでも説明がつくように、教える技術と演奏の技術は別物です。名演奏者が必ずしも名指導者というわけではありません。逆もまた然り。

2、音楽大学やコンクールにもレベルがあり、また、どんな先生を師事していたかも参考になります。

3、中には安くて良い先生もいらっしゃるかもしれませんが、宝くじを当てるようなものです。

4、法外な値段には理由がありますので理由を見極めましょう。ただし、音楽大学講師も自宅でレッスン生徒を募っていますし、留学、コンクール歴が素晴らしい先生はレッスン料が高額になるのは当然で、その場合は法外と言いません。ピアノと関係のないビジネスの匂いがしたら、法外を疑う必要があります。

5、生徒の数=優秀な先生というわけではありません。優秀な先生は少人数に絞っている場合もありますし(他で教鞭を取っていたり、演奏活動で多忙を究めるため)、それとは別にロケーション(駅や学校の近く)が良かったり、宣伝が上手で多くの生徒を獲得している先生もいます。グレード取得に特化した先生はグレード取得のために課題曲以外は教えない人もいます。生徒が多いも、少ないも、まずは理由を探りましょう。

6、幼児の場合、本人が本格的に志すことになったら良い先生を探すという方がいらっしゃいますが、優秀な先生へと移ってから「基礎からきちんとやり直しましょう」と駄目だしを受けることも。初歩から基本をしっかり仕込んでくれる先生を探すことは、いずれ子供の財産となります。始まりは本気でなかったにせよ、基礎を叩き込んでくれる先生のところへ通うことにより、子供がその気になった時には力を発揮することができます。

7、所詮、先生も人間ですから思い入れのある生徒(親)には一生懸命になります。そして生徒は尊敬できる人の話しか聞こうとは思いません。価値観が合い、見ている将来が同じ方向ならば結婚相手として相応しいでしょう。それと同じです。

8、ピアノでなくても(他の楽器の)音楽家、音楽関係者、楽器屋さん、コンサートホールの関係者、とにかく知り合いをたくさん作り、紹介をしていただきましょう。全く伝手がなくてもコンサートへ足を運び、知り合いを作り、情報をゲットすることは可能です。SNSを駆使するのもアリですが(SNSは作り込みが可能)やはり結局のところ世の中はコネです。良い情報はその道の専門家や上層部が握っている!

9、HPがなくても立派で素晴らしい先生はいらっしゃいますし、あまり生徒募集を積極的に行っていない先生はSNSの利用を控えてらっしゃる方も。逆に派手な宣伝文句でフォロワーも多く有名な方でも阿漕な商売方法を学んで実践されている方もいらっしゃいます。

10、ここまでのことで選んだのち、トライアルレッスンまで辿り着きましたら全身全霊で臨んでください。玄関や部屋の状態、家具、ピアノの状態や手入れのされ方、楽譜の扱い方や整理の仕方、先生の服装、表情、話し方、メールでのやり取り、トイレ、部屋の匂い、などなど、、、少しでも「ん?」というものを感じたら、あなたの感じた違和感に間違いはありません。

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とはいえ、さまざまな要因で全ての希望を叶えることは難しく、やはり、ある程度はどこかで妥協が必要となるんですね。ですから、何を妥協するのか、譲れないものは何かをしっかりと考え、納得した上で選択してください。きっと後悔も少なく済むでしょう。

(ちなみにW氏は1、3、5、10に於いて違反していました)






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