RIZIN LANDMARK 5を終えて..

昨日はRIZIN LANDMARK 5にご来場頂いた皆さん、そしてPPVで応援して頂いた皆さんありがとう御座いました。

GW超満員札止めのRIZIN初の代々木第一体育館は3階までビッシリの大熱狂の渦でしたね。

沢山の観客達が大きな声援を送りながら熱狂、コロナ禍のこれまでには無かった光景がそこには有りました。

久々に格闘技の持つ底力を見れたのでは無いでしょうか?!

そんな中、山本空良の試合が第二試合で行われました。

試合結果は3Rフルマークの判定敗け。

実は試合前、試合3週間前の追込ラスト週、後半に肋骨部分脇腹を負傷、何も出来なくなり、呼吸も苦しい状況となる。

最後の追込を中断して病院へ、その時のレントゲンと医者の見立ての診断は肋間筋挫傷。。。

療養して様子を見るも緩和せず、骨も行ってる気配を感じ新たに精密検査をすることに。

MRI、CTを受ける最短が今週25日の火曜日となり、その結果肋骨が骨折、または筋損傷が激しい場合は試合はストップする決断が迫られていました。

検査結果は骨まで行って無く、筋断裂、肋間筋挫傷であった。全く動けないがそれでも本人の意思は固く、元々折れてても試合はすると言っていたが、折れてた場合はキャンセルも止む終えないと私は考えていた。

もしもの時があるので、怪我したその日からRIZINさんにはその旨を伝えており、日々怪我の具合の経過も報告しながら、やれることは動かさない、栄養を摂る、酸素カプセル、超音波治療くらいしか出来ない中、精密検査の結果を待った。

そして、結果を踏まえ、RIZINさんと相談の上、試合当日にブロック注射を打って貰うことをお願いし、試合出場を強行することになった。

やるからには、現在出来る戦い方をするしかない。腹筋に力が入らず、体をひねる事が適わない状態では寝技は無理だ。今回は寝技を捨てて戦うプランを立てた。

ところが、試合開始早々、タイミングバッチリにストレートが入った瞬間、バキッと右拳に異変が、空良は折れた事が分かった。

初めての試合中の拳の骨折に、パニックとなった彼は、予定に無かったタックルと引き込みで寝技の展開を自ら作ってしまう。それには私もビックリしたが、1R何とか凌いで戻って来た時に彼の口から折れましたと報告があり納得。

今回はアップもロクに出来ない中、試合前恒例の息上げは、ぶっつけ本番のラウンドの中でやる予定だったので、1ラウンド良く凌いだと、それでも良いアップになったと彼を鼓舞した。

空良の目もまだ死んでいない。
シッカリ前を見て強い目をしており、やる気はあった。

とは言うものの右脇、腹筋にも力が入らず、利き腕の右の手も力が入らない、打てない状況と成った我々にもはや打つ手は無かった。
途中、タオルを投げることも頭をよぎったが、本人はそれでも片腕一本でも首を極めに行き、足を狙い、まだ戦いを捨てていなかった。

よしッ、やれるだけやってみろ。私の心の声はそう言っていた。

それでも立てた作戦を遂行させること、そして経験値として北海道には居ない最高の対戦相手とシッカリと最高のスパーリングデータを取ることに終始させようと彼を鼓舞するしか無かった。

元々、怪我をした瞬間から空良のやる気、テンションが落ちてしまうようだったら、診断の結果はともかく試合は出来なかったので、今回は彼のやる気、気持ちの方が強く優先され、試合に挑んだことが大きい。

対戦相手の金原選手より、空良の方が、この試合に期する強い気持ちがあった。それならば、不利な状況下でも奇跡は起こせるかも知れない。奇跡は自分を信じて戦う者にしか起こらない。

しかし現実はそんな甘くはなく、金原選手の前に一方的と受け取られてもおかしくない状況が続く。

それでも最後の最後まで試合を捨てず、試合に穴を開けず、若干22歳の若者がプロとして立派に戦い抜いた。

私はそれだけでもう十分プロとして、そしてイベントの為、ファンの為に彼は頑張ったと評価したい。

しかも、KOされず、一本も取られず生還した。プロデビューからここまで数々の強敵を戦って来たが、KO敗け、一本敗けは一度も無い。その記録は今回も日本人影の最強レジェンド、UFC経験者の金原選手相手でも更新された事は彼の大きな自信となるだろう。

試合後インタビューで記者に聞かれたので、プロとしての説明責任で彼は怪我の事を話した。金原選手も試合後もっと来て欲しかったと語っていたようだが、行きたくても行けない状況が彼にはあった事が悔やまれる。

今回は怪我をしてしまったのは我々のミスである。

この大一番にイベンター、ファン、そして何より戦うメリットの少ないのに対戦を受諾してくれた金原選手へ 今回は穴を開けることで迷惑をかけてしまう事だけは避けたかったし、何より山本空良のこの試合を絶対成立させるんだと言う強い意思、プロ根性がこの試合を成立させた。

根性が付いて来た。回を重ねる度に確実に逞しくなって来ている。

本当に彼は毎回良い試練、良し成長をさせて貰っている。

空良はインタビューで骨折している拳でももっと打てば良かったと言っていたが、私は打たなくて良かったと思っている。
不幸中の幸いかも知れないが、それが次の試合にベストで戦える様になる現在出来る最善だと思うからだ。

6月24日 RIZIN初の北海道大会までには全ての怪我を回復させ、次こそはベストな状態で試合に挑ませるつもりだ。

今回、追込は最後の最後で怪我をするまでは過去最高の仕上がりになる予定であり、最高のトレーニングを積んで居た。色々なトレーニングの数値にも現れていて本人も自信があった筈だ。

その結果、彼は今回強い心を得ることが出来たのだと思う。

試合後インタビューで空良も言っていたが、今回負けはしたが、もう少し待って欲しいと、完敗ではあるが彼の目はまだ死んでなく、もっともっと高い山を目指しているから、着実にプロとしての必要な心技体諸々を築き上げている道の途中である。

日々進化している。ファンの皆さんには安心して貰いたい。彼はもっと強く成ります。その姿を見るのはそう遠くは無いと思いますので、どうか引き続き応援してやって貰えますと幸いです。

我々も今回色々な反省があり、その反省材料は次に必ず活かして育てるプログラム、プロセスを磨き上げて参る所存です。

今回も山本空良への沢山の応援ありがとう御座いました。

昨年のケラモフ戦以来の10ヶ月ぶりのRIZIN参戦と成りましたが、この歴史的超満員の大都会東京のど真ん中で最高のステージで戦えた事は、彼の誇りとなり、今後さらなる進化への力と成る筈です。

写真提供 RIZIN カメラマン 保高幸子

引き続き、温かい目で見守ってやって貰えますと幸いです。

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?