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今更『かぐや様は告らせたい』にはまってる

古い少女マンガばかり読んできたので、ドラゴンボールもワンピースもNarutoも全く知らなくて、世間から感性が大きくずれてることは承知しています。でも、『かぐや様は告らせたい』はちょっとびっくりした。こんなにおもしろい漫画、生まれて初めてかも。この週末、ずっと引き籠もってくり返し読んでいた。

まず、わたしの嫌いな要素がない。
・無駄に巨乳
・無駄に下着を出す
・無駄なエロ
・暴力過多
・ホラー
・俺様な勘違い男性
どれか一つでもあるとげんなりしてしまうので、これまで少年マンガは避けてきた。ちょっとアニメでも見ようかと思うと、たいてい必然性の感じられない、読者に媚びたエロがあったりする。わたしは物語とかキャラクターのおもしろさを求めているのであって、エロは必要最低限でいい。

『かぐや様』だと藤原書記が巨乳の設定だけど、普段はそれほど扱われず、かぐや様が呪う時にジト目で蔑まれるくらい。男性陣は基本的に言及しない。そこが読んでいてすごく快適。作者が「OLが読んで笑えるような内容」を目指していると発言しているから、その辺りの気配りがしっかりしている。

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悪口がプルースト並にすごい(第5話 かぐや様はいただきたい)

現在19巻まで出ていて、明日11月19日(木)に20巻が出るそうです。累計発行部数は1300万部だそうです。1巻あたり50万部以上売れてるということ? すごすぎる。

10巻くらいまでがアニメ化されていて、先日第3期が発表されたので、11巻以降、より生徒会メンバーが互いに踏み込んでいくことになるでしょう。基本コミックスに忠実なうえ、そこここにアニメならではの演出や音楽があって、どっちかだけ摂取するだけではもったいない。マンガからはさすがに「ラブストーリーは突然に」に近いBGMは聞こえてこないので、笑いどころが微妙にちがっているのが楽しいです。

個人的に好きなのは12巻!
これより先に行くと会長とかぐや様の関係が進んでしまって、アホな頭脳戦(形容矛盾)が素直な心で見られなくなってしまうので、学園祭間際の会長が決意したあたりからの変化が見える12巻が最高に好きです。
最終話の会長がまだ会長じゃない頃に出会って恋に落ちた時のことも良い感じの回想です。もう一歩先、かぐや様がリボンで髪を束ねるようになったきっかけがすごく知りたくて、きっとその辺りで氷のかぐや様をやめたんだと思うのです。

12巻から先はラブコメなのになんだか泣けるんですよ。かぐや様も告白に向けて決意するし、石上君もがんばるし、かぐや様の親戚の眞妃先輩は自虐でダウナーになるし。全員の持ち味が文化祭という出汁で生きてくる。少女マンガの回にあったように、泣かせにきてると分かっているのに泣いてしまう、笑いと涙の両方があるから物語が強いのでしょう。
文化祭のラスト、恋愛もので泣いたことほとんどないんですが、これは大泣きしました。何回読んでも泣ける……。会長の努力が報われた、単純にそれだけが読んでいるこちらも嬉しい。

でも、それでは終わらない。作者の言葉によると、作中内で10月、会長の飛び立つ日まで続くそうなので、コミックスではあと8ヵ月。終わりを考えただけで切なくなってしまいますが、それまでくり返し何度でも読みたい。
普段だったら作者の他の作品もかき集めるところですが、今は『かぐや様』が好きすぎて、幻滅するのがこわい。しばらく岩戸に籠もって『かぐや様』だけを愛でる日々が続きそうです。コミックス化するのが早いのもうれしいですね。


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