レインツリーの国

有川浩さんの本である。

この本は、同著者による『図書館内乱』に登場した本である。
図書館戦争シリーズの２作目『恋の障害』のエピソードに出てくる架空の小説だ。

その架空の小説が、小説化したのだ。

その背景だけでワクワクする。
読みたくさせる。
著者の仕掛けにまんまとかかった。

この本は、ヒロインのひとみが開設している『ラインツリーの国』というブログに上げていたライトノベルの『フェアリーゲーム』の感想に、主人公の伸がメールを送ることから始まる。

伸は中学生の頃にハマって読んでいた『フェアリーゲーム』の終わりに納得いかなかった。
そしてきっと10年間ずっと心にひっかかっていたのだ。
ふと、この終わり方をどう感じているのか他の読者の感想が知りたくなりネットで検索する。
そしてこの『レインツリーの国』というブログにいき着くのである。

自分に似た感性だけど、少し違う考えや言葉に惹かれ、メールのやりとりを何度かかわす。
会いたい思いが募り、２人は会うことになる。
だが、ひとみには伸に言いたくない秘密があった…

２人の恋模様は、切なさや考えさせられる部分が多くあった。

深く考えさせてくれた。

そして有川浩さんは私に、
いつものごとく幸せな時間をくれた。

最後の一文までは。

私にはひっかかる言葉で締めくくられていたのだ。

どういうこと？？？

意味を知りたくて、他の読者の感想を検索した。

そして、まんまと著者の術中にはまっていることに気づいた。

主人公の伸と同じ行動をとっている自分に…

だから、

やっぱり有川浩さんの本はおもしろい。