第32回「外濠の水辺再生事業や関連する歴史文化を体験できるコンテンツ」
UPGRADE with TOKYO 第32回(テーマ「外濠の水辺再生事業や関連する歴史文化を体験できるコンテンツ」)を開催しました
東京都が抱えるさまざまな課題の解決に向け、これまでにない製品・サービスをスタートアップ企業が紹介するピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」が10月20日(金)に開催されました。
第32回目となる今回のテーマは「外濠の水辺再生事業や関連する歴史文化を体験できるコンテンツ」。
デジタルマップやプロジェクションマッピング、3D映像制作などの技術を有した企業5社がピッチに臨み、プロジェクションマッピングやデジタルインスタレーション等のデジタルコンテンツのプロデュース・総合演出事業を展開する株式会社一旗が優勝しました。
歴史的財産「外濠」の水質改善プロジェクト――「水の都」東京の再生を目指して
東京都では、歴史的財産である外濠の水質改善を進め、都心で働く人々に癒しの場を提供するとともに、品格ある景観を形成し、魅力あるまちづくりへつなげていき、「水の都」東京を甦らせる取組みを行っています。
濠水の滞留を防止し水質改善を行うため、多摩川上流水再生センターの下水再生水や荒川河川水を導水する計画となっていますが、玉川上水路などの既存施設の活用や導水路の新設等、施設整備を行う地域は広く、また完成は2030年代半ばと長期間に渡ることから、地元住民をはじめとした都民の理解が不可欠です。
そこで、本事業の認知度向上と、外濠の水辺や緑、歴史文化を体験できるクリエイティブコンテンツを募集しました。
■優勝社:エントリーNo.3 株式会社一旗
『国指定史跡 江戸城外濠跡 プロジェクションマッピング』
優勝した株式会社一旗が提案したのは、外濠の景観を活かしたプロジェクションマッピングによって、江戸時代の外濠周辺における美しい風景や生態系、江戸情緒あふれる景観を表現する取り組みです。
外濠の広い面を投影面とし、周囲の樹木や水面への反射も織り込んだダイナミックな演出による「映え」空間を創出することで、ニュースバリュー創出やパブリシティ効果と集客を目指すほか、すぐ近くを通るJR中央線の乗客に対する波及効果も見込んでいます。
本ピッチにおいては、外濠の水辺再生事業との関連性が高いか、外濠の水辺空間や歴史文化との関連性が高いか、それをより多くの人に発信できるか、という点が重視されました。
その中で、コンテンツ自体が持つ集客力や話題性の高さと、今回のテーマへの過去の実績に裏付けされたプログラムの組み立て方やPR施策等から高い実現性を兼ね備えた提案であると評価され、株式会社一旗が優勝しました。
■エントリーNo.1 水域環境情報基盤株式会社
『外濠への愛着心醸成による「水の都」東京水辺再生プロジェクト~地域住民との協働による歴史教育サービスコンテンツ作成~』
水域環境情報基盤株式会社は、各家庭の古写真や絵等を収集し、外濠の歴史等に関するデジタルコンテンツを作成して子供たちへの教育活動に活かすことで、地域住民における外濠への愛着心醸成を図る提案を行いました。
■エントリーNo.2 株式会社LITEVIEW
『外濠を走って、歩いて、見て、聞いて楽しむアプリ「タトラン(仮称)」のご提案』
株式会社LITEVIEWは、自社が提供するプラットフォーム構築パッケージを活用して開発する、外濠を楽しむランナー・ウォーカー向けアプリ「タトラン(仮称)」を提案しました。
■エントリーNo.4 ジオ・マーク株式会社
『水都Tokyo マップで探索プロジェクト』
ジオ・マーク株式会社は、自社の強みとするイラストベースのデジタルマップ技術を活用した、3種の地図コンテンツ作成(古地図、現代地図、濠・暗渠等の水流に関する地図)とそれを活用したPR施策を提案しました。
■エントリーNo.5 株式会社DiO
『芸術・美術系 若手アーティスト支援活動で外濠の水辺再生事業及び歴史文化をPR』
株式会社DiOは、若手アーティストを起用し、外濠周辺スポットにおけるギャラリー整備やデジタル技術を活用したヴァーチャル空間上でのコンテンツ展開などのハイブリッドPR施策を提案しました。
今回のピッチイベントは、都民をはじめ多くの方々が外濠に対する興味・関心を深め、外濠の水辺空間や歴史文化に親しむ契機を作るとともに、長期間に渡る水質改善プロジェクトに向けた機運醸成を図るものでした。
優勝した株式会社一旗との協働プロジェクトをはじめ、外濠を取り巻く様々な事業が成功し、また近隣で生活する都民の生活がより良いものとなることを願っています。
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