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マイノリティ宗教への攻撃が社会に及ぼす悪影響について議論

CESNUR主催国際会議 第2日

フランスのボルドー・モンテーニュ大学で開催されている「信教の自由」をテーマにした国際会議(新宗教研究センター<CESNUR>主催)は6月13日、2日目を迎えました。

この日の昼からは「統一教会と日本:何が起きているのか?」(The Unification Church and Japan: What Is Exactly Happening? )をテーマにしたセッション(モデレーター:宗教社会学者・アイリーン・バーカー氏)が開かれ、日本から参加した国際弁護士の中山達樹氏、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の近藤徳茂総務副局長、家庭連合信者でオーストリア在住の日本人、スズコ・ヒルシュマンさんが日本の状況を報告しました。

報告に先立ち、当事者としてこの問題に向き合ってきた日本家庭連合の田中富広会長があいさつしました(ビデオ)。メッセージの冒頭、田中会長は参加者に対し、「市民的及び政治的権利に関する国際規約によって保障された信教の自由を獲得するために、欧州の人々が努力してきた歴史に深い敬意の念を抱いている」と述べ、感謝の意を示しました。そして、2022年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件以降、反統一教会勢力が主導する形で日本社会に巻き起こった「統一教会批判」に触れるとともに、現在、解散命令に向けた動きが高まっている様子を説明しました。

その上で、田中会長は参加者に対し、「信教の自由が失われれば、不寛容で敵対的な社会が到来することは間違いない。日本だけでなく、世界中でこのような事態が起こりうることを、私は非常に懸念している。特定の花々がそれぞれの美しさを表現するように、日本も世界も多様性を受け入れ、人々が相互理解と尊敬の念を持って共に生きる社会が実現することを願っている。信仰の違いを超えた優しさが世界に広がれば、どんなに素晴らしいことでしょう!」と訴えかけました。

中山弁護士は、日本政府による家庭連合の解散命令請求について、その要件とされる法定違反(組織性・継続性・悪質性)がなく、明らかに不当であると強調。こうした動きを後押しする弁護士らの政治的偏向性について指摘しました。

家庭連合の近藤副局長は、日本における反統一教会勢力の思想的背景について説明。家庭連合と関連団体が今日まで日本を共産主義勢力から守るための愛国運動を展開してきたことに言及し、これに危機感を持った日本共産党や賛同的なメディア、弁護士グループが連携して「統一教会叩き」を推進している状況を報告しました。

スズコ・ヒルシュマンさんは、実の妹が体験した悲惨で残酷な出来事について語りました。それは、「ディプログラミング」(脱洗脳)と呼ばれる犯罪行為、すなわち強制的に拉致・監禁し、信仰を放棄し、教団を去ることに同意するまで身体的・心理的な暴力にさらされた体験です。ヒルシュマンさんは、日本におけるこうした事例が今日まで計4300件に上ると報告。その背景に、ディプログラマー(職業的脱会屋)と事実を無視し続けるメディアの存在を指摘しました。

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