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今さら聞けない!?積立NISAって何?①

昨今、積立NISAというワードを至るところで目にするようになりました。
いったい何の話をしているのか、ググってみてもよく分からないという方へ、定義から分かりやすく解説します。

NISAとは免税制度のこと

まずNISAという言葉ですが、これは日本語で少額投資非課税制度と呼びます。
NISAという略称はNippon Individual Saving Accountの頭文字をとったものです。
この制度の大まかな趣旨としては、「日本人は預貯金しすぎだから、株式に投資してくれたらその利益は免税するね」 というものです。

株式の配当金や銀行の預金で得られる利子など、金融所得と呼ばれる利益には基本的に約20%の納税義務が発生します。
例えば、A社の株式を100万円分購入し、200万円で売却できたとします。
このとき投資で得られた利益は100万円になるので、その20%に相当する20万円程を税金として収めることになります。
消費税が現在10%ですので、その倍の税率というのは大きいですよね。

これは皆さんが銀行に預けている預金についても同じことがいえます。
ただし現在金利が非常に低く、100万円を1年間預金していても利子は良くて数百円程度になります。
ここから約20%の金融所得が予め源泉徴収された残りの約80%が振り込まれるので、ほとんどの方は気づかないかもしれません。

ですが同じように約20%の税金が課されています。
これをある条件の株式投資においては免税されるという、ただのありがたい制度なのです。

投資はお金を持っている人がさらにお金を儲けるためのもの、といったイメージがあるでしょうか。
サラリーマンとして給料を貰って生活をしているので自分とはあまり関係がない、と思われているかもしれません。
しかし、そうは言っていられない時代になってきました。

物価は本来上がるもの

経済成長率という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
経済は毎年+2%の成長を目指すのが好ましいと言われています。
詳細は割愛しますが、これは毎年物価が2%ずつ上昇していくこと、つまり緩やかにインフレしていくことを意味します。
インフレというのは物価の上昇に目が行きがちですが、同時に国民の所得が緩やかに増え続けることでもあります。

さらにいうと2%のインフレを実現するということは、毎年2%ずつ貨幣の価値が下がっていくということでもあります。
100円のリンゴが次の年に102円払わないと買えないということは、相対的に貨幣の価値が下がっているということを意味します。

長い間日本はデフレに見舞われ、牛丼一杯が300円を下回るといった時期もありました。
30年以上かけて物価は上がらないもの、というイメージを植え付けられてしまったのが今の日本人なのです。
身の回りで色々なものの値上げが始まっていますが、これまでが異常であっただけで、元来値上げ自体は自然なことなのです。
物価上昇に見合うだけの所得が増えないことが問題なのです。
(円安に起因するスタグフレーションについては今回の趣旨と異なるので割愛します)

資産を守る手段

貨幣が価値を棄損していく様子をただただ眺めている行為がタンス貯金です。
ですがそれを銀行に預けたからといって得られる利子は0.01%にも満たないので、価値の棄損は1.99%以上と焼け石に水です。
経済全体の成長を横目に、貨幣で保有しているあなたの資産は目減りしていく一方なのです。
自分の資産を守るためにはどうすればよいのでしょうか。

そこで有効なのが投資です。
つまり、投資によって年間2%の利益を得ることができれば、初めて価値の棄損が0になります。
投資はお金を儲ける道具ではなく、資産を守る手段としてみることができるのです。

それでは投資で安定的に年利2%を得続けることは可能なのでしょうか。
株式投資だけに限っても色々な種類があり、買い方を勉強すれば十分可能です。

個別株とインデックス投資

皆さんが初めにイメージするデイトレーダーが購入する株式は、個別株と呼ばれます。
個々の株式会社の財務状況を見比べ、この先株価が上昇すると判断した銘柄を選択して購入する方法です。
それに対し、多くの会社から少しずつ小口で集め、ひとつにパッケージ化された株式はETFインデックス投資、また投資信託と呼ばれます。

個別株は一点集中の投資になります。
その会社の株価の変動額がダイレクトに投資成績に反映されます。
GAFAのように20年前から株価が何百倍と成長してきた大企業に投資していれば資産が何百倍にもなりますが、一方でその会社が倒産してしまえばゼロになります。
比較的リスクが高い投資方法です。

それに比べて、インデックス投資は多くの会社から少しずつ分散的に購入するので、その内のひとつの会社が倒産したところであまり痛手にはなりません。
さらに中央の証券取引所が財務状況や業績などを評価し、優良と認めた企業のみがパッケージ化されています。
パッケージの例としては、米国ではS&P500やNASDAQ、日本では日経225などがあります。
ニュースで盛んに耳にする日経平均株価というのは、厳選された225社の株価の平均を意味しています。

株式投資にも種類があることがわかったでしょうか。
一点集中の個別株はハイリスクハイリターンですが、分散して投資できるインデックス投資はローリスクで運用が可能なのです。

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