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【対談】製薬業界に変革をもたらすUbie新組織「Ubie Pharma Innovation」は、医療のROIを最大化する最後のピース

Ubieは「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ、患者さんの適切な受診をサポートするAI受診相談サービスや、医療現場の生産性を向上させるAI問診サービスなどを提供している企業です。医療のROI(Return on Investment)を最大化させるべく、創業から約4年半、各サービスの開発やスケールに注力してきました。

Ubieの特徴は事業内容だけでなく、組織設計にもあります。Ubieには、事業やプロダクトの開発とスケール、それぞれに特化した別個の組織が内包されています。各組織がゴールから逆算した行動指針や人材要件を設けることで、より速く、最適な形で医療業界に価値を届けることが狙いです。

そんなUbieに2021年10月新たに設立された組織が、Ubie Pharma Innovationです。Ubieの製薬事業を牽引する組織として設立されたUbie Pharma Innovationとは、どのような組織なのでしょうか。本記事では、Ubie Pharma Innovation ディレクターの岡アキラ(Akira)と製薬プロダクト開発をリードする菊地慧(Kei)、そしてUbie代表である阿部吉倫(Ave)が、Ubie Pharma Innovationの意義や展望について語ります。

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Ubie共同代表取締役 医師 阿部吉倫(Ave)
2015年東京大学医学部医学科卒。東京大学医学部付属病院、東京都健康長寿医療センターで初期研修を修了。血便を放置し48歳で亡くなった患者との出会いをきっかけにデータサイエンスの世界へ。2017年5月にUbie株式会社を共同創業。2019年12月より、日本救急医学会救急AI研究活性化特別委員会委員。2020年 Forbes 30 Under 30 Asia Healthcare & Science部門選出。

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Ubie Pharma Innovation, Director 岡アキラ(Akira)
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程中退。外資系戦略コンサルティングファームにて、企業・政府に対して戦略アドバイザリー、新規事業創出支援、オープンイノベーションマネジメント支援などを経験。2019年11月にUbie株式会社入社後は製薬向け事業の立ち上げを牽引。2021年10月1日に製薬事業拡大にフォーカスする社内組織として Ubie Pharma Innovation を立ち上げ Director に就任。

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Ubie Pharma Innovation, Account Principal 菊地慧(Kei)
東京大学薬学部卒。新卒で製薬企業においてMRとして従事後、外資系戦略コンサルティングファームに転職し、ヘルスケア領域を中心としたプロジェクトを担当。2019年10月にUbie株式会社入社後は製薬向け事業の立ち上げを牽引し、現在はプロダクトオーナーとして製薬企業向けのプロダクト開発をリードするとともに、Ubie Pharma Innovationに出向(兼務)。

新組織Ubie Pharma Innovationは、Ubieを支える「柱」

阿部吉倫(以下、Ave):Ubie Pharma InnovationはUbieの他組織と連携しつつ、製薬企業にアプローチし、患者さんのアウトカムを最大化させることを目的として作られた組織です。

私は医師として医療現場にいた頃、早く診察に来てくれれば救えた命を目の当たりにし、早期発見・早期治療の重要性を痛感しました。一方で、受診するタイミングは患者さんの任意によるもので、医師はコントロールできません

一人でも多くの人の命を救うために、患者さんが発症した瞬間に、適切な治療に導きたい。この願いから、私はUbieを創業しました。そして、このたび設立されたUbie Pharma Innovationは、まさにそのUbieの柱となる存在でもあります。

岡アキラ(以下、Akira):Aveが話した早期治療の重要性については、医療現場だけでなく、製薬業界の方々も課題を感じていることです。製薬企業は患者さんの命を救うために、長い年月をかけて研究を重ね、薬を開発します。しかし、患者さんとの接点がない以上、その薬を届けるために選べる手段は限られます。

菊地慧(以下、Kei):Akiraが言うとおり、製薬企業のメインの取引先は患者さんではなく医師です。私は過去にMRの立場から現場を見てきて、製薬企業が受診や診断に深く関与できないことは、患者さんの命を救うという観点においては障壁になると感じていました。

もちろん、製薬企業側もさまざまな企業とのコラボレーションを通じ、価値提供の範囲を広げようと模索していたのは確かです。しかし、その施策のほとんどは、ペイシェントジャーニー(※)の一部に対してのみ価値のある単発的なものでした。

※ペイシェントジャーニー(Patient Journey):患者さんが疾患や症状を認識して、最終的に病院での受診や服薬など、治療するまでの患者さんの「行動」、「思考」、「感情」などのプロセスを表したもの

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Akira:本質的な課題を解決するためには、そうした一過性の施策を繰り返すのではなく、持続的かつ網羅的なアプローチが必要です。業界変革の担い手として製薬企業と手を取り、患者さんの治療機会を最適化することに向けてともに歩む組織、それがUbie Pharma Innovationです

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製薬業界の時流に背を押され、急発進したUbie Pharma Innovation

Ave:人々を適切な医療へ案内するためには、治療を担う製薬企業へのアプローチは必要不可欠です。しかし、創業当時の私たちには、製薬企業に価値貢献できるプラットフォームがありませんでした。

そこで、私たちは全国の病院とフルコミットし、生活者様向けのソリューションを提供することで問診エンジンを成熟させてきました。この鍛えあげたプラットフォームがあることで、ようやく製薬企業に価値貢献できるベースが整ったのです。

Akira:ただし、ベースが整ったとはいえ、私たちが挑む製薬業界の課題は依然としてレベルが高いものばかりです。製薬企業は母数こそ少ないものの、それぞれ患者さんの数、薬の数だけ課題はあり、企業ごとの課題に応じてアプローチの仕方も変えなければなりません。そうしたお客様の課題に向き合っていくUbie Pharma Innovationのメンバーは、非常に高い課題解決力が求められます。

現在、Ubie Pharma InnovationはUbieの他組織からの出向メンバー数名で運営していますが、それらの課題の質量や数からすれば、人手がまったく足りていません。製薬企業さんからのニーズに私たちが追いつけていないんです。うれしい悲鳴ではありますが、悔しい気持ちもあります。

Kei:その背景には、昨今の製薬業界のROIに関するトレンドがあります。製薬は規制産業の一種ですが、近年は高騰する医療費を背景に財政健全化のため国から製薬企業に対してROIを強く意識させるメッセージが打ち出されているように感じます。

例えば薬価制度では、「費用対効果制度」といって薬剤の費用対効果を上市後に検証して薬価に調整させる仕組みが導入されています。こうした変化も後押しになり、製薬企業の中でもROIに対する意識が強まっているのではないかと思います

Ave:私たちは医療関連のステークホルダーに対し、以前から「ROIが大事」というメッセージを発信し続けてきました。私たちが製薬企業にアプローチする準備が整ったタイミングで、製薬業界もROIに対して課題意識を持ち始めたことは、時流の運が良かったと捉えられるかもしれません。

Akira:現状だけ見れば、まさに砂漠に水をまいたような状態ですよね。これだけ言うと「黙っていてもお客様が増える」と誤解されてしまいそうですが、Ubie Pharma Innovationではマーケットメイクの醍醐味もしっかり味わえます。というのも、今はイノベーター理論でいうところのまさにイノベーター、アーリーマジョリティの人たちと価値を協創しているフェーズです。今後はレイトマジョリティにあたる企業にもUbie Pharma Innovationが提供できる価値をお伝えしていかなければなりません。

患者さんに薬を届けるまでのプロセスを丁寧に設計し、ご納得いただく。この点については、製薬業界の変革の担い手としての高い課題解決力が試されるところです。単なる営業の視点ではなく、企業に寄り添った深い理解を示し、本質的な課題解決に向けたソリューションを浸透させていくのが、私たちUbie Pharma Innovationの役目です。

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社会貢献度の高い領域で、課題解決の手段をもつ強み

Ave:Ubie Pharma Innovationの働きは、患者さんの治療機会を最大化できるか否かに大きな影響を与えます。また、Ubie Pharma Innovationが挑戦する製薬企業に対するサービス提供者の市場のポテンシャルは2兆円とも言われており、事業の拡張性が高いということも魅力です

Akira:市場規模が大きいということは、社会貢献価値もそのぶん大きくなるんですよね。医療領域は、特に救った患者さんの数が事業の規模に直結していくものです。そういった観点から考えると、Ubie Pharma Innovationほどに社会意義のある組織は、そうそう見つからないと思います。

私はコンサル会社にいた頃、自分の社会貢献度について考えたことがあります。もちろんこのままキャリアを重ねていけば、大企業の参謀としていくつもの企業の変化のきっかけを生み出せるかもしれない。でも、コンサル会社では戦略を構築するところまでしか携われません。本当の意味で社会に貢献するならば、自分自身が事業に携わりながら、泥だらけになって前に進むような経験がしたいと感じていました。

Kei:その気持ち、わかるなあ。僕は製薬企業から戦略コンサルティングファームに転職し、ヘルスケア関連のプロジェクトに関わりました。それはとても良い経験でしたが、描いた戦略を実現する手段をもたないことには、ある種のもどかしさを感じていたのを覚えています。

その点、Ubieには自社開発のプラットフォームがあり、それを活用することで戦略を実現フェーズまで導くことができます。“How”を実現するプロダクトをもっていることは強みだな、と改めて思いました

Akira:Keiは製薬企業と連携して、Ubie DSIを開発してたよね。

Kei:Ubie DSIは、Ubieの医師向けプラットフォームの上で医師と製薬企業をマッチングし、医師に対して診療上の意思決定時に有益な情報をシームレスにお届けするソリューションです。この開発に際しては、ステークホルダーである医師と製薬企業、両者の体験を毀損させることなく、付加価値を最大化させる必要がありました。当時、私は製薬企業の顧客と接するばかりで医療機関の現場に立つことがあまりなく、医師側の視点に乏しかったのですが、医師向け事業を担当するBizと朝まで議論をしたことで、ようやく理想のソリューションの答えを見つけられました。

やはり、プロダクト開発においては、各ステークホルダーと最前線で触れ合う現場担当者の感覚や知見が重要であると考えています。ですから、製薬企業と直接向き合い続けるUbie Pharma Innovationのメンバーが果たす役割は、今後の開発においても非常に大きいと思います。

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Ubie Pharma Innovationのパイロットは、他でもないあなただ

Akira:最後に、Ubie Pharma Innovationに優秀な人材が必要な理由を、それぞれ想いと共に伝えましょうか。

Ave:日本の平均寿命が他国と比べて高いのは、高度な医療に誰もがアクセスできる環境や制度があるからです。しかし、生まれる国によって寿命が変わってしまうなんて、本来はあっていいことではありません。その問題に挑み、環境を問わず全人類が等しく老衰で死を迎える世界を実現することこそ、私たちの願いです。

そのために、私たちは医療におけるインフラになろうとしています。“検索ならGoogle”と言われるように、“医療ならUbie”といわれるような事業を作っていきたいわけです。だからこそ、ビジネス戦闘力の高い、ビジネスサイヤ人の力が必要なんです!

一同:(笑)

Kei:Ubieの「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というミッションを実現するためには、医療に携わるあらゆるステークホルダーとコラボレーションしながら、価値を届けていく必要があります。

これまでリリースしてきた患者さん向けのソリューションが第一の矢、医療事業者向けのソリューションが第二の矢とすると、第三の矢として、製薬企業向けのソリューションを放つときが今なのだと思います。現在、製薬企業自身に価値を届けられるようなソリューションの開発を進めていますが、この第三の矢を放つためにも、仲間が必要です。

Akira:そう、今なら製薬企業は変われます。さまざまな要因が重なった今だからこそ、患者さんも、医療従事者の皆さんも、そして製薬業界の皆さんも、みんなハッピーになれる世界が望めます。ここまで条件がそろっているならば、自分自身の手でやりたくないですか?

5年後、きっと製薬業界は今とはまるで異なるものになるでしょう。その変革の狼煙を上げるのは、他でもないUbieのUbie Pharma Innovationです。

Ave:私たちは創業時から、人々を適切な医療に案内するためのプラットフォームを育ててきました。製薬企業さんに対してソリューションを提供することが最後のピースだと心に描きながら進んできたのです。そして、今、ようやくここまで来ました。Ubieという名のロケットを月に打ち上げるUbie Pharma Innovationを立ち上げたわけです。

Ubie Pharma Innovationのパイロットは、今これを読んでいるあなたです。他の誰でもなく、あなた自身が月に行って、地球は青かった、と叫んでください。

Ubie Pharma Innovationについてもっと知りたい方やエントリーを希望する方はこちらをご覧ください


<お知らせ>
11/25(木)20:00〜 Ubie Pharma Innovation初のMeetupを開催します

11/27(土) 10:00〜 Liiga主催イベントにリクルートさん、ダッソー・システムズさんと出演します


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