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消えたさの成分分析

自分の話をします。
人と会った後、ぐちぐちとあれはよくなかったかな、傷つけてたらどうしようとビビってしまい、己を責める。他人に期待しすぎだし、自分にも期待されていると思いすぎなのだ。

AC(アダルトチルドレン)やトラウマの初学者向けの本を読むと、恐怖体験や大きな悲しみというのはショックが多すぎて、作業スペースに冷凍保存されてしまうらしい。安心できるところで打ち明けて、癒されることによってやっと作業スペースは空くし、苦しみからも逃れられるという。

私は苦しくて辛い思いが子供の頃からあったが、信頼し切れる大人が見つけられず、黙っていた。施設なんかに繋がったら、それこそ私は家族を破壊した人として母から嫌われてしまうだろうという不安もあった。

母は私のことも大切だというが、行動が伴っていない。彼女自身もアルコール中毒の気のある祖父と口うるさく心の通わない祖母のもとで育つなかで、なにかのスイッチをパチンと切っていて、妙に鈍感な節がある。
父も祖母のお気に入りではなく、長男だからと押し付けられながらも、妙に大切にされず育った。親から反対されて望みの人と結婚できなかった。

私が一番できずに苦しんでいるのは「口ではなんと言われようと、愛ではない行為をされていたし、多分これからもそうだ」と受け入れることだろうと思った。
多分されたら誰でも辛いことをされて、苦しんでいる。でも親が私を愛してると言ってる。信じたい。ハッピーエンドにしたい。私の勘違いだったことにしたい。愛していない行為をされていると認めることができない。でも結局痛くて、自分が勝手に痛がってるおかしい人間ということにして、片付けている。

対人関係で怯えてしまうのも、兄が大声をあげたり刃物を持ち出したとき親は止めて私を守ってくれなかったし、母はチクチクと言葉で私を刺したし、相手の都合によっては嬉しかったことを話しかけても、今忙しいのがわからないの?と強く怒られた。子供が嬉しい、悲しいという部分へ共感するステップがなく、すべて本人の価値観で意見を言われた。

おかしい人間は排除されるから、安心して過ごせば良い、わたしは同じくらい凶悪にならなくて良いという場所にいられなかった。

私はヘラヘラするのがあんまりうますぎて、痛さが周りからあんまり見えなくなってしまった。

自分は(罪のない)家のせいにしているだろうか、家は問題なくて全部私の異常な弱さやおかしさのせいだろうか、と怯えて恋人に言ったら、いや家はおかしいと思うよ、もう期待しない方が楽だと思う、というふうに言われて(私はこう受け取った)、泣いたけど、少し安心した。

親に刃物を持ち出したのは弟ではなく兄だということを黙っていてと言われた。兄が弟を数時間罵倒して刃物を持ち、警察が家の前まで来た日、兄と私以外の家族は勝手に車で1時間の父の実家へ向かっていた。私は置き去りされた。祖母の葬式で、数日前兄が灯油を被ったことを黙っていてと言われた。
父は工具や鋏が移動したことにとても不機嫌に言われて、それは兄が持ったら怖かったから隠したのだというのを諦めた。
痴漢された後、私が苦しんでも、口ばかりでいっこうに何の手も貸してくれなかった。全部自分でなんとかした。とても辛いので家で兄と二人は耐えられないから母もいてくれと言ったら、「(成人済みの)弟の食事を作らないと」と去ろうとしたから、わたしは弟にラインをして許可をとった。
「あなたが自ら距離取ってるみたいだから、こっちも気にして距離をとっている」のだと言われた。
目の前で怒りながら手首を切ったけど、親は他のことで忙しくてきっと覚えていない。

この前実家を実質出禁になっていたのを、私の手で解除した。痴漢の後私の気が立っていたので兄も気が立ち、私は家を出た。「俺は家でストレスをあたりちらさなかった」と父は言った。娘が知らない人間に胸を触られた痛みというのは、この人には想像もつかないのか、と思った。今考えると父も酔って性被害を受けたことのある人間だった。

なんの話だっけ。
そう、たしか、家族を庇うからうまく認められなくて辛いんだろうと思ったのだった。家族にエネルギーをかなり割いてきた。私が修復してを尽くせば普通の仲良しで楽しい家族になれる、順番を待てば私も家族に尊重され、気にかけられると思っていた。でも壁の日々を塗り直そうとも、家の基盤からバキッと元々割れていて、それはこどもの力では治らない、そういう話なんだよ。
精神の中で子供の頃の私に会えたなら、抱きしめたり遊んだりなんだりした後、きっとその子の手をとって、家の前から一緒に去るのだろう。
その子は家を振り返るけど、手を振って、小さくバイバイ、と言うのかも。

収入が低くて恥ずかしい。学費を結構出してもらったのに、奨学金をもらったのに、変にビクビク怯えてしょうもなく居る。職歴があまり良くない。
でも、気にしなくて良いよ。周りの人はほぼほぼ受けていない(であろう)銃弾をあなたは受けたんだから。

子供が無力で力になれないこと、それを気に止む必要はないこと、守られるべき存在だと本に書いてあった。本に書いてあるから、そうなんだよと修復バッチをこまごまと書き足す。私のプログラムがいずれ書き変わるように。

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