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「私の祖母がねぇ…お化けだったんです」 定年を迎えるまで百貨店で仕事をされていたというAさんは、衝撃的な言葉で話の口火を切った。 「お祖母様が、ですか…?」 流石に驚いて問い返すと、彼女は整った眉の間に少し皺を寄せながら続けた。 「ええ、それも蛇というか…そうねぇ、何と言ったらいいか」 蛇。 どういう事であろうか。どうにもそこから話倦ねていたようだったので、僕は思いつくまま取っ掛かりを探ってみた。 例えば前世が蛇だったとか、蛇に憑かれていたとか、もしくは古式ゆかしい